地図や地形ネタが大好きだという話は
何度も言ってきたが。
坂道が多く街路が入り組んでいて
歴史にも興味深いものがある渋谷。
渋谷はそういう意味で
東京のなかでも一番惹かれる街。
などと言いつつ、
実はちゃんとそういう観点を意識して訪れたのは
せいぜいここ2年半くらいのことで。
まあ、そういう意味では完全に新参で。
地図やストリートビューを眺めるだけじゃ絶対分からないというか
自分の足であの坂道をぐるぐるぐるぐる
用もなく徘徊して実感できることもある。
地下アイドル現場に脚繁く(っても月数回だが)通ってた時分、
百軒店や円山町界隈歩き回ったっけ。
なんでラブホテルばっかなのか
なんでラブホテル街のど真ん中にライブハウスがあるのか
なんでラブホテル街のど真ん中で女子小中高生が歌ってるのか笑
そんなどーでもいいことばかりを考えて
いつも迷路のような坂道(ホントに方向感覚を失う)を歩いてたな。
懐かしい。
この疫病禍もあり
趣味嗜好の変化もあって
もうあの頃のように行くことは無いかもしれない。
渋谷円山町界隈の歴史
街の移り変わり
芸者さん、風俗で働く人々、
殺された女性(自分もかの現場に行ってみたことがある)、
いろんな風景。
当然、
地図アプリとにらめっこしながら読み進めた。
気づいたことは、
とっても狭い範囲の話ってことだ。
歩いた実感があるからよくわかる。
自分の日常の行動範囲で考えれば
毎日渋谷駅から道玄坂円山町通り越して
松濤辺りまで
通勤であっという間に歩く距離。
そんな狭い範囲の世界で
なんと濃密な人間の生き様が
ドロドロ蠢いていることか。
こっちなんか田んぼと畑くらいしかないのに。
都会と田舎との絶対的違いは
こういう「密度」の圧倒的差異だと
そのように思うことがある。
地形や歴史や地図を客観的に語る本ももちろん好きだが、
本書のように
そこに生きる人々の声を
ずかずか分け行って聞き出す語り口もいいものだな。
面白かった。
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