岡本よりたかさんが、12月24日に書いた記事です。
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「遺伝子組み換え小麦という悪ふざけ」
アラン・トレーシーというと、古い方ならサンダーバードのトレイシー家の五男で末っ子のことを思い浮かべるだろう。このアランは「ロマンチストで思いやりがあるが、時折悪ふざけもする。」という性格らしい。
今日投稿する記事は、アラン・トレーシー氏の記事だがサンダーバードとは関係ない。全米小麦協会の会長である、アランだ。このアラン氏が「悪ふざけ」をしているらしい。
アラン氏はこう断言する。「近い将来、小麦の生産を遺伝子組み換え小麦に切り替える」
遺伝子組み換え小麦というのは、過去に、米国国民や最大の輸出国の日本からの反対に合い、その開発を停止したことがある。それが2005年のこと。この時点で米国のFDAは既に安全審査を終了し、承認間近でもあったが、自国民の主食となる小麦が、たとえ家畜の飼料用とはいえ、遺伝子組み換えになることに躊躇したわけだ。
そもそも、小麦は遺伝子操作による品種改良(遺伝子組み換えとはその方法論が全く違う)が行われてきてはいるが、ここにきて遺伝子組み換え小麦の開発が加速している。
それというのも、米、豪、加の小麦生産組合が共同で遺伝子組み換え小麦開発を懇願したからだ。いわゆる除草剤耐性というもので、除草剤を撒いても枯れない小麦は、雑草処理が簡単であり、効率化できるからだ。それでなくても小麦の国際価格はかなり低下しており、最近は上昇も見られるが、低価格なのは否めない。ここで一気に効率化して低価格化に対抗したいのだろう。
この小麦は当然、基本的に米国内の家畜飼料になるか、海外に輸出することになる。これらの穀物栽培量というのは想像を絶するほどに大量であるため、遺伝子組み換えと非遺伝子組み換えとを明確に分別管理することは不可能に近い。それでなくても農業機械、穀物倉庫や運搬車両などにコストがかかっているのに、二系統用意することができず、必ずどこかで混ざってしまう。しかも大量に。
恐らく、日本は当初は遺伝子組み換え小麦に拒否反応を示すだろう。しかし、現実には大量に遺伝子組み換えが混ざり込んだものが輸入されることになる。下手をすれば、パンやラーメン、うどんの小麦が遺伝子組み換えに取って代わることになるやもしれない。
しかも遺伝子組み換え小麦は、中国にも大量に輸出されるため、たとえ表示義務があったとしても、どこかでその表示が消え失せる可能性は捨てきれない。
それを見越してか、もし日本がTPPに参加した場合、遺伝子組み換え小麦の表示義務が撤廃されるか、撤廃されないまでも、現在5%までの混入を認めている基準を大幅に緩和してくるだろう。今の日本の表示制度から考えれば、この基準が49%ギリギリまで許可するという可能性はありえる。つまり51%は国産の非遺伝子組み換え小麦、49%が輸入の遺伝子組み換え小麦の場合、国産小麦とだけ表示されるということだ。
アラン・トレーシー氏の悪ふざけは、悪ふざけのままでは終わらず、世界中の人間の健康を害する最悪な結果になるかもしれない。サンダーバード3号に乗って宇宙の果てまで飛んでいってもらえないものだろうか。
※参考記事&写真
http://www.farmweekly.com.au/news/agriculture/cropping/general-news/big-three-nations-combine-for-biotech-wheats/1457568.aspx
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「遺伝子組み換え小麦という悪ふざけ」
アラン・トレーシーというと、古い方ならサンダーバードのトレイシー家の五男で末っ子のことを思い浮かべるだろう。このアランは「ロマンチストで思いやりがあるが、時折悪ふざけもする。」という性格らしい。
今日投稿する記事は、アラン・トレーシー氏の記事だがサンダーバードとは関係ない。全米小麦協会の会長である、アランだ。このアラン氏が「悪ふざけ」をしているらしい。
アラン氏はこう断言する。「近い将来、小麦の生産を遺伝子組み換え小麦に切り替える」
遺伝子組み換え小麦というのは、過去に、米国国民や最大の輸出国の日本からの反対に合い、その開発を停止したことがある。それが2005年のこと。この時点で米国のFDAは既に安全審査を終了し、承認間近でもあったが、自国民の主食となる小麦が、たとえ家畜の飼料用とはいえ、遺伝子組み換えになることに躊躇したわけだ。
そもそも、小麦は遺伝子操作による品種改良(遺伝子組み換えとはその方法論が全く違う)が行われてきてはいるが、ここにきて遺伝子組み換え小麦の開発が加速している。
それというのも、米、豪、加の小麦生産組合が共同で遺伝子組み換え小麦開発を懇願したからだ。いわゆる除草剤耐性というもので、除草剤を撒いても枯れない小麦は、雑草処理が簡単であり、効率化できるからだ。それでなくても小麦の国際価格はかなり低下しており、最近は上昇も見られるが、低価格なのは否めない。ここで一気に効率化して低価格化に対抗したいのだろう。
この小麦は当然、基本的に米国内の家畜飼料になるか、海外に輸出することになる。これらの穀物栽培量というのは想像を絶するほどに大量であるため、遺伝子組み換えと非遺伝子組み換えとを明確に分別管理することは不可能に近い。それでなくても農業機械、穀物倉庫や運搬車両などにコストがかかっているのに、二系統用意することができず、必ずどこかで混ざってしまう。しかも大量に。
恐らく、日本は当初は遺伝子組み換え小麦に拒否反応を示すだろう。しかし、現実には大量に遺伝子組み換えが混ざり込んだものが輸入されることになる。下手をすれば、パンやラーメン、うどんの小麦が遺伝子組み換えに取って代わることになるやもしれない。
しかも遺伝子組み換え小麦は、中国にも大量に輸出されるため、たとえ表示義務があったとしても、どこかでその表示が消え失せる可能性は捨てきれない。
それを見越してか、もし日本がTPPに参加した場合、遺伝子組み換え小麦の表示義務が撤廃されるか、撤廃されないまでも、現在5%までの混入を認めている基準を大幅に緩和してくるだろう。今の日本の表示制度から考えれば、この基準が49%ギリギリまで許可するという可能性はありえる。つまり51%は国産の非遺伝子組み換え小麦、49%が輸入の遺伝子組み換え小麦の場合、国産小麦とだけ表示されるということだ。
アラン・トレーシー氏の悪ふざけは、悪ふざけのままでは終わらず、世界中の人間の健康を害する最悪な結果になるかもしれない。サンダーバード3号に乗って宇宙の果てまで飛んでいってもらえないものだろうか。
※参考記事&写真
http://www.farmweekly.com.au/news/agriculture/cropping/general-news/big-three-nations-combine-for-biotech-wheats/1457568.aspx
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