海外協力隊への応援歌

青年海外協力隊はじめJICAボランティアを心から応援しています。
2010年1月帰国、イエメン、青少年活動隊員より

未来の青年海外協力隊員へ

2013-04-14 | Weblog

 帰国して3年、協力隊説明会に参加できる期間が過ぎた。今まで募集説明会などに参加させていただけたことにお礼を申し上げます。
 説明会にくる未来の協力隊員候補者たちは、それぞれにそれぞれの思いを抱えている。国際協力に夢を持つ人、自分の現状を打開したいと思っている人、キャリアをかえたいと思っている人、キャリアをつけたいと思っている人、いつか協力隊へ参加したいと思っていた人。説明会で、こんな未来の協力隊員たちに会うのが楽しみだった。
 私の職種は青少年活動だったので、説明会では、専門分野がないが協力隊に参加したい、とか、なにか途上国で自分にできること、役にたてることがないだろうか、という人たちが集まる。私は25歳のときに協力隊の説明会に行き、募集内容を見てひとつも応募できる職種がないことに愕然としたのだった。あれから20年たった。何年もあたため、準備し、協力隊に応募し、合格し、訓練を受け、派遣され、活動し、帰国し、3年がすぎた。
 4月11日が私にとって最後の説明会だった。
 青少年活動は、派遣されたあとに何をするのかよく見えない職種だが、行ったら自分が過去にしてきたすべてのことを活かせる職種だ。だから、とにかく応募して合格して、まずは入口に立ってほしい。途上国で青少年を相手にメインでどんな活動をするかは要請によるが、どんな活動の内容であれ、私は、日本の若者たちが青少年活動で派遣されて現地に行くこと自体が青少年活動になると考えている。もしかしたら一生外国へは行けないかもしれない子供たちが外国人と出会う機会、外国に触れる、異文化を見る、そんな機会を提供できるだけで、青年海外協力隊の青少年活動隊員の派遣には意義があると思うのだ。モノやカネの援助ではない。人がいかなければ提供できない。
 また、私が見ていて、隊員たちが派遣されたときにもっとも相手国に影響を与えていたことのひとつが、その誠実さだった。
 ある東南アジアの隊員OGから、正直、一所懸命、思いやり、といったことを大切なことだという教育を受けるものの、それを実践している大人を見たことがなかった、協力隊員で初めて見た、と驚いた途上国の子供たちの話をきいた。大人になるにつれ、正直者がばかを見るようなことが多く、みんなが怠けるようになっていくということらしい。真実はわからないが、あり得る話だと思う。
 イエメンで、あまりぴかぴかに磨きあげられたきれいな場所を見たことがなかったが、引っ越して早々部屋をぴかぴかに磨き上げて満足し、きれいになるじゃん!と喜んで気が付いたら砂漠からの細かい砂のせいかうっすらとすべてがまた薄汚れていたことを思い出した。きれいにしていないわけではなかったのだ。その国のその状態には理由がある。

 協力隊への応募を考えている方たちを、心から応援する。