戦後、象徴として天皇は存在してきた。それは戦前の全権限を一人の天皇が握る専制政治では、国民の権利や自由を奪い、一つ間違えば国民を戦争という異常事態に巻き込んでしまうからである。戦後になり天皇は、民主主義を推し進め、多くの国民が平和に暮らせることが大切と思う心が、象徴天皇としての役割であると理解をし、そのための努力をしてきている。しかし、自民党は憲法改正を長い期間たくらんでおり、その原案を見ると、天皇を元首とする専制政治に逆戻りを計画してきています。そして、国民の為に国があるのではなく、国の為に国民があるように文言を書き換えています。自民党がたくらんでいるのは、絶対的な権力を天皇に置き、国のために尽くすのが国民の務めと洗脳し、次に天皇を陰で操ることで一つの国を好き勝手に操ろうとする計画のようです。こんな自民党に危機感を抱いている天皇は、言葉は丁寧で優しいが、芯の強いところがあり強力にアベシをけん制している。
以下、LITERAより転載します。
昼食会を拒否、天皇はやっぱり安倍に激怒していた! 誕生日会見で生前退位や憲法への姿勢を批判する可能性
2016.12.19
これは明らかに、天皇の安倍首相に対する怒りの表れだろう。本日19日、天皇と安倍首相らとの宮中午餐(昼食会)が予定されていたのだが、今朝になって、宮内庁がこれを取りやめたことを発表したのである。この昼食会は天皇が皇居に首相や閣僚らを招いてねぎらうという年末の恒例行事。宮内庁は天皇が16日から風邪の症状をみせていることを理由にしているが、現在は微熱といい、また天皇誕生日を前にした記者会見が延期になるという情報は現段階で入ってきていない。
「宮内庁内では、今日の宮中午餐の突然の中止は、生前退位をめぐる安倍首相の姿勢に、天皇陛下が激怒されて、会いたくないとキャンセルされたのではとの見方が広がっています」(宮内庁担当記者)
本サイトで何度も伝えてきたように、安倍首相は「生前退位」の問題で、有識者会議委員やヒアリングメンバーに自分の人脈や日本会議系の極右学者たちを配置、天皇が望む恒久的制度化を否定する流れをつくりだし「一代限りの特別法」で対処する方針を打ち出した。しかも、安倍首相がヒアリング対象者にねじこんだ平川祐弘東大名誉教授は、11月、記者団にたいして「天皇はおかしい」とまで発言した。
天皇、皇后がもともと安倍首相の戦後民主主義を否定する姿勢に危機感を抱いているのは有名な話だが、「生前退位」問題でその亀裂は決定的になったのである。
実際、先週の「週刊新潮」(新潮社)12月22日号でも、宮内庁関係者によるこんなコメントが掲載されていた。
「陛下が有識者会議の行方を御憂慮されているのは間違いありません」
「陛下は2回目のヒアリングが終わった頃から、いたくご気分を害されている。その後も新聞やテレビで報じられる会議の内容に触れて、ご不満を募らせていらっしゃるのです」
しかし、だとすると、俄然注目されるのが、誕生日前に設定された明日20日の記者会見だ。こうした安倍政権のやり方について、天皇が否定的反応を示すのではないかと観測されている。
「退位の問題については、宮内庁記者の質問事項にも入っています。陛下が退位の制度について踏み込んで発言され、官邸や有識者会議、ヒアリングメンバーを批判するようなことを口にされるのでは、という観測も流れ、官邸はかなり焦っています」(官邸担当記者)
しかも、天皇が明日の“誕生日会見”で語るのは、こうした「生前退位」をめぐる政権への苦言だけではない可能性も十分にある。というもの、天皇、そして皇后は、これまでも安倍政権の憲法改正や歴史修正の動きに呼応し、そのたびに“反論”を行ってきたからだ。
たとえば、第二次安倍政権成立から約1年となった2013年末には、天皇は日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力」に言及し、「米国による押しつけ憲法」という安倍首相ら右派の主張を牽制するような発言をした。また、美智子皇后も2013年の誕生日に際し、明治初期に民間で検討された「五日市憲法草案」などの私擬憲法について語り、「市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして、世界でも珍しい文化遺産ではないか」と、基本的人権の尊重や法の下の平等、言論の自由、信教の自由などが、けっして右派の言うような「押しつけ」などでないことを示唆している。
さらに皇后は2014年の誕生日に際した文書コメントでも、自ら「A級戦犯」について踏み込んだ発言をした(過去記事参照)のだが、実はその発言の2カ月前には、安倍首相がA級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを送っていたことが報道されていた。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する法要で、安倍首相は戦犯たちを「自らの魂を賭して祖国の礎となられた」と賞賛したという。
しかし、こうした天皇、皇后の発言を黙って見過ごすわけがない安倍首相は、宮内庁に対しての締め付けを陰に陽に強めていった。とりわけ天皇の誕生日会見に関しては、前述した“護憲発言”のあった13年以降、安倍首相の歴史観や憲法観と対峙するような発言を自重せざるをえなかった。
だが、明日の誕生日会見は、これまでとはまったく状況が異なる。
実際、例のビデオメッセージでも天皇は何度も「憲法」「象徴」という言葉を口にし、「生前退位」に関してもただ自らの高齢化だけを理由にしたのではなく、「国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」と強調。さらには「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました」と締めくくった。
これは、日本国憲法下で天皇が模索してきた“象徴としての在り方”を、次世代の皇太子にも引き継がせたいという意思に他ならない。明らかに、天皇の元首化をはじめとし明治憲法的な改憲を目指す安倍自民党に対する疑義だった。
だからこそ、天皇は明日の会見で、「生前退位」に関する心境だけでなく、日本国憲法に対しても、いままで以上に踏み込んだ発言を行う可能性がある。天皇は「普段は穏やかですが、ご自身の信念は頑強と言ってよいほど貫き通す方」(前出・宮内庁記者)という。今日の安倍首相らとの午餐を回避したのは“事前交渉の拒否”と考えることもできる。いずれにせよ、安倍首相は気が気でないだろう。
(編集部)
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