林檎日記

日々の事、考えた事など
無責任に書いてます

『月』

2024-01-01 19:54:00 | 

2016年(平成28年)726日、相模原の障害者施設『やまゆり園』で起きた大量殺人事件をモチーフにした小説。


映画の存在を先に知って、でも、映画は見れなかったんだ。原作がある事を知って、読んだ次第です。


事件のことは、覚えてはいたけど、詳しくは覚えてなかったし、そもそも、当時、熱心に情報を集めたわけでもなかった。


小説は、障害者きーちゃんの視点から語られる。きーちゃんは、幼い頃からこの施設にいて、目も見えないし、体も動かせないし、話せないし、この小説で書かれているような色々な事を知っていて、また、考えられるとは思えないんだけどさ。まー、でもそれはそれで!って感じで読める。

また、きーちゃんの分身のあかぎあかえという人物が、犯人のさとくんと交流したりして、全部きーちゃんの頭の中のことなのか、(小説の中の)現実と入り混じっているのか、まあ、入り混じっているような感じで描かれていく。

うーん、整合性を考えながら読むと分かりにくいかも知れないけど。それはそれで!って感じで読める。

というか、その、整合性の取れなさが、きーちゃんらしさのようなものを感じさせてくれて、良いような気がする。


いろいろ、ドキっとさせられたり、考えさせられる小説。きーちゃんはさ、さとくんのことが好きなの。そして、さとくんに「終わりにしてもらう」のを、待ってたりする。でも、きーちゃんの分身のあかぎあかえは、さとくんを止めようとするんだけどね。


内心では「気持ち悪い」と思いながらも、そんな気持ちは表に出さずに、自分に接する多くの人たちよりも、

「まったくね……あんたはなんなんだい?いったい、なにから生まれてきたんだい?なんのために?ひとからかい?まさか……」「しんじらんない。あんた、なにしに生まれてきたんだよ……なくてもよかったろうに……」と、話しかけてくれるさとくんを、きーちゃんは好きなの。


考えちゃった。そーだよね。誰も彼も本心で接してくれていないって、どうだろう?それはつらいかも。でも、本心が「きもちわるい」とかで、それで接されても嫌だし。そもそも、本心がそんな事を思わない人ならいいんだけど、どうでしょう?そういう人はどのくらいいるんでしょう?

ちなみに、私はきもちわるいと思っちゃうタイプ。間違えているのは分かってる。でも思っちゃう。でも間違えてるのは分かってるから、表には出さないよ。そう。でも、できれば目を背けたい。

どっちのタイプが多いのかなぁ?


今の日本は、障害者が健常者のすぐそばにいる環境ではないから(障害者も介護が必要な高齢者も隔離されてるよね)、馴れない人は多いだろうなぁ。

子どもの頃から近くにいれば、それほどでもないのかも知れない。


今の日本の社会の、もしくは、そもそも人間の、歪みとか、矛盾とか、そういうのを突きつけられるような内容かなぁ。



さて、途中でチラと映画の情報を見る。宮沢りえは、きーちゃんではなかった。職員だった。職員の目線からのものがたり。また、違うものになりそうだ。

あとね、気になったのは、映画のあらすじの『ほかの職員による入所者への冷淡な扱いや暴力〜』のくだり。小説でも、他の職員による暴力の話がなかったわけではないけれども、それはあまりフィーチャーされていなかったように感じた。実際のやまゆり園がどうだったのかは分からないけれども、きっと多くの職員が、善意の気持ちで接していたんだと思うよ。そして、この小説のお話の中では、きーちゃんの中では、そういう善意で接してくれる人よりも「なくてもよかったろうに」って言ってくれるさとくんの方が好きだったんだ。映画をみてはいないけど、他の職員の暴力などがフィーチャーされているのならば、映画と小説は、だいぶ違うものになってるんじゃないかと思っちゃう。どうだったんだろうか。



さて、小説を読み終わった後には、ウィキペディアにて、事件の詳細を調べてみる。

あ、犯人、名前、さとくんだな。

ウィキペディアで読む植松 聖は、小説で読むさとくんと、印象が全然違う。小説のさとくんには共感できる部分があるのに、ウィキペディアの植松は、わたしは全く受け入れられない。生い立ちの、かなり序盤の段階から、私は拒否する。事件を起こしても「さもありなん」という感じ。

これは、作者がさとくんを別もんに作り上げたかな、と最初は思ったけど、違うかもね〜。

きーちゃんから見るさとくんは、さとくんなのかも。施設で働いている場面しか見ていなければ、想像するさとくんの背景も変わってきて、さとくんはさとくんになるのかも。

逆もありで、植松の、表面的な生い立ちしか知らない私は拒否反応を起こすけれど、小説のように、内面などを細かく知ることができれば、植松にもさとくんのように、共感できる部分があるのかも。



そういうのも含めて考えると、この著者すごいなー。この小説すごいなー。

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能登の地震とキンキコンと光一くんの誕生日

2024-01-01 19:10:00 | 日記
石川県で大地震があって、日本海側に津波警報がでている。

今日、大阪でキンキコンなんだけどなぁ。
どうしてたかなぁ?
かわいそうすぎる😢
コンサート、やってたかなぁ?
参加してても、気が気じゃない人もいるだろうなぁ。
参加を諦めたひともいるだろうなぁ。
演者側も、こんな状況でやるのも、大変だよなぁ。

光一くんの誕生日なのになぁ。

昨晩、インスタライブで年越ししてくれたのになぁ。

かわいそう過ぎる😢

やめたかな。
どうしたかな。
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