中野笑理子のブログ

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冥加洞

2014年04月28日 | 日記
週末、一心寺へ法要に行ったら、帰りにお線香と冥加洞というお菓子をいただきました。
とてもお菓子とは思えないそのネーミングとパッケージ。

箱を開けて恐る恐る口に入れると、ニッキの香りの焼き菓子でした。
見た目はクッキーのようですが、決して洋菓子にはない何とも言えない風味。
何というのでしょうか、コーヒーや紅茶と一緒におやつとして気軽につまむなんて、とてもできないような存在感のある味でした。
食むうちに、何とはなしに思慮深い顔になってしまうような気がする。
そしてふと思い出しました。
昔、おばあちゃんの部屋にあった菓子盆のお菓子を。
自分ちだけでなく、友達の家でも、おばあちゃんの部屋には、なぜか必ず蓋付きの菓子盆があって、その中には子供心にもあまり食指の動かないお菓子が入っていました。
蕎麦ボーロや奉天、豆菓子など主に茶色っぽいお菓子が多かった。
密かにババ菓子と呼んでいた、あのお菓子たち。
きっと、今の子供たちにあげたら「いらな~い」と言われそうなお菓子たち。
しかしあんなに硬いお菓子ばかり、歯のないおばあちゃんたちはどうやって食べていたのだろうか。
ちなみに冥加洞の栞には「今も昔も変わることなく浄土往生の法を行じる善男善女に幸あれ、との願いを込めて謹製いたしました」とあり、「風味ゆたかな名菓として、仏事はもとよりご家庭でもご賞味くださいませ」と結ばれています。
気軽に食べることができないのは、やはり善男善女でない、罪深いが故なのでしょうか。

畏れ多い子羊のBGM♪罪と罰 by 椎名林檎♪