駅から会社までの道の途中に大きな金木犀の樹があり、毎年秋には甘い香りとオレンジ色の雪のように散った小さな花が道を埋めて楽しませてくれます。
その金木犀の根元に、いつの頃からか一本の百合が生えてきて、ちょうどお盆の前後に花を咲かせます。
年によっては雨風に打たれてひしゃげたように下を向いて咲いていることもあり、近くの樹に紐をかけて倒れないようにしたこともあるのですが、ある年は誰かがつっかい棒を立ててくれていて、他にも気にかけてくれている人がいるんだナ、と嬉しくなった年もありました。
今年もそろそろ百合が生えて来る頃だなぁと思いながら通りかかると、蕾がふたつついた百合が元気にピンと立っていました。
土日の間に開いてしまうかもしれないなぁと思いつつ、そんな百合に今年初めて名前をつけました。
寅さんのマドンナの中でも最多出演の浅丘ルリ子さん演じるリリーにちなんで、リリー松岡と命名しました。