秀香/最後だとわかっていたなら
結ばれない恋
それは紐
それを結ぶ
恋で結ぶので
なにもかも
火のように
燃えながら
結ぶ
ところが
結ばれたと感じると
とたんにほどける
あの手品の紐
最初から結ばれていない紐を
結んだ様にする手品の紐
それが
ほんとうの
結ばれない 恋
エッ
ほんとかよ
それは紐
それを結ぶ
恋で結ぶので
なにもかも
火のように
燃えながら
結ぶ
ところが
結ばれたと感じると
とたんにほどける
あの手品の紐
最初から結ばれていない紐を
結んだ様にする手品の紐
それが
ほんとうの
結ばれない 恋
エッ
ほんとかよ
言葉 と 風
かぜ というもの は
くうき が いどうする とき の
げんしょう で ある
ということはさておいて
そんなに いどうして ゆくえしれずになる ものに
ことばをからませると
つねにことばはどこかえうごいていって
じっとしていられない幼児のようになって
けんかしたりして おとなにしかられる こども ではないですか
もっと いうと むいみな げんしょう におちこんでしまう
ということをまともにうけとめると
いきおい かぜ なんかに ことばを からませては ならない
というけっかから うわさのように しか
ことばがつたわらない ことになって
このことば 木のように しげっていく みたいだけれど
いったい だれが こんな ところに
ひとのみにくい ところ を えらんで
ことばの木をうえて
いったいだれが それを そだてていくの かい
と もんくいわれても いたしかたがない ではないか
だから 辞典 というかたちで
ほごされているとしたら
その 辞典 とやらに
おさまっている 言葉 は
だれさん の 言葉 ですか
新語 という 言葉 はないのですか
ぼく は 新語 をたのしみにして いきています
ぼく は 新語 をじぶんでつくります
ぼく は 新語 でしゃべりたいのです
そんな ふうな こえ が
それこそ 風 にふかれて このあいだ
ぼくのまえに とんできました
ああ うれし