居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

空白

2012-05-12 20:10:58 | ポエム

空白

 

白鳥の
めのなかに
うつっている
きょうの
みずのいろと
白鳥のひとみのいろと
おなじだろうか
器官を
しんじて
そのまま
およぐように
ぼくも
湖畔の屈折をたどる
白鳥はとっくにきえていなくなった

ぼくのてあしは
水におかされて
とけてゆく雲のようだ

むねの空白だろうか
虚木のような
林の中へ
身体が彷徨ってゆく
前後がつながっていない
意識と感情も
風に侵されて
目の前の事象たちは
白鳥のように
きえた

空白は
残るものだろうか
それも
おぼろげに
再生の場所として