Uさん、こんばんは。
キャノンのEOS-1Vのシャッター音が素晴らしく良いということを投稿しましたので、これ以外にシャッターフィーリングが良かったカメラを記事として上げてみようかという気分になりました。
それぞれの機種にはそれぞれの良さがあるので、順位は付けていませんが、印象深いカメラを思い出した順に書いてみます。なお、機種別の機能・機構について一つ一つ書いていくと記事が長くなりますから、それらは簡単に触れることにします。
①コンタックス RTSⅢ
ヤシカからカメラ事業を取得した京セラが発売していたフィルムカメラです。バキューム機構という、面白いが良い着眼点をもった特徴が記憶に残っています。手に持つとごつくて、中身が凝縮されずっしりとした重さを感じます(実際大振りで重い)。
”ズッキューン”といった独自のメカメカしいシャッター音がします。
まるでロボット・サイボーグ、テクノロジーの塊といったイメージです。ボディに吸収されるのか、ショックは少な目です。
このカメラは大変高額ですし、レンズもツァイスでこれまた高額、全く手の届かないところにありました。
The 高級品といったところを地で行く素晴らしいカメラでした。デザインもポルシェによるものだったかな。
手にした(触れることが出来たのは)一度だけですが大変に幸せな経験でした。
②コンタックス RX
高額なRTSⅢの弟分で、高級そうなポルシェデザインの外装・意匠は引き継いでいます。
その特徴で記憶にあるのは、フォーカスエイド機構。
当時、少しづつ視力が弱くなっていたので、なんという素晴らしい撮影支援機構なのかと感動した覚えがあります。
RTSほどではありませんが、シャッター音質も低くて切れが良く高品質なものであり、ショックも少なくなめらかでした。
RTSⅢよりもだいぶ値段が安いので、購入の対象になりましたが、最終的には、Nikon F90XSを選んでしまいました。
京セラさん、御免なさい。
③MINOLTA XD
カメラ屋の店頭に並んでいるのは、いつも普及機のXGシリーズとか、X-7ばかりでしたが、ある日、上級機のXDに触れる機会がありました。
実に滑らかな独特のシャッターフィーリングでした。
貴族の振舞いの如く悠然とした印象を持ちました。
”ジャッコーン”でもなく何と言ったらよいか表現に苦しみます。高級感といったワードで語るのではなく、
兎に角、上質の一言です。
デザイン自体は取り立てて特徴はない、素っ気ないものです。が、外装の仕上げの良さがあり、その重さがそこはかとなく上級機を感じさせました。
グリップもありませんからホールディングは一般的なものです。
ファインダー表示はなんとなくよかった気がします。
おさわりしただけですから、世界初の(シャッター優先AEと絞り優先AEの)両優先AEの搭載についてのインプレッションは出来ません。
④Nikon F90XS
切れが良く上質なシャッター音と独自のショック感覚。
兎に角、夢中になってしまい、予算に合うようあれこれ探して、三宝カメラで、金融新品(今は使われないキーワードか)を買いました。
買った後、興奮しながら喫茶店に行き、元箱から取り出してすぐにペンタトップ部に小さな傷をつけてしまい、なよった記憶があります。
実際に使ってみると、何故か手振れ写真を量産してしまい、これはシャッターショックのせいだと断定して、間もなく手放してしまいました。
⑤Nikon F4
デジタルカメラを使い出しから久しくなった、ある時、何故かフィルム撮影をしたくなって何台かフィルムカメラを買い直したうちの一台です。
元々でっぷりとした不細工な出で立ちのF4は嫌いでした。
ですが、手に取ってみると豊満なグリップが手にスッとなじみ、高質なラバーが非常に良い触感をもたらしてくれました。
意外です。”ツキューウン”という小さなシャッター音と、ダンパー機構による低ショック。
これは良いカメラだと思いましたが、何故か短期間で手放してしまいました。
何故だろう。多分、マウントをEFに統一したためです。
⑥OLYMPUS OM-1n,OM-2n
フィルム時代のOLYMPUSにはまるで縁がなく、TTLダイレクト測光、マルチスポット測光、小型軽量ボディなどの新機軸、独特の機構を遠くから眺めていました。
この両機は、レンズ環のところにシャッター選択ダイヤルがあり、右側の軍幹部の普通ならシャッター速度ダイヤルがあるところに、フィルム感度ダイヤルがあるという独自のダイヤル配置になっていました。個人的にはこれに非常な違和感を感じました。
特に、フィルム感度表示が白字と黄色字で印刷されているところ、この光るような黄色と他の銀色の配色に妙な古めかしさと忌避感を受けてしまい、どうにも近寄りがたい存在でした。のちに出たブラックボディでは何の問題も無く違和感も感じませんが、自分の世界のものではないというところでは共通してしていました。
それでOM-1nはメカニカルシャッター、OM-2nは電子シャッターです。
どちらか忘れたのですが、実際にシャッターを切ってみた時、”コッ・コローン”とか、”コロ・ロ~ン”といった印象の、兎に角、滑らかなシャッターフィーリングには驚かされました。
ビー玉やガラス玉が同士がそっと触れ合うような、優しくて優美なシャッターショックです。
お前の素性はそんなに良かったのか?
遠くから異物を見ているような姿勢を長い間取っていて、両機には申し訳ない気分になりました。
のちにOM-1nは、OM-3,OM-2nは、OM-4に進化しますが、MINOLTA α7000が切り開いたAF新時代にOLYMPUSは取り残され、OM707というAF機を出したものの振わず、フォーサーズで復活するまでオリンパスの一眼レフはなりを潜めます。
さて全体として、Nikonはシャッターフィーリングに配慮し、Canonは前の投稿で書いたとおり、余り顧みない印象です。
その他のメーカーについてまとめて触れます。
コニカのFT-1やフジカのSTシリーズは操作経験が無いので良くわかりません。
リコーのXRシリーズは、XR1とXR2(XR500)はシャッター音、ショックとも硬質だが、まともな印象がある。しかし実際、自分が所有していたコストダウン機XR-7のシャッターフィールは安っぽさ丸出しの最悪のものでした。
この経験(トラウマ)があるから、シャッターフィールに自分がこだわりを持っているのかもしれません。後から出たXR-PやXR-Sは大分改善された模様です。
さらにもう一つの小型カメラの雄、PENTAXですが、シャッターフィールに関して全体としては良い印象を持っています。が、取り立てて何か言及するほどのものはありません。
最後に、マルチモードを持った先進の一眼レフ;マミヤZE-Xです。このカメラを知って、本格的に写真撮影をするようになりましたが、何故か実機を操作したことが無いのです。どんな味わいだったんでしょうか。
以上は、フィルムカメラについてです。次にデジタルカメについて触れてみます。
レンズ交換式デジタルカメラで良いと思っているのは、フェザーシャッターを持っているFUJIFILMのX-H1と、OLYMPUSのOM-D E-MX1、PanasonicのLUMIX G9proぐらいです。比較的新しいものばかり、現行機が2種あります。
まだ持っていないものばかりですが、今後購入するかどうかはわかりません。今持っているカメラで充足しているからです。後はただの物欲になります。物欲だけで高額なカメラを増やすのは現状難しい。
それから、現有機全てにおいて、シャッターフィーリングに関しては、皆どこかで少しずつ妥協しています(どうしても我慢出来ず、売却してしまったCanon EOS5Dmk2もありますが)。
容認できる範囲で、出てくる絵を優先している(満足している)していますから、これはこれで良いです。
こうして文字にしてみると、自分の中での印象深いカメラはフィルム時代の方が多かったことが分かります。高値の花の時代の憧れの存在だったことも強く影響しているのでしょうか。
では、これで失礼します。
ごきげんよう。
さようなら。