海外協力隊への応援歌

青年海外協力隊はじめJICAボランティアを心から応援しています。
2010年1月帰国、イエメン、青少年活動隊員より

朝倉文夫 五典の水庭より

2006-12-25 | business
 ふとテレビをつけたら台東区の広報番組で朝倉彫塑館を紹介していた。朝倉文夫という彫塑家のアトリエ兼住居だったところで、その庭に配した5つの巨石に仁義礼智信についてこのように刻まれているという。

仁も過ぎれば弱[じゃく]となる
義も過ぎれば頑[かたくな]となる
礼も過ぎれば諂[へつらい]となる
智も過ぎれば詐[いつわり]となる
信も過ぎれば損[そん]となる

 手土産を断るのは、義に過ぎて頑なだったのではないか、お人好しは信が過ぎて損となっているのではないか。

 どこまでやったら「過ぎ」てしまうのかを見極められるようになることを老成というのではないかと思う。論語にもそんなくだりがあった。一生懸命やっていればよかった社会人のはじめの一歩を終えて、次の一歩ということだろう。

1/3追記:
論語を見てみたら、40歳で不惑、まずい、まだ追いついていない。「心の欲する所に従いて、矩(のり)を踰(こ)えず」は70歳、早くこの境地に達したいものよ。
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手土産、贈答品

2006-12-19 | business
 取引先業者の営業担当者が訪問したいというのを断り続けていたが年末挨拶だからそこをなんとか、と言われて仕方がなく受け、来たと思ったら手土産を持ってきた。時間がもったいないからできるだけ電話やメールですませたい、また会社のポリシーとして贈答品は固辞する、と再三再四言っているにもかかわらず。

 営業の気持ちはわかる。会ったらなにか商売につながるかもしれない、ということもたしかにある。顔をあわせれば情が移るということもあるかもしれない。手土産を持っていったらうれしがる人や会社もあるだろう。そういうところには、そういう対応をしたらいい。

 だが、うちの場合、本当にぎりぎりの人数でやっているので、来てくれないほうがありがたい。得意先企業は訪問しなくてはならないという営業のやりかたの会社は、見積もりが同じなら取引を見送りたいくらいだ。来るなら受ける私たちの側の時間を使う分見積もりをひいてほしい、なんて無茶を言いたくなる。営業マンのほうも、移動時間がもったいないだろう。交通費もかかる。それで挨拶だけだったりしたら無駄もいいとこだ。

 また、手土産や贈答品は、本当にいらない。相見積もりをとって業者を選定する部署柄、手土産や贈答品をもらったら無用の誤解を受けるかもしれず、持ってこられたら迷惑だ。そんなことを考えている時間も惜しい。と言っているのにどうしてまた持ってくるのだろう。

 あまりに不思議だったので、今回は、「上司の方に言われたのですか?」ときいてみた。はっきり返事はなかったので私はそうだと解釈し「それではメールで上司の方にも写しを入れて、今申し上げたことが、本当に当社の考えであることをお伝えしましょうか。そうすれば上司の方にもご理解いただきやすくなるのではないでしょうか。」と言っておいたので、そのとおり今日メールした。内容は、公正を期す部署であるため、贈答品の類はどの業者も断っており、みなさんにご協力いただいていること、次回もし手土産を持ってきたら失礼を承知で返さなくてはならないから、そんなことをさせないでほしいということ。

 すると彼の上司からメールで返信がきて、お詫びと今後はこのようなことがないようにします、とあった。あれ?上司の命令じゃなかったの?それなら私もメールなんて出さなくてよかったのに。あれあれ?かえってその営業担当の怒られる種をつくってしまったか?と思うとちょっと気の毒になった。はっきり言ったらいいのにねえ。言えない雰囲気を私のほうでつくってたのかもしれない、と反省するべきか。

 どこの会社もそうだと思うが、とにかく得意先には会ってかわいがってもらえ、というのが古い営業体質で、これがまた奏功することも結構ある。だが世の中には例外もあるのだ。得意先である私が本当に望んでいることはなにかということを営業マンなら読み取ってほしい。というか、読み取る手間や心の労力をかけさせるのも無駄だと思ってはっきりこちらの希望を伝えているのだから従ってくれてもいいと思う。たとえば手渡ししなくてはならない超極秘書類や会って図示しながら説明すると非常に理解が早い内容であるなど面会が不可避でない限り訪問は避けてほしい、手土産・贈答品の類は持ってこないでほしい、というのがそんなに無理な要求だろうか。

 この営業マン、もし電話で「今困っていることはありませんか。あったらいつでもなんでもおっしゃってください。」と1ヶ月に1回連絡をくれたらそれはありがたい。問題がなければ10秒で終わるし問題があればそこで言える。営業マンは自席からかけているのだろうからもし問題があればその場で対応に移れる。合理的で無駄がない。アポどりの電話をしている時間でどんどん仕事がすすめられる。

 なんなら、私のことを、得意先にいやな女がいて、とか、かわった女性がいて、と言って説明してくれていい。そのくらいでその上司の訪問命令を避けられるならなんとでも言ってください。

 訪問したい、という電話をいただけるうちが花なのかもしれないが、以上のようなわけで、お気持ちは十分受け取りましたから事情ご賢察いただき、その移動時間分、会社で昼寝でもしてくださいませ。お話はできるだけお電話、FAX、メールでお願い申し上げます。
コメント (3)
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Noblesse oblige

2006-12-13 | business
 日常のふとしたやりとりの中で、相手の常識ある対応に感動することがよくある。その人が意識しているいないにかかわらず、根底にある凛とした哲学を感じるとすがすがしい思いをする。

 「Nobless oblige」の元来の意味があてはまるかどうかわからないが、教育を受けた者の社会貢献への覚悟、というようなことを考える。人間の器量は生来決まっており、それはどうしようもないものだからあきらめろ、というのが持論だが、器の小さい者でも、スキルとして自律を心がけることはできる。それが教育であり、「Nobless Oblige」なのではないかと思っている。限られた器でビジネスをしていくためにこれ以外の方法もないだろう。
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