20年ほど昔よく行っていたお店があった。週に一度はそこでご飯を食べていたお店。
当時組んでいたバンドの練習スタジオに近くて深夜まで開いていたので、練習の後バンドのメンバーとミーティングを兼ねて必ずその店に行っていた。店のご主人はあまり素行のよろしくないような私達が長居しても嫌な顔もせず、時には煮詰まった話の仲裁をしてくれたり、ちょっとサービスしてくれたりと優しい人で、私達もおっちゃん、おっちゃんと言ってなついていた。
ギャルバンだったので時にはそれぞれの彼氏が同席することもあったが、おっちゃんは誰にでも気さくに話しかけてくれて、バンド以外の悩み相談にも乗ってくれたりしていた。
が、突然の閉店。
バンドもメンバーが結婚して抜けたり、色んな事があって解散した。
ある日インターネットで店が当時の場所で名前もメニューも同じように再開していることを知り、連絡のつくメンバーと行ってみた。
店は20年前と全く同じだったけれど、おっちゃんはいなくて店の人は知らない人だった。
ただカウンターもテーブルも椅子も20年前のものがそのままで、程よくクッションのきいた椅子は長居しているとお尻が痛くなるようなカッチカチで、出てきた料理は同じでも味はまったく違うものだった。
少し話を聞きたかったけれど、店の人は注文をとる以外に客と話はしたくないような感じで、言葉少なに食べてそそくさと店を出た。
店を出た後も誰も店の話をすることなく、またお口直しに別の店へ行くこともなくそれぞれ別れて帰途についた。
池波正太郎の著書に『むかしの味』というエッセイがある。読んだ後、出てくる店をメモしていつか行ってみたい店リストを作った。
けれど今、むかしの味を味わえる店はもうあまりないのかもしれない。
店は昔の店ならずのBGM♪As Time Goes By by Herman Hupfeld♪
当時組んでいたバンドの練習スタジオに近くて深夜まで開いていたので、練習の後バンドのメンバーとミーティングを兼ねて必ずその店に行っていた。店のご主人はあまり素行のよろしくないような私達が長居しても嫌な顔もせず、時には煮詰まった話の仲裁をしてくれたり、ちょっとサービスしてくれたりと優しい人で、私達もおっちゃん、おっちゃんと言ってなついていた。
ギャルバンだったので時にはそれぞれの彼氏が同席することもあったが、おっちゃんは誰にでも気さくに話しかけてくれて、バンド以外の悩み相談にも乗ってくれたりしていた。
が、突然の閉店。
バンドもメンバーが結婚して抜けたり、色んな事があって解散した。
ある日インターネットで店が当時の場所で名前もメニューも同じように再開していることを知り、連絡のつくメンバーと行ってみた。
店は20年前と全く同じだったけれど、おっちゃんはいなくて店の人は知らない人だった。
ただカウンターもテーブルも椅子も20年前のものがそのままで、程よくクッションのきいた椅子は長居しているとお尻が痛くなるようなカッチカチで、出てきた料理は同じでも味はまったく違うものだった。
少し話を聞きたかったけれど、店の人は注文をとる以外に客と話はしたくないような感じで、言葉少なに食べてそそくさと店を出た。
店を出た後も誰も店の話をすることなく、またお口直しに別の店へ行くこともなくそれぞれ別れて帰途についた。
池波正太郎の著書に『むかしの味』というエッセイがある。読んだ後、出てくる店をメモしていつか行ってみたい店リストを作った。
けれど今、むかしの味を味わえる店はもうあまりないのかもしれない。
店は昔の店ならずのBGM♪As Time Goes By by Herman Hupfeld♪