5月16日(水)
亀鳴くや落としたカギを知らないか
カギを失くせばアンタうろたえるでしょうが、と出かけるたびに胸のポケットに入れた鍵の在り処を時々確認するというのに帰ってくるまでカギを落としてポケットにはないことに気づかなかったのだ。
最悪の事態が5時間生じた。
桜が丘ミュージアムに出向いてその途中でポケットから滑り落ちたらしい。
午前中は持って出たは図書カードがなくなっていてうろたえた。どっかで注意力が欠けている。図書館利用カードの図書カードはあまりに暑く着替えて脱いだシャツにあった。こういうことが生じるのを避けていつもは図書館専用のリュックにしているのに大きなリュックに図書カードだけポケットに入れて出向いたのだ。
そのあとの午後である。
心底くたびれた。植え込みなどにも入り込んでいるかもしれぬと桜が丘ミュージアムまで2往復して目を皿のようにして探したのだった。
部屋のスペアキーはベランダに隠してあった。部屋に入ればひとまず車のスペアキーもある。
と、ここまでは昨日。夜勤明け。眠いのもカギをうっかり確認しないままポケットに入れたのも集中力に欠けていた。
すぐさま警察署には紛失届。結果的にはこれが功を奏した。ほぼあきらめてキーホルダーに付けてあるGSのイージーペイ、かざせばキャッシュレスで給油できる小さなチップスの停止をスタンドに出向いてやってもらう。一日待てばよかったのにね。
夜の8時にドアチャイムが鳴る。もしかして、こんな時間に尋ねる人もあるまい。開けたらポリスマンだった。片手にアタシのキーホルダーをぶら下げている。地域の交番の密着性に驚く。わざわざ届けてくれたのだ。散歩しているヒトが拾って交番へ。ところが交番はよくあることで電話があるのみ駐在していない。何年か前に駐在所から交番へと格上げされていても体質の変化はないのだった。午後3時ごろ道に落としたキーホルダーを夜の8時に受け取るありがたかった、最敬礼して若いおまわりさんにお礼を申し述べる。
生きながらえることで様々な事件に遭遇する。
今日のこれはこれで楽しきかな人生。ヒトを殺めたわけでもない人をだましたわけでもないよしんばカギが出てこなかったとしたところでカギの更新をかければばよい。
ハラさんの出向いている豊橋の病院では80歳になったら細密的健康診断は終了ということだった。ボケの始まりでもない。
今日バローで偶然行き会ったカタオカさん。奥様のケイコさんの病状は日々増殖と更新が限りなく記憶はおろか歩くのもままならないようになっていると訊く。月水金はデイサービス。火曜は病院からの自宅訪問介護。土日だけ旦那さんの自宅介護。カートにはどっさり大人のおむつリハパンが積まれておりました。
嗚呼、ケイコさん。
厨房メモ
改めてみたキーホルダーに車のリモコンがない。コペンのリモコンは電池交換で確か6000円くらいする。総とっかえらしい。キーでドアを開けていたのだった。いつ頃何処で失くしたのか。
ダイハツに行けばたぶん買えるだろうけれど、ま、カギで開けましょうそれが普通だ。
それぞれのスペアキーをベランダにコンソールボックスに隠す。
ついでにベランダの大改革。松ぼっくりの収納場所の確保。東側ベランダが美しくなる。
土曜、学校訪問。一年一度の中学校の一クラスの教壇に立つ。先生になりたかった。一年に一度その夢がかなって20年になる。<松ぼっくりと森とアタシたちの暮らし>中学生に語る授業の用意をする。45分間。緊張もあるが楽しい。
道で拾われ幾人かの手に渡り歩いた部屋の鍵がアタシの手に戻された。カギの束にカラビナを付ける。町も山も同じだ。
4000メートルを超す雪山で30メートルのクレバスに落ちた父と子の子のニュースをこの間読む。カラビナで紡いでいれば父もつられてクレバスに落ちていた。
コロされて線路に放置された小学2年生女児。同じ新潟県内でまだ見つからない山の遭難父と子 空くん。
一先ずこの辺りは平和だ。
夜の8時にわざわざカギを届けに来てくださった若いおまわりさんありがとうございました。犬の散歩途中でカギを拾って交番に届けてくださった見知らぬ人も、