祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 福島原発3号機の信実

2015-12-24 02:55:14 | 原発事故


福島原発の話題が少なくなっています。その時期に深刻な事実がほとんどの国民に分からないように発表されました。しかもその報道機関は犬HK・・・ほとんどの人は犬HKは見ないでしょう。だからほとんど伝わらない上に、他のマスゴミも報道しない。
元駐レバノン日本国特命全権大使である天木 直人さんのブログより転載します。




福島原発3号機


放置されたままの東電の信じがたい原発事故発表の衝撃
2015年12月22日 天木 直人

原発事故について素人の私でも、これらのニュースがどれほど深刻な意味を持っているか、わかる。
すなわち東電が今頃になって発表した。
放射能が大量放出されたのは福島原発第3号機の格納容器が完全に破損していたからだったと。

これを12月18日のNHKなどがあっさりと報道して終わっている。
これまで散々伝えられてきたことは、爆発をおそれて水蒸気を放出(ベント)したため放射能が拡散した、ではなかったのか。格納容器が完全に破損していたという事は、いわゆるメルトダウン、メルトスルーということではないのか。

専門家に言わせれば大変なことに違いない。
それを今頃になって何食わぬ顔をして認めたのだ。



そう思っていたら、立て続けにもう一つの驚くべきニュースが流された。

東電は18日、汚染地下水が染み出るのを防ぐ「海側遮水壁」が完成したことによって、せき止められた地下汚染水が急増している(1日約400トン)と原子力規制委員会に報告したという。

12月19日の各紙が小さく報じていた。
深刻なことは、急増する地下汚染水の浄化が間に合わず、海に流さなければ対応できない恐れがあることだ。なんのための「海側遮水壁」だったのか。

しかし私が衝撃を受けたのはこの二つの報道だけではない。



より衝撃を受けたのは、このような深刻な東電の発表について、メディアがまったく騒がないところだ。

それだけではない。
うそつき安倍が原発再稼働に踏み切った。
その後も電力会社が続々と原発再稼働の動きを見せている。

この安倍政治のでたらめぶりを追及できるこれ以上ない東電の発表を、野党がまったく政治問題化しないところだ。

この国のメディアは機能していない

この国の政治はもっと機能していない。

これでは国民は何も気づかないままだ。

国民の気づかないところで、この国は大変なことが、あらゆるところで噴出し、解決策のないまま漂流し続けているのだ。
私はもっぱら外交についてそのことを指摘し続けているが、行き詰まってるのは外交だけではない。

すべてに行き詰まっているのだ。
この国は危機的状況にあると思う(了)











・ 原発移民 日本からパラグアイへ

2015-12-13 01:09:43 | 原発事故


2011年に福島原発が爆発してから、日本政府の対応はまともではない。キロ当たり100ベクレルの作物や魚介類を平気で販売させ、20ミリシーベルト(概ね60万ベクレル/㎡)の地域に人を住まわせようとしている。日本の法律では放射線管理区域には18歳未満の者は入ってはいけないとされています。その放射線管理区域とは、通常は病院などでレントゲン撮影をする場所です。1㎡あたり4万ベクレルの放射能がある場所となります。この場所は大人であっても、そこの場所で水を飲んだり、食べ物を食べたりは禁止されています。

しかし、福島にはそのような地域がたくさんあり、現在も数百万人を住まわしていること自体が違法です。緊急事態で始めたことが、それが当たり前になりつつあります。こんな無責任体質の官僚や政治屋がいる日本を脱出しようとしている人たちがいます。子供達の将来性を考える時、日本脱出は選択肢の一つでしょうね。汚染されている地域は限定されるが、そこで作られる作物を平気で販売するし、福島からの放射能が太平洋を汚染しそこから獲れる魚介類が汚染されている・・・・内部被ばくを考える時、遠く離れた地域で生きていく方が、どれほど心身ともに豊かな生活ができるでしょう。

毎日新聞2015年11月26日 東京夕刊から転載します。



原発移民
日本からパラグアイへ/上 「息苦しさ」逃れ 3カ月で永住権、魅力

毎日新聞2015年11月26日 東京夕刊


 南米パラグアイに移住する日本人が増えている。2011年の東日本大震災に伴う福島第1原発の事故をきっかけに、放射性物質による汚染再稼働ありきの原子力行政に不安を感じ、パラグアイの永住権を得た日本人は少なくとも14世帯35人に上る。新天地に渡った原発移民を訪ねた。

 キリスト教牧師の平田真実(まこと)さん(54)は震災の翌年、妻子と老齢の母ら4人を連れ埼玉県川口市から首都アスンシオンに移り住んだ。

 毎週日曜の朝、礼拝のため自宅を開放する。当地に住む日本人や日系人が平田さんの説教に耳を傾け、賛美歌を歌う。礼拝が済むと手料理を振る舞う。この日は牛スジを煮込んだカレー。日系人が多いアスンシオンではカレールーに限らず日本製の食材が輸入されているが、平田さんは購入を避けている。

 平田さんは原発事故後、外出すると肌に発疹がでるようになった。政府が健康に影響はないと発表する一方で、インターネットには東日本から退避を勧める情報があふれる。科学的根拠がないとしても、発疹の一因は放射性物質かもしれないと不安が増した。

 平田さんは牧師の傍ら、川口市などで格闘技ジムを3軒経営し、200人以上の会員を抱えていた。ジムには幼い少年も通う。インターネット上でジム会員に向け「子どもたちを放射性物質による危険から守ろう」と呼びかけたところ、「自分も同じ所に住んでいて、みんな普通の生活をしているのに危険をあおるのは説得力がなさ過ぎる」と反論された。

 原発から離れた関東地方でも、放射線量が高いホットスポットは確認された。しかし、放射性物質による危険を憂う発言をすると、「無責任な風評の流布」「復興支援の妨げになる」と批判される。平田さんの目には日本人が思考停止の深みに陥っていくように映った。海外移住を決断させたのは息苦しさだった。

 「逃げない人が財産や仕事だけに固執しているとは思いません。友達や故郷、生きがい、守るべき大切なものはたくさんあるだろうから」と平田さんは語る。「でも、私は根本的にそれらの価値観を変えてでも行動すべき時だと直感しました」

 移住先にパラグアイを選んだ理由は永住権が取りやすく、原発が1基もないからだ。外国で永住権を得るには、長期間の合法的な滞在など条件が課せられることが多い。だが、パラグアイでは原則3カ月で付与される。移民は外貨をもたらすと考えられているからだ。

 同国の永住権を取得した日本人は震災があった11年以降増加傾向にある。今年は9月末の時点で71人で、昨年の74人を上回るのは確実だ。在パラグアイ日本大使館は「原発の影響がある」と認める。平田さんが知るだけでも原発移民は14世帯いる。【アスンシオンで朴鐘珠】

・ フランスFR3放送「フクシマ・地球規模の汚染へ」

2015-11-15 03:15:48 | 原発事故


日本のマスゴミは、国民のために情報は流しません。あくまで政府・企業のために報道機関・・・・そこで海外の報道機関が役立ちます。福島事故の影響をフランスの報道機関が取材しものがあります。世界的に影響があることが分かっているが、日本政府は福島の問題を明確に伝えたり、正しく対応しようとはしない。信頼のおけない政府ですね。



フランスFR3放送「フクシマ・地球規模の汚染へ」
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・ 原発は未来犯罪

2015-08-21 07:48:57 | 原発事故


2013年に行われた「さようなら原発講演」の記事です。原発の専門家である小出裕章さんが福島の事故は犯罪であると話しています。また、情報を知らなかった国民も「騙された責任がある」と云っています。あまりににも政治に興味のない国民が多く・・・逆に言うとあまりにも政治がひどすぎて聞く時間がもったいない。自分が生きていくために精一杯の努力をしているので政治への時間を取れない・・・・のが実態でしょう。しかし、自分の意志で聞かなかったということは、本人に責任はあります。自民党のひどさを一人でも多くの人たちが理解しなければ・・・・・

以下、BLOGOSより転載します。




放射線管理区域の東京でオリンピックなど正気の沙汰ではない/「原発は未来犯罪」(小出裕章さん)
国家公務員一般労働組合2013年09月06日 15:34

 9月1日に日比谷公会堂で開かれた「さようなら原発講演会」での発言の一部要旨を紹介します。「東京の一部も放射線管理区域にしなければならないほどの汚染を受けている」という小出裕章さんの指摘を聴いて、放射線管理区域の東京でオリンピックを開催するなど正気の沙汰ではないことをあらためて痛感しました。(by文責ノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)



 ▼東京オリンピックに使う費用は福島に使うべき
   落合恵子さん

 いま、まるで原発事故など無かったかのようにしようとしている政治の中に私たちは生きています。その恐ろしさを心に何度でも刻みましょう。ときどき疲れるでしょうが、刻み続けていかなければならないと思います。 あの汚染水のダダ漏れは、事故の直後から心ある専門家の方々は指摘してきました。それにもかかわらず、参議院選挙が終わった翌日に明らかになる。それがこの国です。これがこの国のジャーナリズムの現実です。

 「経済が基本」と言うのなら「原発そのものが経済を脅かすものだ」ということに私たちは気づかなければいけない。今度の国家予算にも原発予算が大きく組まれていますが、福島のいまに対する対策よりも、推進政策が優先されています

 先日、福島の中学生、高校生とお話をしました。「私たちは、僕たちは、原発を一度も選んでいないんだ」と言っていました。子どもたちは、若者も含め原発を選んでいないのです。「大人たちが勝手に原発を選び、作っておいて、それを私たちにどうにかしろというのですか?」という問いかけに私たちはどう答えられるのでしょうか?

 「勝手に原発を作っておいて、残して、先にバイバイ言うなんて、人間として何と無責任なんだ」という、この少年や少女たちの声に私たちはどう答えたらいいのでしょうか? この講演会場にいない人にこそ、私は声を上げ続けたい。ノックし続けたい。「あきらめない」と自分に言いたい。 東京オリンピック招致に使う費用をそのまま即時に福島に使うことを求めていきましょう。

 絶望はいつだってできる。今は絶望なんてしない。後ずさりもしない。1ミリでも前に進む。おかしいことにはやっぱり「おかしい」と声を上げていく。それが、人であることを忘れてしまったこの国の、あの政権の中にいる人たちと、あまりにも長い間「原発安全神話」を流し続けた人々に対する、せめてもの私たちの人間としての復讐の形です。

 お願いです。私も外に行って、まったく違う考えの人たちをノックし続けます。私たち一人ひとりが、今もって「原発安全神話」を生きている人たちをノックし続けましょう。



 ▼原発は「未来犯罪」
   小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)

 福島第一原発事故で、1号機2号機3号機は炉心が溶け落ちて、その炉心がどこにあるのかもわからない、どうしたらいいのかもわからないという中で、何次もの重層構造で下請けさせられる原発労働者たちが、今この瞬間も作業にあたっているという状態です。 4号機は事故当日運転はしていませんでした。それでも爆発して建物が吹き飛んでしまいましたし、未だに使用済み燃料プールという中に大量の放射性物質を抱えたまま、いつプールが落ちてしまうかもわからない困難な状況の中にあります。

 2011年の暮れに当時首相だった野田さんが、事故の収束宣言などというものを出しましたけれど、残念ながら事故はまったく収束していないのです。今現在も危機は続いています。 運転中だった1号機2号機3号機は溶けた炉心がどこにあるかもわからず、ただ、ひたすら水を入れ続けて冷やすしかないということを2年半にわたって今日までやってきました。

 しかし、水を入れてしまえば汚染水があふれるのは当たり前なのであって、マスコミは最近になって「汚染水が大変だ」って言い始めたわけですが、私としては「なにをいまさら」と思いました。2011年3月11日から、ずっと汚染水は流れ出ていたのです。これからも何十年もこうした作業を続けなければいけない困難なものなのです。

 4号機は建屋が爆発し炉心の中にあった使用済み燃料も使用済み燃料プールというところに入れられていたのですが、そのプールが宙吊り状態になって今存在しています。そのプールの底には、広島原爆に換算すればおそらく1万4千発ぐらいに相当する膨大な放射性物質が宙吊り状態のプールの中に眠っているのです。一刻も早く何とかしなければいけないのですが、いかんせん、何かをしようとすれば労働者が被曝をするしかないという状態の中で、今でも苦闘が続いています。

 では今まで一体どれだけの放射性物質が環境に漏れてきたのでしょうか。国際的な原子力推進団体、原子力マフィアの一つの組織であるIAEAという組織があるのですが、その組織に日本政府が報告書を出しました。その報告書の中に大気中に放出したセシウム137という放射性物質の量が書き込まれています。その報告書の中で、当日運転中だった1号機から3号機を合わせると、広島原爆の168発分をすでに大気中にばら撒いたと、日本国政府自身が言っているわけです。


 しかし私はこの数字は過小評価だと思っています。なぜかと言えばこの事故を引き起こした直接の責任は東京電力という会社にありますが、その東京電力に「お前のところの原子力発電所は安全だ」「安全性を確認した」といってお墨付きを与えたのは日本政府なのです。福島原発事故の重大な責任は日本政府にあるわけで、私は「責任」という言葉は甘いと思いますので、「犯罪」と呼ぶべきことを日本政府がやったことになります。犯罪者が自分の罪を重く申告する道理はないのです。犯罪者が自分の罪をできる限り軽く見せたいと思ってはじき出した数字がこの広島原爆の168発分ですから、おそらくこの2倍か3倍が大気中に放出されたと私は思います。 つまり、福島原発事故は、広島原爆が放出した放射性物質の400倍とか500倍をすでにまき散らしてしまった大変な事故なのです。

 かつての戦争で日本は負けました。負けたけれども「国破れて山河あり」だった。国家なんていうものが負けたって、大地があれば人々は生きられる。しかしもう人々が生きることすらができない汚染地域ができてしまっているのです。戦争が起きたって、こんなひどいことは起きないということが、今もうすでに発生してしまっています。

 そして、福島県を中心に東北地方、関東地方にずっと広がり、群馬県の西部、宮城県の南部・北部、岩手県の一部、茨城県の南部、千葉県の北部、東京の一部も現在の法律に照らしあわせるのならば「放射線管理区域」にしなければなりません。法律に照らしあわせるのならば普通のみなさんは入れないのです。私のようなごく特殊な人間だけが立ち入ってもいいと許されるのが放射線管理区域です。私は立ち入ることはできますが、その場所に立ち入った途端に水すら飲めなくなるというのが放射線管理区域です。それがこうした広さですでに生じてしまったということになりました。

 1年間に1ミリシーベルト以上の被曝はしてはいけないし、させてもいけないという法律があったのです。放射線管理区域から何か物を持ちだすときには、1平方メートル当たり4万ベクレルを超えているような汚染物は、どんな物でも持ち出してはいけないというのが法律で決まっていたのです。しかし先ほど紹介したような広い地域の多くが1平方メートル当たり6万ベクレルを超えてすでに汚れているのです。それも放射線管理区域の中で汚れた私の実験道具では無い、私の実験着でもない、「大地そのものが全部汚れてしまった」のです。

 これに対して、日本という国は何をしたか? 私は先ほど犯罪者だと呼んだわけですけれども、その犯罪者の日本政府は自分が決めた法律を一切反故にしてしまい、「1ミリシーベルトなんていう基準はもう守れない、20ミリシーベルトの被曝までは我慢しろ」と言って「放射線管理区域の基準は超えているけれども、そこにみんな住め」ということにしてしまいました。今逃げている人に対しても、「帰還しろ」、あるいは「勝手に逃げるなら国は何にも知らない」というようなことを言っています。

 そしていま彼らは、この原発事故をなかったことにしようとしています。日本ではこれまで58基の原子力発電所が作られてきました。そのすべては自民党政権が「安全性を確認した」として作ったのです。 その原子力発電所が事故を起こしているのに、いま自民党政権は「安全性を確認して、いま止まっている原発を再稼働させる」と言っている。まさに正気の沙汰ではないと私は思います。さらに安倍さんは「新しい原発をつくる」、そして「海外に原発を輸出する」ということまで言っているわけです。

 そしてそれをやるためには、「福島の原発の事故を忘れさせる」ということが彼らにとって必要になっているのだと思います。マスコミもそれに乗っているようですし、福島のニュースはどんどん少なくなってきて、被災者の方々がどれだけ苦しんでいるのかということについても、マスコミ報道はほとんどなされなくなってきていると思います。 そうであれば、私たちに必要なことは「福島を忘れない」ということです。私もそうしたいと思いますし、今日この会場にいらっしゃって下さっている方はその思いでここに集まって来て下さっていると思います。これからも「福島を忘れない」ということでぜひともお願いしたいと思います。

 私は原子力を研究する人間として、原子力は徹底的に危険だと思います。原発や核兵器などを作ってはいけません。加えて私が原子力に反対しているのは単に危険だからではありません。原子力というのは他者の犠牲の上にしか成り立たないものです。他者の犠牲の上で、差別にもとづかなければ原子力は成り立たないものに私は反対しています。

 もともと原子力発電所で働いている労働者の被曝は、9割以上は下請け孫請けの労働者が担ってきました。そこで事故が起きたら大変だということで、都会を離れて過疎地に原発を押し付けてきました。過疎地で事故が起きてしまえば、そこの人たちが本当に苦難のどん底に突き落とされて、そして事故の収束に行くのは下請け孫請けの労働者たちがまた被曝をさせられてしまうということになります。

 仮に事故が起こらなくても、原子力を使ってしまう限りは、核分裂生成物という放射性物質を生み出してしまって、その放射性物質を私たちが無毒化する力を持っていないのです。100万年にもわたってどこかに隔離をしなければいけない。そんなことができる道理が無いのです。 私が死んでも、皆さんが死んでも、自民党政権なんて存在しなくなっても、無くならない毒を残していくことになるのです。

 いま私たちが原子力を選択することに対して、子どもたちには何の決定権もありません。何の決定権も持たない未来の子どもたちが毒物だけを押し付けられるということになります。「未来犯罪」とでも呼ぶべきだと私は思います。

 原子力というのは核です。核兵器そのものなのです。皆さんは原子力と核は違うものだと思い込まされてきたかもしれませんが、同じものなのです。 その核を持つことが世界を支配するための力なのだと、自民党政権などは思っているわけですけれども、力の論理で平和が築けるはずはないのです。

そのことに気づかなければいけないと思うし、私たちは他の人々を犠牲にするという、そういう原子力、原子力的なものというものを捨てるということが必要なのだと思います。 自由と平和を守るということは大変難しい。自由や平和をつくっていくことも大変難しいことだと思います。日本国憲法の前文の初めの方にこう書いてあります。

 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」する。つまり、政府がバカなことをやらないように私たち国民がきちんとチェックして政府を監視するんだと、それを決意したというのが日本国憲法なのです。私たち一人ひとりがしっかりしなければならない。そうしなければ自由も平和もつくれない。また戦争になってしまうよということが憲法前文に書いてある。そして、こう書いてあります。

 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した

 軍事力によってわれらの安全を保障しようというのではないのです。軍隊ではない、諸国民の公正と信義に信頼して、自分の安全を守ると決意したというのです。 これは大変なことなのです。簡単なことではない。とても大変なことを私たち国民が請け負うということを書いているのです。そしてこう書いています。


 「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」


 日本だけではないのです。一国平和主義でもないのです。世界中のすべての国の人々が平和のうちに生存する権利があるということを認め、世界全体を平和にするために自分たちは軍隊を捨てると言っているのです。 大変すばらしい憲法だと私は思います。なんとしてもこれを守るということも同時に考えています。

 かつて戦争がありました。大本営の発表ばかりで、一般の人々はほとんど真実を聞かされませんでした。いつも戦争で勝っていると聞かされて、日本は神国だ。天皇陛下がいるから絶対に戦争は勝てると言われました。ほとんどの日本人は戦争は勝てるだろうと思い込まされた。そして中に反対する人がいると、国家がその人たちを虐殺していくということをやったわけですし、それどころか住民自身がそういう人を村八分という形で虐殺していったという歴史もあるのです。

 そんな歴史が一応は終わったけれども、その後で、「いや、悪かったのは軍部だ」と、「俺たちはちゃんとしたところを聞かされなかったからこうなった」と言い訳をする人はたくさんいたと思います。でもそれで本当にいいのかと私は思います。

 福島の事故が起きた今もそうです。今日この会場を埋め尽くして下さっている人たちにしても、福島の事故が起きるまでは原発がこれほどのものだということに気がつかないでこられた方は多いと思います。

 もちろん原発は安全だと言って、マスコミすべてが安全だという宣伝を流してきたわけですから、普通の方々がそう思っても不思議ではありませんが、「だまされたから無罪だ」と言うのなら、またきっとだまされてしまいます。だまされたことに関しては、だまされた責任があるだろうと思っています。

 そして私たちは子どもたちから問われるのです。福島の事故が起きて以降、お前たちはどうやって生きたのか?と。憲法がいま危機に瀕しているときに、その憲法を守ろうとしている人たちももちろんいるけれども、「一人ひとりはどうやって生きたか」ということを必ず見られ、子どもたちから問われるだろうと思います。その問いにきちんと答えられるように私は生きたいと思います。

 私もそうですし、皆さんもそうですけれども、人生はたった一度しか生きられません。人生は一度きりです。そのたった一度の人生ですから、歴史と事実をしっかりと見つめて、だまされないように生きていきましょう。



 ▼福島に対する棄民政策
  日本のふるさとを殺した原発

   澤地久枝さん


 福島のことは取り上げないことで、なかったことにしようと思っている、政治家・財界人・学者がいて、補償金などが予算から出ていたと思っていたら、福島のためには使われないで、いろいろなところの道路工事などに使われている。こんなバカにした話はありません。私自身、戦中戦後に、まさに棄民というものを味わいましたが、日本の政治というのは常に棄民を繰り返し、福島に対しても棄民政策をとっています。

 「原発は平和である。そして危険はない」と散々言ってきたにもかかわらず、2年半前にあの事故が起きた。そして私は「日本のふるさとを殺した」と思います。 いまさら取り返しがつかないとしたならば、まず原発は止めるということを、常識的なこととして決めなければ何にも進みません。

 さんざん停電すると言って脅かしてきて、今年は東京だけではなく日本中がかつて知らないほどの猛暑となりクーラーがよく使われましたが、それでもどこかがそのために停電したという話はありません。停電すると言って脅かした人たちは何も言わないで知らん顔をしています。汚染水はどんどん出ているという状態で、原発は依然として何をするか分からない。



 ▼本当の悲劇は、ゆっくりとやってくる死スローデス
   内橋克人さん


 ナントカミクス。私はフルネームで言いません。ナントカミクスで株を少々上げてもらってアメをばらまきました。甘いアメの後に来るのはムチです。人々をひっぱたくムチ。人々を縛っていくムチです。 私たちは、この瞬間瞬間において現政権が採用している政治手法、駆使している政治手法を、見破らなければなりません。

 「新しい原発安全神話」が作られようとしています。原発は止めるわけにいかないし、そのうちに科学技術が進歩して、原発は安全になる。世界でこれから原発がますます勢いを増してくる中で、私たちの国だけ原子力エネルギーを持たなくていいのか――こういう新しい原発安全神話が、猛々しく、しかし密かにメディアを通じて流されようとしています。新たな2度目の原発安全神話に、私たちはしてやられてはなりません。

 いま、小出先生がおっしゃいました。20年後、30年後に、ゆっくりとやってくる死=スローデスに見舞われています。世界の専門家が指摘しているように「ゆっくりとやってくる晩発性の死」の被害が広がる。福島原発事故の被害は、本当の悲劇は、10年、20年、30年経って、人間の体を蝕むということです。許すことはできません。このことをしっかりと申し上げて今日お集まりいただいた皆さんと心を同じくさせていただきたいと思います。



 ▼福島では今なお15万人超す人々が故郷を追われ、
  自らの家を追われ、生業を追われ、家族を分断され、
  地域のコミュニティを破壊され、そして原発事故関連死1,400人超

   佐藤和良氏(いわき市議会議員)


 福島では、今なお15万人を超す人々が故郷を追われ、自らの家を追われ、生業を追われ、家族を分断され、地域のコミュニティを破壊され、原発事故関連死は福島県内で1,400人超という状況になっています。

 この、累々たる無念の死に対して、私たち生かされているものが、そして日々被曝させられている、被曝を強制されている私たちが、次に何をつないでいくのか? 命をつないでいくために何をしていけばいいのか? このことが問われていると思います。

 高濃度汚染水の問題が大きな問題になっていますが、これこそ東京電力と国がいままでやってきた手口です。2年4カ月も認めず参院選が終わった翌日に垂れ流しを認める。彼らによれば汚染水はそこまでは出ていなかったとされ、選挙に勝った途端に汚染水を海洋に流出させる、出しているということを認めました

 以来どうでしょうか。昨日までは「タンクから12リットル漏れていた」と言った次の日に、「いや、実は300トン漏れていた」。タンク1基から漏れていたと言っていたのに、1週間ほどすれば3基から漏れていた。生業を奪われて、津波で流されたがれきの撤去作業をやって日々つないできた、いわきの漁民たちが試験操業をやろうとした瞬間に、この高濃度汚染水の放出を認めるという事態になった。漁民たちが生業を奪われ、命をつないでいく、その心もへし折られようとしている。私たちはこのまま涙を飲むわけにはいきません。

・ 泉田裕彦 新潟県知事

2015-08-09 07:50:53 | 原発事故


いつもこの人の話はまともである。誰が聞いても納得のできる話の内容ですね。難しい言葉を使わず、平素な言葉で分かりやすく話してくれる。しかも、豊富な知識の上に、問題点のポイントをきちんと指摘できる。このような政治家が沢山出てくれれば、日本も良くなるでしょうね。




泉田知事



実際には世界標準にも達していないというのが現実だと思います。



資本主義のルールでは、金融機関がお金を貸すときその会社が事故を起こして、貸したお金が回収できなくなるリスクを考えなければなりません。
ところが、事故を起こしても国が保証してくれる、リスクがないとなれば、金融機関は、たとえ危なくても金のために動かしてもらった方がいいということになる。

おかしいでしょう。
資本主義の論理が働く形になっていないんですよ。
株主も、事故を起こしたら投資したお金が焦げ付くとなれば、みなで会社を監視する。

そうして安全文化が育つんです。ところが株主も免責されてしまった

・ 日本の原発安全基準、実は世界最低クラスだった!

2015-08-06 07:58:14 | 原発事故

日本が再稼働しようとしている原発は、その基準が世界の中では遅れた設備とシステムを持っています。それをアベシは「世界で最も厳しい安全基準」と平気でうそをつきます。今まで世界ではスリーマイル島やチェリノブイリの事故を教訓として安全対策を強化しているますが、日本は全く手を付けないどころか、3.11福島事故を得て初めて手を付けた安全基準も非常にお粗末・・・・

以下、真実を探すブログより転載します。





安倍首相が「世界で最も厳しい」と豪語している日本の原発安全基準、実は世界最低クラスだった!

嘘つき

7月25日に報道ステーションが取り上げた原発の安全基準に関する番組が素晴らしかったのでご紹介します。この番組では安倍首相が豪語している「世界で最も厳しい日本の原発安全基準」という言葉が事実なのか調べるために、海外の原発と日本の原発を比較しました。

その結果、欧州では日本よりも丈夫な二重防護壁を使用している上に、日本では一部にしか配備されていない「フィルターベント」を標準装備していることが判明。二重防護壁とは原子炉格納容器を守る壁のことで、日本は一重防護壁となっています。9.11同時多発テロをキッカケに欧州は飛行機の直撃に耐えられるような安全基準を設定し、このような二重防護壁が全ての原発に配備されたのです。

また、核燃料が溶け出すメルトダウンが発生した時に備えて、欧州の原発には「コアキャッチャー」という特殊な受け皿が設置されています。これは溶けた核燃料を受け取る為の容器で、溶けた核燃料が直ぐに冷めるような構造となっています。これも日本には配備されていません。

というか、今までそのまま放置していた日本の方が異常だと言えます。格納容器は一重防護壁で、フィルターベントも一部だけ。その上、コアキャッチャーも無し。これで良く安倍首相は「世界で最も厳しい基準」とか言えますよね(怒)。安倍首相は外遊をするついでに、欧州の原発の格納容器に入ってみてはどうでしょうか?きっと、良い勉強になると思います。


☆安倍首相は世界で最も厳しい安全基準と自画自賛するが、日本の原発の安全基準は欧米の周回遅れ。追いついたとすればヨーロッパの10年前ぐらい。



原発の”世界最高基準”。驚きの現実・・・日本は遅... 投稿者 kotetsu1111
↓番組のキャプチャー
オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機

オルキルオト3号機



・ 知らぬは日本人ばかりなり

2015-06-21 02:07:59 | 原発事故


ドイツの風刺画です。メルケル首相の判断を分かりやすく説明しています。日本国土の3分の1くらいは放射能で汚染されていて、そこの土地で作られる作物は内部被ばくの要因になります。チェルノブイリ原発事故では住むことを禁止している地域でも、日本では平気で住まわそうとしています。単純に騙されている日本人のなんと多いことなんでしょう・・・・・飯山一朗さんブログより転載します。




貧すれば鈍死

風刺絵


日本以外の国では、東京オリンピックは開催できない!なんてことは、常識だ。
それは、上のような漫画をつかって、真実情報を広く自国民に知らせているからだ。

メルケル独首相が3月初旬に急遽来日して、放射能の問題と隣国との関係改善を安倍首相に進言したが、これに安倍総理は激怒。けんもほろろにメルケルを追い返してしまった。

離日して北京に行ったメルケル独首相は、安部首相の愚鈍(ぐどん)な認識度合いを習近平に克明に報告している。

この瞬間に、中国とドイツの「東京オリンピック不参加!」は決定されたのである。

これを受けて、ドイツのマスコミは、「日本は放射能が強すぎ、危険すぎるので、東京オリンピックは数千年ぐらい延期したほうがE~!」と、ドイツ国民に漫画で真実情報を伝え、日本にもメッセージを送ってきたのである。が、日本は、またもやシカトである。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「知らぬは亭主ばかりなり」 というのは、女房の悪事(=不倫)を知らないのは、愚鈍(ぐどん)亭主だけで、み~んな誰でもが知っている!ってコトだ。
今の日本は…、安倍首相を筆頭に大半の日本人が、愚鈍(ぐどん)な亭主みたいな脳味噌になっているんだろうな~。

そ~ゆ~シトたちってのは、死んでいくのも早いんだろ~な~。
飯山 一郎

・ 事故賠償をめぐって「もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば・・・・

2015-06-10 22:30:16 | 原発事故


原子力の専門家で大学教授を引退した小出裕章さんがラジオファーラムで発言しています。自民党と官僚は、万が一原発事故が起きても、その賠償は国民がするような法律を作っています・・・・建設することで利権にありつき、運営することで利権にありつき、事故が飽きても責任は取らずにその付けを国民に回す・・・・・こんな法律が平然とまかり通る国会とはなんなんでしょうね・・・・キチガイ集団としか言いようがない。

立地開発をするにあたっても国民の税金を使って買収し、原発を運営することにより高い電気代を国民からかき集め、事故の保証金も国民が払った高い電気代からねん出し、事故後の賠償金も国民が負担・・・・・いい加減に国民をばかにしていますね。

刺殺された石井紘基氏が調べ上げた内容を見ていると、官僚と政治屋のあくどさはあきれるばかりです。ブログの中で「日本の自滅する日」に掲載しています。




事故賠償をめぐって「もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば、日本の国家が倒産してしまうほどの被害が出ていると私は思っています」〜第125回小出裕章ジャーナル
ラジオ放送日 2015年5月29日〜6月5日
Web公開 5月30日

小出裕章


谷岡理香:
政府は未だに「原発は安いんだ」「安価なんだ」と言い続けています。今回の原発事故の損害賠償をめぐっては、その政府と電力会社が互いに責任を押しつけ合っているという現状もあります。私達には負担は、今後どのような形で出てくるのでしょうか? 今日は、「原発事故の賠償費と除染費の利息は国民負担」、このことをテーマにお送りします。小出さんと電話が繋がっています。小出さん、今日も宜しくお願い致します。

小出さん:
はい、こちらこそよろしくお願いします。

谷岡:
まず、原発事故が起きた場合の保険金について、改めて教えて下さい。

小出さん:
皆さん今、日本というこの国で生きていて、さまざまな保険にご自分で加入しているだろうと思いますし、企業にしても様々な保険に入って、何か事あった時にはその保険でまかなうというのが、いわゆる資本主義という世界の原則なのですね。

しかし、原子力発電所というものが、万一であっても事故が起きてしまえば、国家が倒産するほどの被害が出るということは、原子力の専門家はみんな承知していました。当然ひとつの企業でそんな被害の賠償ができるわけはありませんし、保険会社もそんなものに関しては、契約を結ばないということになっていたわけです。

そのため、いわゆる資本主義を標榜する国としては大変異例なことに、日本では原子力損害賠償法という法律が作られまして、万一の事故の時に備えて、電力会社は当初は50億円でしたけれども。1961年だったと思います。その法律ができたのは。その時は、50億円だったと思いますが、だんだんだんだんお金が上がってきまして、今は1200億円の賠償金を用意しておけば、あとは国が国会の議決を経て面倒を見るという、そういうあり得ないような法律で守られてきたのです。ですから電力会社としては、とにかく1200億円だけ準備をしておけば、あとは国がやってくれるんだというそういうつもりで今日まで来てしまったということになりました。

谷岡:
電力会社にとったら1200億円さえ準備すれば、あとは国。でもそうしますと、東京電力のあの福島の原発事故での損害額とその賠償は、どういうふうになっているんでしょうか?

小出さん:
原子力損害賠償法の定めに従えば、まずは東京電力は用意しておいた1200億円の賠償金を払うということになって、それを超えたものは、国が国会の議決で面倒を見ると、先程聞いて頂いた通りなのです。

谷岡:
そうですね、はい。

小出さん:
一応、その原子力損害賠償法では、責任は無限責任だということに決められていますので、本当であれば、東京電力が全てを賠償すべきなのですけれども、でも、国が国会で議決をすれば、いくらでもまたそれが出せるということになってしまっているわけです。

実際に、今のところは多分10兆円、あるいはそれを超えるぐらいのお金がかかるだろうと、国の方は言っているわけですが、私自身は多分そんなことでは到底足りない。何十兆円ものお金がかかるだろうし、もっと本気で住民に対しての賠償などをすれば、日本の国家が倒産してしまうほどの被害が出ていると私は思っています。

いずれにしても、東京電力が全部を負担するなんてことは到底できないわけですから、現状では政府が原子力損害賠償廃炉等支援機構という組織をつくりまして、国のお金を東電に回しているという状態になっています。一応数十年かけて、東電を含む電力会社から返済を受けるという計画になってはいます。そして会計検査院の試算では、最大で1200億円、1300億円ぐらいの金利が、国民負担になるという試算を出しています。

でも私、先程聞いて頂いたように、国や東京電力の考えている賠償額よりも、はるかに巨額の賠償額が実際には必要になると思いますので、おそらく何千億円というような金利が、これから国民の負担になっていくんだろうと思います。


谷岡:
はい。なんかちょっと気が遠くなるようなお話をして頂きましたが、そういった状況の中で、今、電力会社と国がこの賠償をめぐって押しつけ合いをしているわけですが、これはどういうことなのか、もうちょっと説明して頂けますか?

小出さん:
もともと日本の原子力というのは、国がやるのだと言って決めたのですね。そして今、聞いて頂いたように、原子力損害賠償法というような法外な法律をつくったり、あるいは電気事業法で電力会社の利益を完璧に補償する。原子力をやればやるだけ儲かるというような仕組みを作って、電力会社を原子力に引き込んだのです。

そのため日本の原子力は国策民営と言われるようになってきました。つまり国が重大な責任を持っていたわけですし、それを引き受けた電力会社が、仮に何か事故を起こしたとしても、やはり国に責任があるということは、私としては当然のことだろうと思います。ですから、事故が起きたとしても、電力会社としても国の方が「お前が引き込んだんではないか」というように、もちろん思っているわけですし、国の方も自分の責任をしっかりと認識してるわけですから、ある程度はやはり仕方がないだろうと。電力会社を守ってやらなければいけないというようなことも思っているわけです。

そのため今、起きているように、国が東京電力を生き延びさせて、倒産をさせることのないように支えながら、そのツケを国民に回していくというようなことをやっているわけです。先程から聞いて頂いてるように、もし本当に被害の賠償しようと思えば、東京電力など何十回倒産しても足りないわけですけれども、実際には国がそれを支援して、東京電力を生き延びさせて、東京電力は既に黒字にまたなっているというそういう状態になって、結局誰も責任をとらないまま、一切のツケを国民に押しつけながらみんなが生き延びて、国も東京電力も生き延びていくというそういうことをやっているわけです。

谷岡:
国も東京電力も組織はあるけれども、人はどんどん変わっていくわけですよね? おっしゃったように、誰も責任をとらないっていうそこが本当に重く響きます。でも大事なことは、もうほんとに今、被害を受け続けてる方がいて、その方がどうやって救済されるか。そして、私達も明日そうならない保障はどこにもないわけですが、今後のことを考えると、小出さんはどのようにお考えですか?

小出さん:
福島第一原子力発電所の事故で、今現在もたくさんの人が故郷を追われて流浪化しているわけですし、本当であれば、放射性管理区域に指定しなければいけない汚染地帯に、人々がそのまま捨てられて生活を余儀なくさせられているわけです。事故から既に4年以上経ちましたけれども、そんな状況がずっと続いている。もっとちゃんと国として救済をしなければいけないと思うのですけれども、それをやろうとすると、国が倒産するほどのお金になってしまうということになっているわけです。

4年経った今でも、原子力緊急事態宣言というものは撤回されないまま、未だに緊急事態が続いている。そして、被害者も苦難にあえいでいるという大変なことになっているわけで、もしそんなことをきちっと賠償しようと思えば、原子力発電なんてどれだけ高いものか全く分からないほどになってしまうということだと思います。

谷岡:
ほんとに原発は安いだっていうのはどこから来るのかっていうのは、本当に伺っていて気持ちが重くなります。それから、福島も分断の中に来ていて声を挙げられない方がいますが、私達がなんとか何度でも何度でも繰り返し発言していかなければいけないなって、改めて思いました。小出さん、どうもありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。

・ 福島原発告訴団、旧保安院職員ら9人を告訴・告発

2015-04-10 00:34:49 | 原発事故


福島原発事故の責任を負ったものはひとりもいない・・・・・おかしな世界である。しかしこの度、福島原発告訴団は東京電力と旧原子力安全・保安院の関係者を告訴・告発しました。ただ問題なのは、東京地検公安部が動いたのではなく、政府事故調査委員会の報告書が告訴・告発のきっかけとなっていることである・・・・・同じ役人の世界なので、まともに調査するのかが疑問ですね。
以下、週間金曜日ニュースから転載します。



「クビになるよ」と津波対策を封殺──福島原発告訴団、旧保安院職員ら9人を告訴・告発(明石昇二郎)
2015 年 2 月 6 日 5:28 PM

弁護団

1月13日、告訴・告発状の提出後、東京・霞が関で記者会見する同告訴団の武藤類子団長。(中央。撮影/明石昇二郎)


1月13日、福島原発告訴団は東京地検に対し、「東京電力と旧原子力安全・保安院は想定を超える津波を予見し、対策の必要性を認識していた」として、業務上過失致死傷容疑で関係者らを刑事告訴・告発した。福島第一原発事故の刑事責任をめぐり、検察審査会から「起訴相当」との議決を受けたにもかかわらず、東京地検公安部の不甲斐ない再捜査が続く中、事故を起こした責任を追及する手が、ついに経済産業省の官僚たちにも及んだのだ。

同告訴団の弁護団によると、告訴・告発された東電関係者は、福島第一原発の津波・活断層対策を担う「耐震バックチェック」担当だった酒井俊朗・元土木グループ・グループマネージャー、高尾誠・元原子力耐震技術センター土木調査グループ・グループマネージャー、西村某(役職不明)の3人。うち酒井、高尾の2人は、東電の津波対策先送りに手を貸していた土木学会の津波評価部会にも関わっていた。

旧保安院関係者は、森山善範・元原子力発電安全審査課長(現・日本原子力研究開発機構理事)、名倉繁樹・元原子力発電安全審査課審査官(現・原子力規制庁「地震・津波安全対策」安全審査官)、野口哲男・元原子力発電安全審査課長、原昭吾・元原子力安全広報課長の4人。このほか、氏名不詳の原子力安全委員会と電気事業連合会の津波対策担当者各1人の9人。

再稼働の審査者までいる。事故発生前年の2010年、福島第一原発3号機では、初めて「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料」を装荷するプルサーマル発電が計画されていた。告訴・告発状によると、森山氏と名倉氏は、09年9月に東電から、試算した津波高が8~9メートルになるとの報告を受けていながら、対策を講じるよう指示しなかった。さらに森山氏は、10年に名倉氏らに送った電子メールの中で、「福島(第一原発)は、敷地があまり高くなく、もともと津波に対して注意が必要な地点だが、(869年の)貞観の地震(による津波)は敷地高を大きく超える恐れがある」と、津波対策の必要性を認識していながら、「(旧保安院が実施していた「耐震バックチェック」で)津波の問題に議論が発展すると、厳しい結果が予想され(中略)対策が必要になる可能性も十二分にある」と指摘。

耐震バックチェックが終了すれば東電に津波対策を指示せざるをえず、その煽りでプルサーマル発電の開始時期が遅れるのは必至の情勢だったため、プルサーマル開始を優先し、「耐震バックチェックの終了」を先延ばしにしているうちに大震災に遭い、大事故に至っていた。

野口氏は、大臣官房参事官としてプルサーマルを推進する仕事をした後、原子力発電安全審査課長の職に就いた。津波対策をとるべきだと主張する部下の官僚に対し、
「保安院と原子力安全委員会の上層部が手を握っているのだから、余計なことはするな
などと叱責。実質的な人事権者でもあった原氏は、「余計なことをするとクビになるよ
などと脅し、津波対策を主張する旧保安院内の声を封殺していた。

こうした実態は本来、先の告訴・告発を受理し、不起訴にしていた東京地検公安部の捜査によって明らかにされるべきものだろう。だが、政府事故調査委員会の調書が公開されたことで明らかになった。

告訴・告発状の提出後、記者会見で同告訴団の弁護団は、今回告訴・告発した者の中には「自分で事故を引き起こしていながら、事故後、現地対策本部の統括をやっていた人(原氏)」や、「現在、原発再稼働の審査をしている者(名倉氏)」までいることを明らかにし、「過去の問題ではなく、今の問題」と訴えた。

告訴・告発状は1月16日、正式に受理され、同地検公安部が引き続き担当することになった。

(あかし しょうじろう・ルポライター。1月23日号)

・ 福島原発事故に対する海外の評価

2015-03-24 18:04:24 | 原発事故


日本の官僚も政府も、福島原発事故は起きなかったことにしようとあの手この手で国民を騙し続けています。しかし、海外の専門家やジャーナリストは、正しい事実に基づいた推察の上で、将来において日本国民の健康を危惧している人が大勢います。
その情報の中には、現在政府が調べている放射性物質は、全体の10%しか調査していないと言っています。そのわずか10%でさえ嘘の数字を流し続けている状況です。「国民の健康に影響があるかもしれない」という可能性があれば、まずはそれを避けるのが最初にすることでしょう。しかし、政府・官僚・東電のしていることは、「問題ないので気にするな」という事ですね・・・・・利権うんぬんの前に狂っているとしか思えませんね。
FaceBookの「ノーニュークス たんぽぽ舎」さんより転載します。





原発事故


『このように、小さな昆虫から人間に近い動物に至るまで、さまざまな異常が観測されているということは、遅かれ早かれ人間にも影響がおよぶ可能性が高いと認識しておくべきではないだろうか。また、海洋へ流出した放射性汚染物質の影響で、北アメリカ大陸の西海岸バンクーバーやシアトル周辺においては、北太平洋海流に乗って福島の沖合から流れ着いたと思われる放射性汚染水の影響で、沿岸の海底の上層部を覆っている海底土壌の汚染が深刻な状況になっているとの報告も出ている』

あれから4年、原発事故から目を背けたままの日本政府
NET IB NEWS 2015年3月19日11:32
国際政治経済学者・参議院議員 浜田 和幸 氏



 FUKUSHIMA(福島)という地名は、今や世界では史上最悪な原発事故の象徴として深く脳裏に刻まれるようになってしまった。今年の3月11日で4年の時間が経過したにも関わらず、23万人もの被災者が不自由な生活を余儀なくされているなど、復興への道筋は極めて厳しいものである。

 と同時に、福島第一原子力発電所からいまだに流出を続けている放射性汚染物質の除去や浄化作業は、遅々として進んでいない。さまざまな報道がなされているが、汚染水漏れの隠ぺいが発覚するたびに陳謝を繰り返す東京電力。昨年5月から汚染水の海中への流出が続いていながら、有効な対策をとれないまま今日に至っている。

 そうした危機的状況を見て見ぬふりをしている日本政府の公式見解や情勢分析に関しては、この3月10日のブルンバーグ配信による「4年経っても放射能漏れの収まらない福島原発」の記事に見られるように、内外から厳しい目が向けられている。

 4周年の追悼式典で安倍総理は、「先人たちが幾多の困難を乗り越えてきたように、明日を生きる世代のために、私たちが共に立ち向かっていく」と力を込めた。たしかに、日本政府が何とか元の生活を取り戻せるようにと、被災地域の住民に夢と希望を与えるためのさまざまな施策を試みていることはその通りであろう。とはいえ、どれだけ効果のある除染活動が行われているのだろうか。その現場の実態はあまりにも透明性を欠いていると言わざるを得ないのが現実である。

 3月11日、原子力規制員会の田中俊一氏は、「福島原発では放射能漏れの問題が相変わらずだ。さまざまな事故がこれからも起きるリスクが山のように立ちふさがっている」と苦悩に満ちた発言をしている。そうした警告が、安倍総理の耳には響いていないようだ。

 こうした問題の指摘に敏感に反応しているのは、海外メディアである。我々日本人が避けて通ろうとしている現実を垣間見させてくれる、貴重な情報が多く見られる。我が国のマスメディアでは、そうした厳しい実態についてはオブラートに包んだような報道が多いため、「時間が経てば生まれ育った故郷に帰還できる」といった楽観的な見方がいまだに残っている。しかし、放射能汚染や原発問題に詳しい海外の研究機関や専門家の間では、人類史上最悪の原発事故を引き起こした福島の事例は、「今後300年以上の時間が経っても容易に解決できるとの見通しは立たない」と極めて厳しい見方をしているのである。

 たとえば、国連の「原子放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)」の報告書(2014年7月22日公表)によれば、福島の放射能汚染によるがんの発生はかつてチェルノブイリで発生した原発事故と比べればはるかに深刻で、「9,000人以上ががんによって命を失う可能性が極めて高い」と警告を発している。これは西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱より深刻ということだ。

 15年3月11日にグリーン・クロス・インターナショナルが公表した「2015年福島報告」によれば、「日本では3,200万人がいまだに福島原発事故による放射線被ばくに晒されている」とのこと。国際的にレベル7と判定された福島の原発事故は、南カリフォルニア大学のジョナサン・サメット博士に言わせれば、「チェルノブイリと比べ3倍の被害者を生んでいる」とも分析されている。低レベルの放射線を長期に浴びることで、どのような健康被害がもたらされるのか、世界の研究者が懸念の思いを強めているが、日本政府は総理の発した「アンダー・コントロール」という鶴の一声に押されてしまい、身動きができなくなっているようだ。

 事態は、深刻さを増している。ポートランド州立大学のルディー・ナッスバウム名誉教授は甲状腺がんの専門家であるが、「福島原発の事故が流産にどのような影響をおよぼしているのか」について日本政府に確認したところ、「放射能への被曝と流産との間には因果関係が認められない」との回答があったという。

 しかし、同名誉教授によれば、「日本政府がそのような観点から調査をしていないだけであり、過去の事例を見ても放射能被曝が広汎な異常出産や流産をもたらしていることは否定のしようのない事実である。日本政府はそうしたことに目を向けようとしていない」と疑問を投げかけている。

 さらには、2014年5月15日、フランスの放射線防御並びに原子力の安全に関する研究機関(IRSN)のジャック・レプサード事務局長の発表した報告書によれば、「東京電力は放射能汚染による水源並びに地下水の汚染の実態について、正確な情報を公にしようとしていない。それどころか、プルトニウムやウラニウムが大量に海面に流出している事実が隠蔽されている。また、それ以外のさまざまな核種が放出されているにも関わらず、東電も日本政府も福島第一原発から放出、流出されている核種の90%に関する汚染状況を調査することを拒んでいる」とのこと。

 要は、都合の悪いデータには最初から目を背け、そうした事実には触れないようにしているというのである。触らぬ神に祟りなし、ということであろうか。しかし、これでは「次の世代」向けに悪性ウィルスを培養し続けているようなものではないか。

 長年、原発の危険性を訴えてきた京都大学の小出裕章氏は本年2月末、自らの最終講義のなかで「4年が経つ今でも、事故はまったく収束していない。昨年12月、運転していなかった4号機の使用済み核燃料プールに残されていた核分裂生成物をようやく移し出せたところ。1~3号機に至っては、融けた炉心がどんな状態かいまだわからないまま。今も現場に入れず、毎日水をかけ続けるしかない。その水が放射能汚染水になるのは当たり前のこと。タンクも応急のものなので、どんどん漏れ出している」と原子力工学の専門家としての心情を吐露。

 極め付けは、イギリスの海洋放射性汚染問題の専門家ティム・ディーリージョーンズ氏の指摘であろう。曰く「日本政府や東電が行っている海洋汚染に関する調査は、極めて限定的かつ狭い範囲しかカバーしていない。放射性物質に関してもセシウムやヨウ素、ストロンチウムに関しては調査が行われているが、それらは全体の汚染をもたらしている核種のうちの10%にも満たない。すなわち核汚染物質の90%以上を放置している」というのである。

 その結果、プルトニウムに関しても4ないし5種類の同位体がまったく検証されないまま、周辺の海域に放出されている。同じことはウランの3種類、アメリシウム、キュリウムに関しても当てはまる。

 同様に、14年8月8日、原子力問題の専門家で、弁護士を務めるゴードン・エドワード博士はラジオ番組に出演し、「東電の福島原発から連日400トンを超える放射能汚染物質が海に流出している」ことを取り上げ、日本人に関心を向けさせるべく問題提起を行っている。同博士によれば、「現在の汚染水の状況から判断すれば、こうした汚染水の海洋への流出は少なくとも今後、7年か8年……おそらく10年以上は続くものと思われる」と言うから、聞き捨てならないだろう。

 こうした放置すべきではない実態がありながら、日本では体系的な情報開示はなされていない。

 2014年8月18日、東京の外国特派員クラブで行われた記者会見の席上、福島の子どもとその親の代理人を務める柳原敏夫弁護士は、そうした海外での問題提起を踏まえ、独自の現地調査を行った内容を発表した。それによれば、かつてチェルノブイリの原発事故によってベラルーシの子どもたちが甲状腺がんに罹ったものであるが、当時と比べて今福島の子どもたちの間で広がりつつある甲状腺がんの比率は、ベラルーシより14倍もの深刻とのこと。しかし、今日に至るまで、大手マスメディアは一切報道をしようとしない。

 実は、放射能汚染の影響を受けているのは、ヒトだけではない。福島を中心として広い範囲で動物や植物の間でも低線量の放射能が深刻な問題を引き起こしている。

 たとえば、12年に福島の被災地の周辺で見つかったペイルグラス・ブルーバタフライは自力で孵化することができない状態に陥り、たとえ孵化したとしても「翼が開かない」といった奇形状態が広汎に観測されているのである。そうした観測結果は『ジャーナル・オブ・フィデリティ』に報告されている。福島原発から放出された放射性物質が周辺の森林地帯や広汎な範囲で土壌を汚染した影響と思われる。言い換えれば、ヒトに代わって、こうした昆虫や動植物が警告を発していると言えるだろう。

 このような動植物の実態研究を通じて、彼らの間で突然変異や遺伝子への悪影響が急増しており、種の絶滅への恐れ高まっていることも明らかになりつつある。アメリカの南カリフォルニア大学のティモシー・モーソー研究員が行った福島原発事故がもたらす動植物への影響に関する調査報告書を一読すれば、鳥、猿、蝶、その他の昆虫の間で放射能の影響が顕著に見られ、愕然とせざるを得ない。同研究員はそうした観察調査報告の結果を公表しているが、我が国ではそうした中身がなぜか紹介、報道されることがない。こうした動植物が被曝していることは間違いない事実であり、その被曝線量は極めて限られたものと思われるが、それでも遺伝子に異常な影響をおよぼし、突然変異を引き起こしていることは生物学的にも否定のしようのないところである。

 すでに福島周辺では動植物の数が激減し、成長に影響がおよんでいる。また死亡率が高く、組織的な異常が見られるということは、極めて憂慮すべき事態だと思われる。

 その一方で、福島の周辺の蝶を観測している研究者の間では、放射能に対する抗体も見られるような種類の蝶が生まれているとの報告もある。種の保存を実現するため、こうした生物が自らの遺伝子を進化させるという場合もあり得るだろうが、大半の場合はそのような抗体ができる前に種の絶滅の危機に瀕するケースの方が多いに違いない。蝶類よりはるかに固体の大きい鳥類のケースではより観測が行いやすい点もあるようだが、翼や体内の形態や組織上の変化というものが観測されている。

 このように、小さな昆虫から人間に近い動物に至るまで、さまざまな異常が観測されているということは、遅かれ早かれ人間にも影響がおよぶ可能性が高いと認識しておくべきではないだろうか。また、海洋へ流出した放射性汚染物質の影響で、北アメリカ大陸の西海岸バンクーバーやシアトル周辺においては、北太平洋海流に乗って福島の沖合から流れ着いたと思われる放射性汚染水の影響で、沿岸の海底の上層部を覆っている海底土壌の汚染が深刻な状況になっているとの報告も出ている。

 その結果、周辺での魚介類や海の藻が影響を受け、死滅したり激減したりするという状況が観測されているとの報告も。アメリカの環境保護団体や海洋汚染に関心を寄せている人々の間では、遠く離れた日本で起こった原発事故がアメリカをはじめ世界に深刻な影響をもたらしていることに何ら効果的な対策が施されていないとして、政府や国際機関に対する働きかけを強めている。

 ハワイの沖合や太平洋の島々の周辺で福島の沖合から流れ着いた大量の瓦礫や汚染物質が深刻な環境汚染をもたらしているとの報道が広がっていることに対し、汚染の発生源である日本とすれば、その責任をどのようなかたちで取ることができるのか。これからの国際社会の厳しい批判の目に対して、十分な対策を講じておかねばならない。そのためにも、科学的、生態的な観点から現実を直視する姿勢を確立することが必要だ。

 3月12日、外務省が福島県との共催で開いた「笑顔あふれる福島の魅力を発信するレセプション」。各国の大使らを招き、フラガールの踊りを見ながら、福島県産の日本酒や食材を堪能してもらおうとの企画である。たしかに、会場には笑顔があふれていたものの、大使の何人かは「放射能が心配だから遠慮する」と早々に会場を後にしていた。残念ながら、風評被害のせいだけにはできない深刻な問題が払拭されていないのである。

 すでに広島原爆の168発分のセシウム137を大気中にまき散らした福島原発事故。琵琶湖1.5個分の広さの地域の人々が、強制移住を余儀なくされたまま。さらには法律に従えば、放射線管理区域に指定しなければならないほど汚染した地域が1万4,000km2も広がっている。こうした危機的状況が放置されていることを、外国の大使たちは危惧しているのである。足早に会場を後にする大使たちの後ろ姿を見送りながら、日本政府の取り組みが不十分であることを痛切に感じた。

 日本には、気象衛星などの打ち上げで蓄積してきた抗放射性技術や光学カメラにロボット工学の知見もある。それらを総動員し、福島原発の放射能汚染漏れを早急に食い止めなければ、日本の安全、安心ブランドは復活できない。