おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

Super Santa Claus シンデレラ / 蛍6

2011-12-18 21:20:30 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

クリスマスツリー只今、当ブログではクリスマス特別作品として『Super SantaClaus シンデレラ』の連載を開始しています。本作品は、地球を飛び出し宇宙規模でシンデレラと七人の小人たちが、それぞれが持つ超能力を発揮しながら、現実に起こる問題を痛快・愉快に解決していく、超スペクタクルロマンの作品です。そしてさらに、アニメや童話のようにファンタジックに飛んだ世界の中で、人間愛や家族愛、友情、優しさ、エンターテイメント性などを通じて、多くの“愛と感動”を読者のみなさんに届ける作品です。どうぞ、当ブログでシンデレラとその仲間の七人の小人たちが繰り広げる、“愛と感動の大冒険”の物語を心行くまで楽しんでください。


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企画 / 下家 猪誠
第6話
 
蛍やめだかが村に戻ってくる

★前回までのあらすじ

シンデレラとルドルフおじさん、ララちゃんの三人は、情報収集のためにアップルタウン警察に立ち寄った後、犯人の手掛かりを捜すために、ルドルフおじさんの超能力のひとつである、時空の中を自由に行き来が出来るタイムトンネル(四次元空間)使って、ララちゃんがひき逃げにあった事故現場に向かいました。
三人が、ララちゃんがひき逃げ事故に遭う直前の事故現場に着くと、そこにはこの直後にララちゃんがひき逃げ事故に遭い、まさか亡くなることなど予想もしていない、彼女の一家の幸せそうな姿がありました。
「わーい、雪だ。雪だ。」
「ねえ見て、パパママ。雪よ。」
「そうね、ララ。いつもララがおりこうな親孝行の子供だから、今日のクリスマスのお祝いのために、きっと神様がプレゼントしてくれた雪かもしれないわね・・・」
三人が、犯人の車の運転手を突き止めその後を追いかけると、犯人はララちゃんをひき逃げした直後にもかかわらず、家に帰るとのうのうと家族みんなでクリスマスパーティーを開き、楽しんでいました。
「ララちゃんをひき逃げして、のうのうクリスマスパーティーを楽しんでいるなんて、絶対に許せない・・・」
「まったく、同感だ・・・」
その姿を見て怒ったシンデレラとルドルフおじさんは、犯人がララちゃんをひき逃げした証拠品を集め終わると、絶対に犯人が逃走できないようにするために、その最後の仕上げとしてルドルフおじさんの超能力武器“真心ビーム”を使って、犯人に罪の意識を反省させることにしました。
―“真心ビーム”とは、人の悪い心を取り除き正直な心に変える、いわば人の気持ちを童心に返すような武器である。―
その甲斐があり、翌日ララちゃんをひき逃げした犯人は、自分から警察に自首をしました。


あと残ったのは、ララちゃんの最後の願い事である、蛍やめだかを彼女が住んでいる村の川や沼で、もう一度見られるようにすることです。
三人は、その相談をするために神父さんにするために、ララちゃんたちが住んでいる村近くの町の丘の上にある教会に向かいました。
三人が教会に行くと、ザビエル神父が快く出迎えてくれました。
ただ、さすがに当初はザビエル神父も、シンデレラとルドルフおじさんの姿を見た時は、言葉に詰まって一瞬たじろぐほど驚いていました。
「か、風の噂には聞いていましたが、ほ、本当にSuper Santa Clausっていたのですね・・・」
「普段は、普通の女子高校生ですけどね・・・」
「こ、こら、シンデレラよけいなことを言うでない・・・」
「いやいや、いいですよ、ルドルフさんそんなにお気を使わなくて・・・」
「噂でしか聞いたことがない方々に、こうして夢じゃなく実際にお目にかかれて、とても光栄に思っていますから・・・」
会えるなんて、大光栄ですから・・・」
―いくらシンデレラが全天界の神王ゼウスの使者と言っても、ルドルフおじさんを心配させるほどおしゃべりが過ぎるのは、やはり十七歳の女子高校生である。―
「実は神父さん、今日お邪魔したのは・・・」
ドルフおじさんが、ララちゃんの願いことの事情を詳しく説明し、きちんと彼女をみんなと一緒に天の国行きの汽車に乗せてあげたいことを伝えると、休日のたびに教会にミサに通っていたララちゃんのことを良く知っていた、ザビエル神父はその手伝いをすることを快く引き受けてくれました。
「それに、神王ゼウス様の使者みなさんに、こうしてわざわざお越しいただいたのに、神に使える身としそれをお断りするわけにはいけませんからね・・・」
翌日から、さっそくザビエル神父は近隣の町や村を訪ねて集会を開き、ララちゃんの住んでいた村の川や沼で、再び蛍やめだかが見られるように協力もらうように、集会に出席した住民に呼びかけてくれた。
その甲斐があり、だんだんとララちゃんの住んでいた村の近隣の町や村で、これまでリゾート開発の名の下に必要以上に森林伐採を行っていた企業や、彼女の村に建てられたホテルが商売を優先して身勝手に捨てる生ゴミや洗剤、油などのせいで、川や沼の水質が汚染されて蛍やめだかが住めなくなったことに対する大規模な反対運動が起り始めたために、むやみに商売のためだけに身勝手な行動をしていた企業やホテルも、必要以上に森林伐採を行ったり水質汚染の原因になる生ゴミなどを川や沼に捨てたりすることを、自ら自粛しその改善に取り組まざるようになることを余儀なくされました。


ララちゃんが、そのことを自分の目で確かめて、天の国行きの汽車に乗ることを決めたのは、それから三日後のことでした。
ちょうどその時、ララちゃんの願いが叶ったのを祝福でもするかのように、町の丘の上にある教会ではクリスマスを祝うための、祝賀の鐘が鳴り響いていました。



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