おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 16

2008-12-15 20:17:06 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が38歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることが分かりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


君にとって 一番悲しいことは

誰も君を愛してくれる人が きっと自分の周りにいないことだろう

だからどんなに悲しいことがあっても だからどんなに苦しいことがあっても

みんな泣くのを我慢して 明日に向かって歩いているんだよね

だからどんなに傷つくことがあっても だからどんなに嫌なことがあっても

みんな立ち止まるのを我慢して 過去を振り返らずに歩いているんだよね

そう・・・だからね 君が自分を愛してくれる人が欲しいと思ったら

君が昨日以上に その人に優しさを届けてあげることだね

君が今日以上に その人に温もりを届けてあげることだね

君が明日以上に その人に幸せを届けてあげることだね


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(16)

拓也は、健太が幼稚園時代からの顔馴染みの悪友たちと渋谷のセンター街に遊びに出掛け、そこで本人にとってはいくら興味本位だったとしても、未成年者は禁止されているタバコを吸っているところを少年警察補導員に見つかって補導されて、学校側から呼び出しの電話を受けたことに大きなショックを受けた。

そして、いくら健太が我が子だからといって、自分の親の甘さだけの尺度で測って彼を信じ、自分が健太の生活費をいちいち仕送りするのが面倒だからという身勝手な都合だけで、これまでつきにせいぜい二、三千円の金しか持ったことがない、たかだか中学一年生の子供に五万円もの大金を手渡したこと事態を、何よりも後悔した。

そしてまた同時に、自分の親としての我が子に対する、管理不足の甘さを反省した。

もちろん、今回の件で拓也が学校側や警察の補導員に、さんざん父親としての子供に対する管理の甘さについて叱りを受けたのはもちろんだが、健太自身もその罰として一ヶ月の停学処分を受けた。

今回の問題(事件)が発端となり、健太自身が遊ぶ金欲しさに母である愛美や叔母である寿代にまでにも、拓也からの仕送りが遅れているなどと嘘をついて、金を無心していることまでが分かった。

さすがに、その話を愛美や寿代から聞かされた瞬間には、拓也の怒りは自分が健太を信じきっていたぶん、その悲しみや寂しさもあって一気に頂点に達して、もう気がついたときには健太の頬をおもいっきり平手で殴りつけていた。

健太を殴った瞬間の拓也の目の周りには、大粒の涙が溢れ出していた。

それは、今回の健太が犯した事件への怒りや口惜しさもあったが、彼が生れて以来こういった形で彼を本気で殴るのが今回が初めてだったこともあり、必要以上に自分の心の中に怒りよりも哀しみが込み上げて来たからである。

そして、「今の、お前の頬の痛みは時間が経てば治るが、お前が犯した罪は一生消えないんだよ・・・」ということを、涙ながらに訴えた。

そして、それは同時に、今回健太が起こした問題でも分かるように、いくら肉体的には大人に近づいていても、まだまだ精神的にはまったくな未熟さが残り、物事のよしあしの判断が欠如していることが分かっていたからである。

そのために、このままではまた同じ過ちを犯す可能性が高いと思い、また新たな大きな問題に発展するのを避けるために、義父の新三郎には内緒で愛美と電話で話し合い、親が子供に言い聞かせる手段としては少し手荒いような気もしたが、今度こういった問題を起こした場合には、「いっさい、お父さんもお母さんもお前を手助けすることはしない・・・だから、もしお前が再度こういった問題を起こして警察に捕まったり、学校を停学になるようなことがあっても、お前には悪いがお父さんやお母さんはお前を引き取りに行ったり、学校や警察の呼び出しにも応じないようにするので、そのことだけは十分に肝に銘じておくように・・・」と、いうことを伝えた。


ただ、今回の問題を起こした自分の子供の健太を含めて、その悪友仲間の顔ぶれを見て拓也が親として考えざるを得なかったのは、みんなが一同に父母が離婚して母子家庭の子供だったり、母親が再婚してその新しい父親と親子関係が上手く言っていない子供だったりしたことである。




 
  
 
 





 

 
 

 



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