●お笑い小説「キシダ ショウ(笑)・タイム イン ウクライナ」
<ウクライナはSu-27の代替機、F16が欲しい。だがウクライナ空軍が使いこなすには1年はかかる>
2023年3月20日 キーウ、ウクライナ大統領府。
会議室に2人の男が腰を掛けお茶を飲みながら談笑していた。
ゼレンスキー大統領がウクライナ産のエルダーフラワーティーが注がれたティーカップを口元から手元のソーサーに戻しながら訪ねた。
「ポーランドからのミグ29はもう到着する頃だね」
テーブルをはさんで対面に座って同じティーを飲んでいたキリコ・ブダノフ国防大臣が答えた。彼は元弁護士で前任のレズニコフ国防大臣から1週間ほど前に交代したばかりだった。ブダノフはプーチンと同じスパイ部門出身。「プーチンの戦争」により最適に対抗するためのウクライナ側の人事交代だった。
「ポーランド側の補給整備の支援部門との引継ぎがもうすぐ終了予定です。ミグ29、4機のポーランドから我国の基地への転地配備は近日中に完了します」
「よかった」
「スロバキアからのミグ29、13機の供与の件ですが、クレーバ外相と同行した航空幕僚からの報告では今月末、遅くとも4月初旬には我国への転地配備可能です」
「航空戦力としてはロシアの侵攻前の数を上回ってきたな」
「ミグ29(軽量戦闘機)、Su-25(近接地上攻撃機)、Su-24(大型戦闘爆撃機)合計で3月末頃には130機を上回る予定です」
「嬉しいニュースだが、やはり防空戦闘の要になるSu-27(長距離制空戦闘機)が欲しいな」
「おっしゃる通り、欧米からはHARM(対地レーダサイトミサイル)やJDAM(無誘導爆弾を誘導スマート化するシステム)が供与されていますので、遠距離航空基地から発進できて対ドローンや対空戦闘も可能なSu-27がもっと増えれば、戦局がガラッ変えられるでしょう。残念ながら東欧の反露諸国にはSu-27を保有している国はありませんからね」
「アメリカでのF16の訓練状況は?」
(米国内でF16の訓練を受けるウクライナ空軍パイロット。 YAHOO!JAPANニュース2023.3.6)
「第1陣として、選抜した英語のできるパイロット十数名、補給整備チーム数十名が米アリゾナのルーク空軍基地で訓練プログラム・整備補給プログラムを受けています」
「訓練を終えてウクライナで戦闘任務にいつ付ける?」
「アビオニクス(搭載電子機器)がロシア機と設計思想が違いますので、習熟には少なくとも半年はかかります。第一陣が教官となって、我国空軍のパイロット・整備等支援部門への普及浸透には少なくとも1年はかかるでしょう」
「そうかあ。やはり今すぐは無理か」残念そうにため息をつくゼレンスキー大統領。
<岸田来訪に期待が膨らむウクライナ>
「明日の日本からのキシダ首相の訪問が楽しみですね」ブダノフ国防相が期待を膨らませた。
「日本はアメリカからトマホーク400発購入すると聞いている。100発ほど供与してくれないかな」ゼレンスキーも日本からの武器供与の期待をにじませた。
(時代遅れのトマホーク400発購入。日本経済新聞2023.2.27)
「でも日本は、武器供与は法的にできないのでしょう」
「もちろんそうだ。冗談で言っただけだよ。ただトマホークはそれほど期待するほどの効果もない。日本が購入するトマホークは新型ミサイルではない。ロシアのキンジャールのような極超音速でもないので携帯型スティンガーミサイルでも迎撃可能だそうだ。弾頭量も1千ポンドで鉄筋コンクリートの建物に穴を開けることはできても破壊するには数発を撃ち込まないといけない。シリア紛争の時は100発近くを1つの標的に打ち込んで破壊したと聞いている。また移動目標は攻撃できない。まあ、あればましというしろものだ」
「ではキシダ首相はどんな供与をしてくれるのでしょうね」
「日本にはトヨタ、ホンダなどがある。自動車王国だ。救急車両や移動に便利な運搬車両を数百両とか供与してくれるのではないか」
「それだと大いに助かりますね」
<キシダ ショウ(笑)・タイム>
ウクライナ大統領府 迎賓室。
「キシダ首相閣下、遠路ようこそウクライナへおいでくださいました。さ、どうぞお掛けください」
「ありがとうございます」
期待に胸が膨らむゼレンスキー大統領。
一方、ビックリ・プレゼントに絶対の自信を持っているキシダは笑顔のドヤ顔。
第一に地元広島のピーアールになり、これからの地方選にもプラスになる。5月開催のG7サミットの会場でもあり、世界の関心を広島に向けられる。第二に金がかからないプレゼントである。第三に「必勝しゃもじ」の意味、「ロシアをメシ捕る」を説明し理解してもらえれば、「キシダは粋でシャレているプレゼントをした」と世界的に評価報道されるだろう。
一石三鳥である。官僚どもの発想からは絶対に出てこない。人の意見を聞かないキシダが独断で決めた自慢のプレゼントである。
外交辞令の応答が済んだところで、キシダが言った。
「ゼレンスキー大統領閣下。実は帰国にプレゼントを持ってまいりました」ドヤ顔のニヤニヤを満面に浮かべて。
「ほう、何でしょう」
キシダが随伴した首相補佐官に合図した。補佐官が「うまい棒」と書かれたダンボール箱を抱えてテーブルにやってきた。ダンボール箱を開け、しゃもじをキシダに渡した。キシダはしゃもじを両手で持ち、テーブルの上でゼレンスキー大統領に差し出した。
「?」キョトンと戸惑うゼレンスキー大統領。なんだろう?食器のようだが、意味不明の漢字「宮島 祈願 必勝」が書かれてある。もしかしたらジョークか?
(計算されたウクライナ訪問だったが、しかしWBCまでは計算外!ニュースライブ正義のミカタ2023.3.25)
キシダはニコニコ顔で地元・広島の必勝しゃもじについて、ゼレンスキーに説明し始めた。
通訳の説明を聞くうちにゼレンスキーの顔がこわばり始めた。ジョークではないようだ。自分でもそのことに気づいたゼレンスキーは、努めて笑顔を見せようと内心奮闘した。笑顔で頷きながら、こいつ、頭のネジが緩んでいるのじゃないか、本当に日本の最高責任者なのか、早く終わってくれとキシダの非常識に怒りが沸き上がるのを必死で堪えた。
キシダの説明が終わった。笑顔のキシダから「キシダのシャモジ」を受け取ったゼレンスキーも、笑顔で答えた。
「素晴らしい贈り物をいただきありがとうございます!」
ゼレンスキーは右手にしゃもじを持ち換え、左手を岸田に差し出して握手をした。
岸田も左手を出して握手を返した。ニコニコと違和感も感じていない様子だ。ゼレンスキーは思った。
「やはりこいつはバカだ。外交儀礼も理解していない」と心の中で呟いた。左手の握手は、相手への不信、敵意を示し、不浄の手の握手としてマナー違反なのだ。
<ウクライナはSu-27の代替機、F16が欲しい。だがウクライナ空軍が使いこなすには1年はかかる>
2023年3月20日 キーウ、ウクライナ大統領府。
会議室に2人の男が腰を掛けお茶を飲みながら談笑していた。
ゼレンスキー大統領がウクライナ産のエルダーフラワーティーが注がれたティーカップを口元から手元のソーサーに戻しながら訪ねた。
「ポーランドからのミグ29はもう到着する頃だね」
テーブルをはさんで対面に座って同じティーを飲んでいたキリコ・ブダノフ国防大臣が答えた。彼は元弁護士で前任のレズニコフ国防大臣から1週間ほど前に交代したばかりだった。ブダノフはプーチンと同じスパイ部門出身。「プーチンの戦争」により最適に対抗するためのウクライナ側の人事交代だった。
「ポーランド側の補給整備の支援部門との引継ぎがもうすぐ終了予定です。ミグ29、4機のポーランドから我国の基地への転地配備は近日中に完了します」
「よかった」
「スロバキアからのミグ29、13機の供与の件ですが、クレーバ外相と同行した航空幕僚からの報告では今月末、遅くとも4月初旬には我国への転地配備可能です」
「航空戦力としてはロシアの侵攻前の数を上回ってきたな」
「ミグ29(軽量戦闘機)、Su-25(近接地上攻撃機)、Su-24(大型戦闘爆撃機)合計で3月末頃には130機を上回る予定です」
「嬉しいニュースだが、やはり防空戦闘の要になるSu-27(長距離制空戦闘機)が欲しいな」
「おっしゃる通り、欧米からはHARM(対地レーダサイトミサイル)やJDAM(無誘導爆弾を誘導スマート化するシステム)が供与されていますので、遠距離航空基地から発進できて対ドローンや対空戦闘も可能なSu-27がもっと増えれば、戦局がガラッ変えられるでしょう。残念ながら東欧の反露諸国にはSu-27を保有している国はありませんからね」
「アメリカでのF16の訓練状況は?」
(米国内でF16の訓練を受けるウクライナ空軍パイロット。 YAHOO!JAPANニュース2023.3.6)
「第1陣として、選抜した英語のできるパイロット十数名、補給整備チーム数十名が米アリゾナのルーク空軍基地で訓練プログラム・整備補給プログラムを受けています」
「訓練を終えてウクライナで戦闘任務にいつ付ける?」
「アビオニクス(搭載電子機器)がロシア機と設計思想が違いますので、習熟には少なくとも半年はかかります。第一陣が教官となって、我国空軍のパイロット・整備等支援部門への普及浸透には少なくとも1年はかかるでしょう」
「そうかあ。やはり今すぐは無理か」残念そうにため息をつくゼレンスキー大統領。
<岸田来訪に期待が膨らむウクライナ>
「明日の日本からのキシダ首相の訪問が楽しみですね」ブダノフ国防相が期待を膨らませた。
「日本はアメリカからトマホーク400発購入すると聞いている。100発ほど供与してくれないかな」ゼレンスキーも日本からの武器供与の期待をにじませた。
(時代遅れのトマホーク400発購入。日本経済新聞2023.2.27)
「でも日本は、武器供与は法的にできないのでしょう」
「もちろんそうだ。冗談で言っただけだよ。ただトマホークはそれほど期待するほどの効果もない。日本が購入するトマホークは新型ミサイルではない。ロシアのキンジャールのような極超音速でもないので携帯型スティンガーミサイルでも迎撃可能だそうだ。弾頭量も1千ポンドで鉄筋コンクリートの建物に穴を開けることはできても破壊するには数発を撃ち込まないといけない。シリア紛争の時は100発近くを1つの標的に打ち込んで破壊したと聞いている。また移動目標は攻撃できない。まあ、あればましというしろものだ」
「ではキシダ首相はどんな供与をしてくれるのでしょうね」
「日本にはトヨタ、ホンダなどがある。自動車王国だ。救急車両や移動に便利な運搬車両を数百両とか供与してくれるのではないか」
「それだと大いに助かりますね」
<キシダ ショウ(笑)・タイム>
ウクライナ大統領府 迎賓室。
「キシダ首相閣下、遠路ようこそウクライナへおいでくださいました。さ、どうぞお掛けください」
「ありがとうございます」
期待に胸が膨らむゼレンスキー大統領。
一方、ビックリ・プレゼントに絶対の自信を持っているキシダは笑顔のドヤ顔。
第一に地元広島のピーアールになり、これからの地方選にもプラスになる。5月開催のG7サミットの会場でもあり、世界の関心を広島に向けられる。第二に金がかからないプレゼントである。第三に「必勝しゃもじ」の意味、「ロシアをメシ捕る」を説明し理解してもらえれば、「キシダは粋でシャレているプレゼントをした」と世界的に評価報道されるだろう。
一石三鳥である。官僚どもの発想からは絶対に出てこない。人の意見を聞かないキシダが独断で決めた自慢のプレゼントである。
外交辞令の応答が済んだところで、キシダが言った。
「ゼレンスキー大統領閣下。実は帰国にプレゼントを持ってまいりました」ドヤ顔のニヤニヤを満面に浮かべて。
「ほう、何でしょう」
キシダが随伴した首相補佐官に合図した。補佐官が「うまい棒」と書かれたダンボール箱を抱えてテーブルにやってきた。ダンボール箱を開け、しゃもじをキシダに渡した。キシダはしゃもじを両手で持ち、テーブルの上でゼレンスキー大統領に差し出した。
「?」キョトンと戸惑うゼレンスキー大統領。なんだろう?食器のようだが、意味不明の漢字「宮島 祈願 必勝」が書かれてある。もしかしたらジョークか?
(計算されたウクライナ訪問だったが、しかしWBCまでは計算外!ニュースライブ正義のミカタ2023.3.25)
キシダはニコニコ顔で地元・広島の必勝しゃもじについて、ゼレンスキーに説明し始めた。
通訳の説明を聞くうちにゼレンスキーの顔がこわばり始めた。ジョークではないようだ。自分でもそのことに気づいたゼレンスキーは、努めて笑顔を見せようと内心奮闘した。笑顔で頷きながら、こいつ、頭のネジが緩んでいるのじゃないか、本当に日本の最高責任者なのか、早く終わってくれとキシダの非常識に怒りが沸き上がるのを必死で堪えた。
キシダの説明が終わった。笑顔のキシダから「キシダのシャモジ」を受け取ったゼレンスキーも、笑顔で答えた。
「素晴らしい贈り物をいただきありがとうございます!」
ゼレンスキーは右手にしゃもじを持ち換え、左手を岸田に差し出して握手をした。
岸田も左手を出して握手を返した。ニコニコと違和感も感じていない様子だ。ゼレンスキーは思った。
「やはりこいつはバカだ。外交儀礼も理解していない」と心の中で呟いた。左手の握手は、相手への不信、敵意を示し、不浄の手の握手としてマナー違反なのだ。