photo独~ホットドッグ大好き~

フォムービー:音楽と写真

カヴァティーナ

2018-11-30 | フォトムービー



■晩年のベートーヴェンが涙しながら書いた至高の旋律

  「自分がこれまで作曲してきた中で、最も感動的な楽章」
 こう語ったというベートーヴェンは、涙しながらこの音楽を作曲したと伝えられます。

 第九以降の後期弦楽四重奏曲である、第13番の第5楽章「カヴァティーナ」は、名旋律の多い
 ベートーヴェンが書いた、最も美しいアダージョのひとつです。
これに比肩するのはおそらく、
 第九の第3楽章ぐらいでしょう。

 「カヴァティーナ」でのベートーヴェンには、それまでのような闘いの姿はありません。
 “苦悩を突き抜けて歓喜へ”といった激しい精神的な奮起や、自分との闘いといった世界を
 越えた、別次元の心境を感じさせます。

 交響曲では描いた理想や理念に徹したベートーヴェンですが、ここでは自らの胸のうちを
 開いて見せているかのようです。

 人生のすべてをあるがままに受け入れ、味わいかみ締めるような趣き。
 そこには祈り、憧憬、希求、孤独、感謝、諦観といった矛盾するような様々な感情が、不思議な
 統一感をもってひとつの音楽の中に集約されています。

 
苦難の多かったベートーヴェンが晩年にたどり着いた至高の境地です。
                                    
(クラシック名曲サウンドライブラリー)
●去年は今年より鮮やかだったそうだ。

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ドビュツシー 輝く

2018-11-15 | フォトムービー

 

水面に映る森羅万象を繊細に描写

 「映像」は全4集からなるピアノ曲および管弦楽曲集です。

 第1集と第2集はピアノ曲で、第3集は「管弦楽のための映像」という名で呼ばれることもあります。
 そして第4集は、生前には発表されなかったピアノ曲集「忘れられた映像」です。

 「映像 第1集」についてドビュッシーは出版社に宛てた手紙で

 「この曲集はよくまとまっていると思います。
  ピアノ音楽の歴史においても、
  シューマンの左あるいはショパンの右に置かれるでしょう。」

 と自信のほどをのぞかせています。

 「水の反映」は「映像」全曲中のトップを飾る曲です。

 リストの「エステ荘の噴水」に影響を受けた曲として、しばしばラヴェルの「水の戯れ」と比較されますが、
 ラヴェルが水そのものの動きを描写したのに対しドビュッシーは、絶えず揺らめき変化する水面の様子を
 描いています。(クラシック名曲サウンドライブラリー)

 ●絶好の洗濯日和。多摩川が輝いていた。
 次回は、200-500mmのレンズで撮ってみたい。

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ロザムンデ

2018-11-15 | フォトムービー

 

■作曲者自身も愛した穏やかな主題

弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」は、
同時期に作曲された第14番「死と乙女」と共に、
シューベルトの代表的な弦楽四重奏曲です。

存命中に出版された唯一の弦楽四重奏曲でもあります。

エキセントリックで劇的な「死と乙女」に対して、
穏やかで歌心に満ちた作風が特徴です。

「ロザムンデ」のタイトルは第2楽章の主題が、
自作の劇付随音楽「キプロスの王女ロザムンデ」の、
第3幕への間奏曲の引用であることに由来します。
この主題を愛したシューベルトは、即興曲Op.142-3でも使っています。

尚、劇としての「ロザムンデ」は初演当初から不評であり、
現在ではまず上演されることがありませんが、
そこに付けられたシューベルトの音楽のみは、
間奏曲や序曲などが今日でも盛んに演奏されています。

演奏は弦楽オーケストラ版です。

(「クラシック名曲サウンドライブラリー」より)


●5月末以来の小山田緑地。運動不足なので2時間くらい歩いた。
 光を通した葉が輝いていた。

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自ら編曲

2018-11-08 | フォトムービー

 

 ■シューマンの妻クララへの想いを込めた情熱的なピアノ曲

ロマン派の代表的な作曲家で、評論家としても知られるシューマンの妻にして、
自身も有能なピアニスト・作曲家であったクララ・シューマン。
彼女とブラームスの関係は、クラシック音楽史上でも特別なロマンスであり、
またその実際の関係性については、多分にミステリアスなところがあります。

シューマン夫妻とブラームスが知り合ったのは、彼がまだ20歳の青年の頃。
無名だったブラームスは、1853年、ドイツ・デュッセルドルフに
シューマンを訪ね、そこで自作を演奏し夫妻を感嘆させました。
ブラームスの才能を見抜いたシューマンは、音楽雑誌でこれを絶賛。
ブラームスは将来有望な若き音楽家として、世に出ることになったのです。

ブラームスにとって14歳年上のクララは、尊敬する師匠シューマンの妻であり、
最初はそうした師弟的な関係の感情しかなかったようです。
しかし、後にシューマンが精神を患い、ライン川に身を投げて自殺を図った頃から、
クララに対するブラームスの感情に変化が見え始めます。
クララと子供たちを守らなければ、という思いが愛情へと変わっていったのです。

ブラームスはクララに宛てた手紙に、溢れんばかりの熱情を綴っています。

『どれほどあなたにお会いしたく思っていることか!どんな物音を聞いても
窓辺に駆け寄ります。あなたのことばかり思い続けているのです。
あなたを思い、あなたのお手紙を読み返し、あなたのお写真を眺めること以外、
何も手につきません。あなたなしにはもうこれ以上耐えられません。
気も狂わんばかりに待ち焦がれている者の悲しみをやわらげてください。』

ブラームスは自らの想いをクララに伝えるべく、自作の弦楽六重奏曲第1番の、
第2楽章をピアノ独奏用に編曲し、クララの41歳の誕生日にプレゼントしました。
それが『主題と変奏 ニ短調 (Theme and Variations, Op.18b)』。
クララと出会ってから7年後の1860年、ブラームス27歳の作品です。

ビオラとチェロを追加した重厚な弦楽六重奏の響きが、
そのままピアノの低音を強調した編曲にも活かされています。
クララに対する熱く深い想いが10分間に封じ込まれているかのようです。

(「クラシック名曲サウンドライブラリー」より抜粋)

元の弦楽6重奏はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=4XXFsv2BB24

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