最近自分の描いている絵を見ていて思うのだ。
手紙に絵を付けて
なにかを伝えるというのとは
自分の作品は若干違うよなあってね。
そもそも絵手紙ってこういうもの
っていう定義はないんだよね。
だからほかの絵手紙を見ていると、
そんな違いを、絵手紙の展示会をしたときに
なおさら強く抱くようになったのです。
あの展覧会は
「大阪の真ん中で 絵手紙がつぶやく展」
というタイトルを付けたのですが、
このタイトルは後から思っても
一番自分の作品に似合う
タイトルやったなあって思うのです。
さほど深く考えたのではなかったんですよ。
こんな泉州の田舎に住んでて、
なんで大阪市内で展示会やねん
と思う人もいるかもしれないし、
そんな作品を展示してくれる
お店のやさしさには
とても感謝しているので、
これはもう「大阪の真ん中で」と
つけることはすぐに自分の中で
生まれてきた言葉でした。
そしてそのあとです。
単に「絵手紙展」とだけつけるのは、
本気で絵手紙に取り組んでいる人には
失礼かもしれないという気持ちもあり、
「つぶやく展」にした、
というが今回のタイトルのそもそもの原点です。
そしたらねえ、そのタイトルが
意外にも自分の絵にピッタリくるなあ
って感じだったのです。
また、展示会開催の目的には、
仕事を退職後10年かけて
やってきたことを、昔の人に見せてみたーい
ということも強くありました。
そうしておこなった平岡珈琲での
10日間の展示は、そんな思惑通りに
皆さんとてもうれしく反応してくれて
ピッタシでした。
絵を見てけらけら笑い転げるとか、
ああこの言葉には同感だと
言ってくれるのもそうです。
doironさんらしいダジャレも楽しい
と膝を叩いてくれたり、
見知らぬ人までとてもファンに
なってくれたのも思いがけず
うれしかったです。
まるでジャニーズに所属したような
変なうれしさが湧いてくるのには、
自分でも笑ってしまいましたね。
そして何より10年間全く会って
いなかった人にもお会いでき、
そんな人とは久しぶりなのに、
そこに書いてあるつぶやきが、
一瞬で10年の歳月を
吹き飛ばしてくれたような気がします。
ああ、絵手紙っていうか、
僕の「絵つぶやき」というのは
こういう力のあるものなんですね。
絵に言葉を添えるだけじゃなくて、
そこにじわーと含ませてある自分の心に
触れあってもらうだけで、
うんと心が近づくそんな効果があるんですね。
そんな風に思えただけでも、
ほんとにつぶやき展をやってよかったです。
多分もう退職して初めて絵を
描き始めた時から、こういう
10日間がやって来るのは、
運命の神様がちゃんと
見てくれていたんやろうなあ。
実はその絵の根源にかかわっている人との再会、
絵をいつも楽しんで喜んでくれた人との出会い、
そして展示会に向けていろいろ
お世話になった人との出会いも
もうすべて自分の作品が作って
くれたわけですねえ。
自分お作品にも感謝です。
そんなdoironの絵の
最初の一枚というのが、
あの病気で死にかけた場所で
ひらって来た桜の花びらを、
絵にした一枚の作品なんです。
その作品の背後には、
人生終わりに見えて、
また新たに始まる新しい日々が
隠れていたんですねえ。
自分の中ではとてもドラマチックなんです。
この10年間で最高の出来事、
いや僕の人生の中でも
特別にスペシャルな10日間を
通じていろんなことを学びました。
だからこれからも、
いろんな遊びやお絵かきを通じて、
また何かこれから先の人生の
きっかけがどこかにあるかもしれません。
なので日々の遊びが思わぬ
次の日々のきっかけに
なるかもしれませんから、
これはもう毎日しっかり
遊んでゆかなくちゃあと、その余韻で
あらためて思っているわけなのです。
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