おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

Super Santa Claus シンデレラ / 蛍5

2011-12-18 21:20:13 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望


クリスマスツリー只今、当ブログではクリスマス特別作品として『Super SantaClaus シンデレラ』の連載を開始しています。本作品は、地球を飛び出し宇宙規模でシンデレラと七人の小人たちが、それぞれが持つ超能力を発揮しながら、現実に起こる問題を痛快・愉快に解決していく、超スペクタクルロマンの作品です。そしてさらに、アニメや童話のようにファンタジックに飛んだ世界の中で、人間愛や家族愛、友情、優しさ、エンターテイメント性などを通じて、多くの“愛と感動”を読者のみなさんに届ける作品です。どうぞ、当ブログでシンデレラとその仲間の七人の小人たちが繰り広げる、“愛と感動の大冒険”の物語を心行くまで楽しんでください。


1 1_2    
  

企画 / 下家 猪誠
第5話
 
ドルフおじさん大活躍

★前回までのあらすじ

シンデレラとドルフおじさんとは、ララちゃんのことが気になり彼女が搬送されていった病院に、彼女の様子を見に行きました。
二人は病院に着いたとたん、偶然テレビニュース見て驚きました。
それは、ララちゃんを撥ねた自家用車の運転手が逃亡し、まだ犯人が捕まっていなことを知り、彼女が遭った交通事故がひき逃げ事故だということを知ったからでした。
おまけに、悲しいことにララちゃんは二人が病院に着いたときには、もう強く頭を打ったのと出血多量が原因で死亡していました。
二人は、ララちゃんに直接会って、彼女が天の国行きの汽車に乗らずに独り取り残されて、呪縛霊になって永遠に人間界を彷徨ことにならないためにも、彼女のやり残した願い事を手伝ってあげることにしました。
それは、パパやママをこれ以上悲しめないためにも、早くひき逃げ犯を捕まえることと、大型ホテルの建設による大規模な森林伐採や環境汚染のために、すべて彼女が住む村の川や沼から姿を消してしまった蛍やめだかを、もう一度かつてのように川や沼に戻してあげることでした。
早速、シンデレラとドルフおじさんとは、ララちゃんのために犯人探しを手伝うことにしました。
三人が、情報収集のためにアップルタウン警察に立ち寄った後、犯人の手掛かりを捜すために向かったのは、今日ララちゃんが交通事故にあった時間の、ひき逃げの事故現場です。「時間(とき)の渦よ出でよ!」と、ルドルフおじさんがそう大声で叫ぶと同時に、その目の前には現在と未来や過去を自由に行き来が出来る、大きな時空の渦が現れました。
そして、二人を橇に乗せてその時空の渦の中に、ルドルフおじさんが変身した赤鼻のトナカイは、時速三百キロの物凄いスピードで向かって飛びこんで行きました。
三人は、ひき逃げ事件が起きたのが今日だったこともあり、すぐにララちゃんがひき逃げにあった事故現場に到着しました。
そしてそこには、まさかこれからひき逃げ事故に遭うなんて予想もしていない、ララちゃん一家の幸せそうな姿がありました。
「わーい、雪だ。雪だ。」
「ねえ見て、パパママ。雪よ。」
「そうね、ララ。いつもララがおりこうな親孝行の子供だから、今日のクリスマスのお祝いのために、きっと神様がプレゼントしてくれた雪かもしれないわね・・・」

ララちゃんがパパとママと一緒に、横断歩道のところまでやって来た時、突然雪に足を滑らせて転んでしまいました。
その時、蛍の卵と一緒に手に持っていたブドゥー人形が、転んだ拍子に横断歩道の一、二メートル先までコロコロと転がっていきました。
「あっ、あたしのブドゥー人形が・・・」
ララちゃんはすぐに起き上がると、自分が可愛がっていつも持ち歩いているブドゥー人形を拾うために、ブドゥー人形があるその方角に向かって、夢中で駆け出して行きました。
その時でした。

―キキキー、キキキー・・・―

―ドッカーン!―

ララちゃんが、ブドゥー人形を拾うために駆けて行っている方角に向かって、その前方から青い自家用車が猛スピードで突っ込んで来て、彼女を撥ねたまま車は止まることなく、一目散に逃走して行きました。
「シンデレラ!信号の色はどうなっている?」
「青だわ、青よ!」
「と、言うことは、ララちゃんには完全に非がないということだな・・・」
「ということになるわね・・・」
「よし、これで安心して犯人を捕まえられるぞ・・・」
その後は、ララちゃんがひき逃げ事故に遭った時間と同じ、その時の様子が繰り返されていた。
「きゃーっ!」
「た、たいへんだ!ラ、ララが・・・」
「うわーっ、だ、誰か、ララを助けて!」
―子どもが車に撥ねられたぞ!救急車を呼べ!―
その瞬間、現場は騒然となり横断歩道には、ブドゥー人形を抱いたまま倒れている小さな女の子(ララちゃん)と、その子を抱きかかえて必死で助けを求めて泣いている両親(ララちゃんのパパとママ)と思われる大人の男女を囲んで、人山が出来ていました。

でも、三人はその現場に留まることなく、ひき逃げ犯の犯人の後を追いかけることにしました。
「ララちゃん、この人に間違いないわね?」
「絶対に間違いないわ。ララが見たのはこの顔だったわ・・・」
犯には見たところ、三十七、八歳の中肉中背の男で、特徴としては眉と眉の間に大きなホクロがありました。
犯人はクリスマスということもあってか、かなり酒を飲んでいるようで、相当顔色が紅潮していた。
そして犯人の車は、アップルタウンの街を通り過ぎて隣街にあるある住宅街の一軒家の前に止まり、車庫に車を入れるとララちゃんひき逃げした証拠を隠すために、念入りに車をワックスで磨いていました。
「シンデレラ、証拠写真を撮っておけよ・・・」
「分かった・・・」
ただ驚いたことには、ひき逃げの犯人にララちゃんと同じ年頃の、男と女の子の子供いたことだった。
そして、家に帰るとララちゃんをひき逃げしておきながら、何食わぬ顔をして家族みんなでクリスマスパーティーをやっていることだった。
「こういう心が腐っているような人って、絶対に許せないわね・・・」
「そうだなあ、それにはもっと証拠となるものを探さなくちゃあな・・・」
「そうね、きっと残っているはずだと思うから・・・」
再び、三人は犯人の車が止めてある車庫に戻って、車の中やその周辺をくまなく調べた。
そのかいがあって、犯人がララちゃんを撥ねた時に付いたと思われる、血痕を拭き取った布が屑籠の中から見つかりました。
「シンデレラ、よくやった。それさえあれば、もう大丈夫だろう・・・」
「だけど、ルドルフおじさん念には念を入れておかなくちゃあね・・・」
「そうなると、あれを使うしかないな・・・」
「そうね、ルドルフおじさん頼むわね・・・」
「よーし、それじゃあ一発お見舞いするか・・・」
「真心ビーム発射!」
ルドルフおじさんがそう言うと、突然胸の辺りに真っ赤なハートマークの不思議な光が現れて、その光が犯人をめがけて飛んで行きました。
そのとたん、今まで陽気に酒を飲んで家族と一緒に騒いでいた犯人が、急に大人しくなって奥さんに今日あった事故のことを、正直に話し始めました。
突然、その話を聞かされた奥さんはさすがに驚いて、クリスマスパーティーを中止して子供たちを部屋に帰すと、最初は犯人の夫に対しして散々卑下し喚き散らしていたが、とうとう最後はどうすることも出来なくて泣き崩れてしまいました。
結局、この様子を見ていてシンデレラは、交通事故は事故に遭った家族も悲惨な思いをするが、事故を起こした家族の方も悲惨な思いを強いられる現実を思い知らされました。
もちろん、シンデレラたちは自分たちが集めた犯人の証拠品をアップルタウンの警察署に届けましたが、そうするまでもなくルドルフおじさんの“真心ビーム”を浴びた犯人は、翌日自分から警察に自首しました。
ララちゃんのパパやママもそうですが、アップルタウンの警察も急に犯人がどうして自首して来たのか?まったくその理由について分かりませんでした。
もちろん、その裏でシンデレラたちが動いていたことなど、誰も知るはずはありません。

「あとララちゃんの願い事の残りは、蛍やめだかを村の川や沼に返すことね・・・」
「さて、この件についてはどうするかな・・・」
「とりあえず、協会の神父さんに相談してみましょうよ・・・」
「そうするか・・・」
三人は、ララちゃんの残りの願い事を叶えるために、犯人が自首したその日に教会の神父さんにそのことを相談するために、ララちゃんたちが住んでいる村近くの町の丘の上にある教会に向かいました。


星当関連ブログの紹介

OCNブログ「おとぎのお家」 
http://wildboar.blog.ocn.ne.jp/blog/


アメーバーブログ「おとぎのお家と仲間たち」
http://ameblo.jp/phoenix720/

ヤブログ「おとぎのお家と愛の家」
http://yaplog.jp/ainoie/







最新の画像もっと見る

コメントを投稿