Uさん、こんばんは。
今日も改めてのネタがありませんから、写真関連の投稿で誤魔化そうと思います。
特売情報のやり取りをする掲示板で、デジタル一眼レフのカメラのシャッター音について投稿者同士の意見のやり取りを見掛けることがあります。
今は少なくなっているのかもしれませんが、以前はいろいろな機種で見掛けることがありました。
曰く、シャッター音が大きい、安っぽい音質だ、フィーリングが悪いなどで、機器に愛着はあるものの、感覚に関わる部分で不満があるという意見に対し、音質は全く気にならない、出てくる絵が良ければ何でも構わないといった反対意見のやり取りです。
恐らくシャッター音が気にならないという人は、写真撮影をデジタル一眼レフカメラで始めた人ではないかと思います。
しかも、使っている機種がキヤノン製ではないかと推察します。
さらに多くが革命機「EOS 5D」を使っている(いた)方々なのではないかと思うところがあります。
何故というと、このEOS 5Dのシャッター音は、ポコポコと安っぽく低品質でありますが、撮影して得られる結果は、当時最上位のものだったからです。
シャッター音のポコポコは、何らかの理由があるのでしょうけれど、それはさておき、デジタル世代からすれば、これは写真撮影機材ではなく、デジタル画像取得を目的としたデジタルガシェットということなのでしょう。
そう考えれば、求めるものが得られさえすれば、あとはコストの兼ね合いということになり、感性に訴え欠ける部分は些末ということになります。
彼らの意見がそこから出てくるものであれば、自分の意見は異なりますが、それはそれで納得できます。
キヤノンという会社は、どちらかというと実用一点張りのところがあり、出てくる絵は安定していて見栄えが良いのですが、製品は、まさにマスプロダクトを地で行く感じで、感性に訴えるようなところに頓着しない傾向があったりします。
コストと性能を見て製品企画を追い詰め、出来上がったものが、結果としてそれが人の心に訴えれば其れで良し、訴えなくてもブランドとプロダクトバランスで売ってしまう、そんな企業文化を感じます。
プロ仕様の一部製品は、使い手にそっぽを向かれないよう、上手に両者のバランスを取っているようですけれど、普及機に至っては、実にそっけない設計・企画をしているように思われます。
商品開発技術力もさることながら、この商品企画の割り切りがあるから、キヤノンは強いのでしょうけれど、少し寂しいですね。
FD時代になりますけれど、「連写一眼」のキャッチフレーズで大ヒットしたAE-1のシャッターも、遠い記憶ですが、ガシャガシャと余り品があるものとは思えませんでした。
ワインダーを付けたときの音は良かったらしいのですが、周りでワインダーを持っている人が少なく、記憶にありません。
「カメラロボット」A-1はもっとひどくて、音も下品で振動も大きく、正常な状態でもこれは壊れているのではないかと思ったくらいです。
流石に、F-1、NewF-1は良かったです。
そっけなさはありますけれど、切れが良く、音質も低めでプロ機らしさがありました。
EF時代、初期EOS機(650、620)の出た頃は、写真撮影から遠ざかっていまして、この頃の機種に良くわからないものですから言及出来ません。
ただ、EOS RTは、ハーフミラー機構による、しっとりとして静かなシャッターフィール、落ち着いた音質、一部で不評のファインダーは自分には見えやすく、とても上品な良いカメラだと感心しました。
大き目のグリップなど、ホールディングも良好でした。何度も買おうと思いましたが、当時はそれなりに高額でしたから、手が届きません。
そのうち、Kissというサブブランド(ファミリーネーム)のカメラが出ました。
小型のボディはホールディングが今ひとつで、青っぽくて見ずらい小さなファインダー。ですがこれが大ヒットです。
びっくりしました。自分と考え方が違う人が沢山いるんだな~と思わされましたし、これはキヤノンの企画の勝利です。
そしてKISSブランドは、フィルム時代からデジタル時代の間隙を乗り越え、ビギナーをターゲットにした中核製品として今に続いています。
自分自身はその後、EOS 5QD、EOS 55、EOS-3と仕事で使いました。
EOS 5QDは、確かにシャッター音も静かでショックも少なくホールディングもしやすい良い機械なのですが、ポコポコと安っぽい音がします。
EOS 55は、5Dのシャッターより少しメリハリが強くなりましたが、やっぱり基本はポコポコ音です。
使っていて気分が良いものではありませんでした。
”悲劇の機種”EOS-3は使用期間が少ないのであまり印象にありませんが、シャッターフィールが改善され、剃刀のような切れ味がしました。
高級感はありましたがショックは強めだった気がします。
個人的には、その後、EOS-1Vを中古で買いました。
購入した、或いは実際に触れてみて、その感覚・音を確かめてみたあらゆる機種の中で、この”EOS-1V”が最も気に入っています。
フォールディング、シャッターフィール、音質、ファインダーの見え方、ボタンの配置など、あらゆるものが優れています。
操作性が直観的で迷いがありません。流体を基調とした造形も美しく、グリップの皮シボも高級感がある。
外装塗装も堅牢で高品質なものです。
もし、EOS-1V用のデジタルバックが出ていたのなら、もっと幸福なフォトライフが送れたのではないかと思います。
EOS-1Vの幻想を追って、EOS-1Dシリーズをマーク3,4と順に手に入れました。
これらはこれらでプロ機らしさは当然ありますが、EOS-1Vの感覚からはずいぶんと離れています。
EOS-1DsMK2はシャッター音が静かでよいのですが、液晶ファインダーに難があり、手を伸ばしませんでした。
1DsMK3も同様の理由で手にしていません。EOS-1DがXで一つに統合されてからは、写真時代のEOS-1からは遠ざかり、いよいよ本物の戦闘マシーンになってしまった気がしてついていけなくなりました。
EOS-1はプロ機ではありますが、ハイアマチュアも受け入れるしなやかさがあったような気がするのですが、果たしてどうでしょう。
さて、我が家のEOS-1V。
あんなに気に入っていたのに、とっくのとうに使うの止めています。
正直言いますと、もったいなくて余り使っていないのです。
このカメラにおいては、自分はただのカメラフェチになって、その存在を愛でているのみです。
時々はシャッターを切り、その官能性を堪能していましたが、今はケースの中でお休み中です。
そうこうするうち、グリップ皮の白化がかなり進んでしまいました。修繕可能なら部品交換をしつつ整備をして、性能を維持します。
いつか孫でも生まれたらファーストショットをEOS-1Vで撮影しましょうか。
でも大きなシャッター音で驚いて泣いてしまうかな。
今回の投稿は、取り留めがなく、結論を断じていない妙な形になってしまいました。
思っていることを書いていると、どんどん視点がずれて行って、最初に伝えたかったことから論点がずれてしまうのが、自分の悪い癖です。
が、随分長い文章になってしまったので、今回のフォローは次回にすることにして、今日はこれで締めることにします。
中途半端で御免なさい。
では、ごきげんよう。
さようなら。