地図や地形ネタが大好きだという話は
何度も言ってきたが。
坂道が多く街路が入り組んでいて
歴史にも興味深いものがある渋谷。
渋谷はそういう意味で
東京のなかでも一番惹かれる街。
などと言いつつ、
実はちゃんとそういう観点を意識して訪れたのは
せいぜいここ2年半くらいのことで。
まあ、そういう意味では完全に新参で。
地図やストリートビューを眺めるだけじゃ絶対分からないというか
自分の足であの坂道をぐるぐるぐるぐる
用もなく徘徊して実感できることもある。
地下アイドル現場に脚繁く(っても月数回だが)通ってた時分、
百軒店や円山町界隈歩き回ったっけ。
なんでラブホテルばっかなのか
なんでラブホテル街のど真ん中にライブハウスがあるのか
なんでラブホテル街のど真ん中で女子小中高生が歌ってるのか笑
そんなどーでもいいことばかりを考えて
いつも迷路のような坂道(ホントに方向感覚を失う)を歩いてたな。
懐かしい。
この疫病禍もあり
趣味嗜好の変化もあって
もうあの頃のように行くことは無いかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/b9/c725de9c2fabef8385646b6779a64007.jpg?1587260100)
渋谷円山町界隈の歴史
街の移り変わり
芸者さん、風俗で働く人々、
殺された女性(自分もかの現場に行ってみたことがある)、
いろんな風景。
当然、
地図アプリとにらめっこしながら読み進めた。
気づいたことは、
とっても狭い範囲の話ってことだ。
歩いた実感があるからよくわかる。
自分の日常の行動範囲で考えれば
毎日渋谷駅から道玄坂円山町通り越して
松濤辺りまで
通勤であっという間に歩く距離。
そんな狭い範囲の世界で
なんと濃密な人間の生き様が
ドロドロ蠢いていることか。
こっちなんか田んぼと畑くらいしかないのに。
都会と田舎との絶対的違いは
こういう「密度」の圧倒的差異だと
そのように思うことがある。
地形や歴史や地図を客観的に語る本ももちろん好きだが、
本書のように
そこに生きる人々の声を
ずかずか分け行って聞き出す語り口もいいものだな。
面白かった。
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