
今年の夏、私はとあるニュースに激しい憤りを感じました。
「はだしのゲン」閲覧制限・閉架問題。
私は小学校5年生の時に、担任の先生の個人的な考えで夏の課題図書を「はだしのゲン」に指定されました。
「はだしのゲン」は漫画でしたが、10巻位ある長い話で、内容も重く全部読むのは精神的にもとても苦しかった思い出があります。
でも、私はこの本を読んで後悔したことは一度もありません。
読んだ方はご存じだと思いますが、「はだしのゲン」は原爆をテーマにしているので、被ばくした人の死ぬシーンであったり、全身やけどをした人々の体にウジがわき、それを一つ一つ箸でつまんでとるという、過激なシーンも多々あります。
夜、眠る前に思い出すと、怖くて怖くて・・・という作品の一つですが、戦争とはそういうものだということを、この本から、そして当時生きていた祖父母の話から私は学びました。
私と同年代の方、また年配の方は子供のころ、戦争で足や腕を失って乞食になってしまった負傷兵を街中で見ることもあったと思いますが、最近はそんな人・・いないんですよね。
そして代わりに、アクション映画としての「戦争映画」や友情の美しさを表現した「戦争ドラマ」などが放送され目にすることが多くなりました。
映画やドラマの中の戦争は美しいです。
でも、それは戦争のほんの一部で、実際は人が人を殺す狂気の世界です。
少し前に、橋下大阪市長が「従軍慰安婦問題」で世間から大きな非難を浴びましたが、従軍慰安婦を肯定し、その存在と本当の姿を知らなければ、戦争の醜い部分を知ることはできないと私は思います。
現代の子は、美しい世界だけを見て、優しい世の中で生き、勉強であってもスポーツであっても争うことを嫌う傾向にあります。
戦争が残忍なもので、どんな人でも鬼に変えてしまう。
その部分を知らずに、平和な世界で生き、それが当然と思って生きることに何の意味があるのか?
戦争というものをキチンと理解したうえで、戦争をしない努力をすることが私たち被ばく国であり、戦争を放棄した国民の義務ではないかと、私は思います。
話はもとに戻りますが、私が小学校5年生の時の担当の先生。
今、彼女が先生だったら、速攻で教員クビですね。
いや、モンスターペアレンツの餌食か・・・。
その先生は、もう天国に行ってらっしゃるのですが、天国から今の日本を見て、どんな気持ちでいるのか?
先生だったら、
「子供には自ら見る事や知る権利がある、どんな知識も生きる糧になるので、それを制限しないでほしい。」
そう思うんじゃないかな?

今日は全然ぽっこりしない話で・・・すみません。

![]() | 〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻 |
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