陸奥湾の風景。「北の防人大湊 海望館」の展望台から南東方向。むつ市桜木町。
「北の防人大湊 海望館」の展望台。 青森県むつ市桜木町。
2022年10月2日(日)。
野辺地町立歴史民俗資料館から北の下北半島へ向かい、横浜町を経てむつ市に着いた。JR大湊線下北駅横にある下北観光案内所へ立ち寄ってパンフレット類をもらった。西へ進んで高台の道路に入り、「北の防人大湊 海望館」の海抜55メートルの展望台の前にある駐車場に着いた。展望台の入口からエレベーターを昇る。
このあたりの施設は全て無料。
展望台からは、眼下に広がる陸奥湾、自然の造形美が美しい芦崎(砂嘴)や海上自衛隊の艦艇を一望することができる。また、晴天時には八甲田山系から尻屋崎方面まで見渡すことができる。
下の建物は、観光交流センター「北の防人大湊 安渡館(あんどかん)」である。
安渡館は、実在した旧日本海軍大湊要港部庁舎をイメージし、2015年にオープンした内装・外装ともに明治・大正期を感じさせる施設である。古いガイドでは大湊海軍コロッケが食べられるレストランがあると書いてあったので立ち寄ってみたが、廃止されていた。
館内には、海軍グッズや海上自衛隊グッズなどを販売する売店のほか、観光情報等を提示するラウンジや会議など多目的に使用可能な交流スペース(貸しスペース)がある。
重文・旧大湊水源地水道施設。
安渡館の東側一帯は水源池公園となっており、水源地水道施設は、1902年から1910年にかけて、旧海軍が軍艦の水を確保するために整備したものである。東北地方で最初に建設された近代水道施設で、歴史的価値と建設技術が非常に高いと評価されている。
明治42年 (1909) 10月に竣工したこの堰堤は、旧海軍大湊要港部水道施設の中心をなすものであり、石積づくりの日本最古のアーチ式ダムである。昭和21年からは大湊町に引き継がれ、昭和51年まで使用されていた。
釜臥山を源流とする宇田川をせきとめるもので、堤高7.9m、堤長26.5mという小規模なものながら、日本で初めて試みられた厚アーチ式石造堰堤である。躯体に設けられた4口の溢水口は美しい櫛型アーチで構成され、そこから水の流れ落ちる光景は格別のものがある。
重文・旧大湊水源地水道施設のうち乙水槽。
上屋は1910年竣工の洋風木造建築を復元した八角形の建物。
このあと、高台を降りて、旧海軍大湊要港部の後身・大湊地方隊の史料館である北洋館へ向かった。