遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

樋口真嗣監督『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015年)

2017-04-15 23:54:15 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

「進撃の巨人」予告

2017/4/15

すでにあちこちで感想や評論などを目にしているので、先入観にまみれた状態で見る。

正体不明の食人巨人の群から、生き残った人類が土地を取り戻そうとする話。

原作は途中まで。誰でも巨人になれるようになったあたりくらいまでしか読んでいない。

明らかにiPhneで見るタイプの作品ではなかった。

評判のいい巨人の蹂躙シーンもそこまで興奮せず、大部分の夜のシーンでは画面が小さく暗いので誰が何をやっているのかよくわからない。

ただ、危ない任務中に、男女のイチャイチャがおかしいのはわかる。

それから、ホラー映画っぽい展開になるんだけど、ピクニック中じゃなくて戦場ど真ん中だったので不思議な感じ。

石原さとみは言われているほど悪くない。というか、『シン・ゴジラ』よりいい。

マッドサイエンティストだからあれくらいでいいと思ったけど、それは原作の話なので、映画ではただの眼鏡っ子が騒いでいるだけに見えちゃうのかも。

シキシマがリンゴを齧ってドヤ顔するたびに「料理の鉄人」の加賀丈史と重なって半笑いになってしまう。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN DVD 通常版
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ヴィクター・フレミング監督『風と共に去りぬ』(1939年)

2017-04-15 20:30:53 | DVD・VHS・動画など

2017/4/14

・自分が観た版では前編後編あわせて211分。

・前編でがっつり寝ちゃったので、見返してプラス90分。

・南部アメリカのお嬢様が、南北戦争の混乱を経てどんどんたくましくなっていく話。

・そのお嬢様の名前が、あの有名なスカーレット・オハラ。

・最初から綺麗な服を着て大勢の男連中にチヤホヤされている。

・男にデザートを取りに行かせて、戻ってきたらいらないと言う。

・従妹の恋人に惚れて寝取ろうとする。

・失敗したら、たまたま告白してきた好きでもない男と結婚する。イケ好かない。

・しかし、南北戦争で散々な目にあって無一文で故郷に戻ってきてからは、お金目当てで親しい人の許婚を奪って再婚したり、不法侵入者を撃ち殺したり、商売を始めたり、驚異的な生活力を発揮する。

・性格は悪くても意志が強い。

・おそらく、女が惚れる女の原型。

・一方、恋人を寝取られそうになった従妹メラニーは、病弱で生活力弱め、誰にでも優しく、皆から好かれる。

・ヒロインとは正反対の性格。

・この太陽と月のような二人が、お互いの足りないところを補い合いながら、厳しい生活を生き抜く。

・さらにこの二人を黒人メイドが支える。あんなに体が大きいのに結構身軽というのがいい。

・これら女性チームに比べてメラニーの夫アシュリーがほんとに頼りない。

・典型的な学生時代にだけモテるタイプ。

・スカーレットの意思の強さが悪いほうに出てしまうのか、いくら新しい男が出来ても、従妹の夫であるアシュリーが忘れられない。はっきりと弱点だった。

・まとめると、「性格は悪い。意思は強い。ボンクラ男が弱点」。

・人としてどうかは知らないけど、物語の中心人物としてこんなに頼りになる存在はない。

・作中、一筋縄じゃいかない男も出てくるけど、ヒロインの存在感を脅かすほどじゃなかった。

・締めの「明日は明日の風が吹く」も「そのタイミングで言えるんだ!」と思った。強い。

・不良に惚れる女子高生の気持ちがちょっとわかった。

風と共に去りぬ(前編)/風と共に去りぬ(後編) [宝島シネマパラダイス・2枚組] ()
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劇団なかゆび『45分間』(全国学生演劇祭)

2017-04-15 00:06:56 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:劇団なかゆび『45分間』(全国学生演劇祭)

2017/4/14

あらすじによると、二人のテロリストが立てこもりながら神を自称する話とのこと。

二人芝居だけど、わかりやすい会話があるわけではなく、強いて言えば語りと舞踏の組み合わせ。題材選択が渋い。

わざわざこのジャンルを選んで45分やりきるんだから、相当好き者なんだと思う。

役名は「ムハンマド1(社会的疎外による)」と「ムハンマド2(精神的阻害による)」。

作中にテロリストやイスラム教の要素は、ほとんど感じられず。

若い人が演じると、どうしても宗教というよりは自意識との付き合い方に苦しんでいるのかなという印象になってしまう。

セリフや動きは連続せず、ひとつずつ置いてく感じ。遅いけどテンポは悪くない。

理解するまでの道のりが遠いので、エンタメとは言わないまでも、もうすこしサービスがほしいなと甘えたくなってしまう。

先鋭的な表現なので、演劇祭での観客投票の点数の低さはむしろ勲章になっていると思う。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:神田真直

ムハンマド1(社会的疎外による):神田真直
ムハンマド2(精神的阻害による):綱澤秀晃

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逃避ラン「30分ジョグ」

2017-04-14 11:15:16 | 走メモ

2017/4/14

30分ジョグ

4.94km 30:20 6:08/km

NETFLIXもDVDも観劇三昧も本も、何かを書くのも乗り気ではなかったので、5ヶ月ぶりのジョギング。

目的地も決めず、なんとなく西のほうへ向かう。

15分くらいで折り返したら、帰りのペースがあがってしまい、家の周りをぐるぐるしてしまう。

昨日は散々な天気だったが、さすがに溶けるのは速い。体はそこそこ重いものの、大きなストレスはなかった。

ミズノのシューズが若干きついくらい。

お供はラジオクラウドのたまむすび。笹川友里の淀みない聞き手ぶり。

ただ、諸々の機能がiPhoneに集中しすぎ。

腕時計を紛失したのが痛い。

時間を見るためにiPhoneをウェストポーチから出し入れするのが面倒くさい。

また買いに行かねばならなそう。

※昨日はこんな感じ。まだ地面が凍ってるところあった。

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ウディ・アレン監督『アニー・ホール』(1977年)

2017-04-14 00:15:40 | DVD・VHS・動画など

アニー・ホール (Annie Hall)

2017/4/13

・ウディ・アレン演じるコメディアンが、かつての恋人との思い出を語り倒す話。

・一見、おしゃれな私小説映画。

・監督自らが主演しているのは、きっとそういう風に見てほしいんだと思う。

・ただ、ほんとに私小説扱いしていいかは怪しい。

・彼の語り口は流暢ではないが、リズミカル。

・ずっと聞いていても飽きない。

・実際、ずっと喋っている。

・子供の頃の思い出話にしれっと大人の彼が混ざってみたり、アニメ入れてみたり、映像のほうでもいろんな工夫をしている。

・一番最初のモノローグで、最後に「別れる」と言っているので、二人がどんなにイチャイチャしていても終わりの予感が残る。

・彼女の名前がアニー・ホール。人名。場所ではない。

・精神科に通っていたり、メンタルがちょっと弱め。

・躁鬱もわりと激しい。

・シニカルな物の見方しかできないコメディアンとちょっと不安定な彼女の組み合わせ。

・で、若いころ精神的に不安定な人って、年齢を重ねると安定してくるから、人との距離感も変わってくる。

・そのあたりが二人が合わなくなってしまった、結構大き目の原因なんだと思う。

・俯瞰目線だとそんな感想だけど、仰望してみると、この二人のちょっと泥臭い人間関係がとてもいとおしい。

・泣いたり、笑ったり、迷惑かけたり、かけられたり、人間同士が深く付き合うとこういうことになるぞ、善悪じゃないぞ、理不尽なこともたくさんあるぞというシーンがたくさん詰まっている。

・セックスするタイミングだってままならない。

・それなりに人生経験を積んだ人なら「そうだそうだ」と楽しめるんじゃないだろうか。

・楽しいことも腹の立つことも散々味わって、彼が一回り大きな皮肉屋になったというのも感慨深い。

・理想の恋人とか夫婦ってなんだろうと自然に考えさせられる話。

・見たのは字幕だけど、吹き替え版は羽佐間道夫と小原乃梨子。ロッキーとドロンジョ。とても気になる。

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スタンリー・キューブリック監督『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964年)

2017-04-13 00:27:57 | DVD・VHS・動画など

博士の異常な愛情 予告編

2017/4/12

・タイトルだけ知っていた未見の名作。

・冷戦時代。アメリカの反共原理主義の軍人が、独断でソ連に水爆を落とす話。

・もっとマッドサイエンティストが大暴れする話だと思っていた。コメディだって聞いてたし。

・実際見てみたら、話の根幹はどっしりした会話劇。

・ソ連から奇襲を受けたときの対策として、将軍くらいの地位でも水爆を落とせる仕組みがそれっぽい説得力で説明されている。

・指令を受けた直後の軍人たちのリアクションが生々しくていい。

・暗号をメモ帳と消しゴム付き鉛筆で管理しているような時代に水爆が落とせるんだと思うと、テクノロジーのギャップにハラハラする。

・一人のバカの独断で世界を滅ぼすことができる構造。

・1964年公開の作品なのに、風刺の矛先が全く錆びていない。

・それどころか、トランプ政権になってますます鋭さが増している。

・主体や規模の違いこそあれ、911のテロやら、北朝鮮やら、オウム事件やら、日本人にとってもヒトゴトとは思えない。似たような構造はどこにでもある。

・ことの発端となった暴発将軍が、比喩ではなく、悪い水がどうのこうとトンデモ科学に染まっている。

・ギャグなんだろうけど、言ってることがどこぞの総理大臣夫人と大差なくて笑えない。

・緊急事態に国のトップたちが慌てふためいている様子は、『シン・ゴジラ』前半の雰囲気にかなり似ている。

・その前半で派手に終わった感じなので、むしろ、こっちのほうが完成度は高いかもしれない。

・ソ連が核攻撃の報復として用意していた「皆殺し兵器」が完全にコンピュータで制御されていて、攻撃を受けても解除しようとしても自動的に発動する仕組み。

・1960年代と考えるとあんまり現実感ないけど、AIが発展した近未来なら、むしろ有り得るような気がする。

・リアルなところとチープなところのギャップが楽しい。

・コーラと核ミサイルのシーンで笑う。

・元のラストシーンがイマイチという話が『羅生門』っぽくておもしろい。

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フェデリコ・フェリーニ監督『道』(1954年)

2017-04-12 04:51:21 | DVD・VHS・動画など

2017/4/11

・淀川長治解説付きDVDで見る。

・大道芸人の男ザンパノと、助手の女の子ジェルソミーナが旅を通してそれぞれの孤独と向き合う話。

・ロードムービーつながりで、見た感じが前に見た『ペーパームーン』に似ている。

・ボロッボロのオート三輪がかっこいい。

・雰囲気や展開はだいぶん違う。

・ジェルソミーナの旅のきっかけが、死んだ姉の代わりにザンパノに買われたこと。

・家族の口減らしも兼ねている。

・彼女は頭が良いわけでも特技があるわけでもない。

・そして、可愛いというより愛らしい感じ。

・「アザミ顔のブス」という表現が強い。

・ザンパノの女好き要素は共通しているけど、乱暴だしジェルソミーナに対して愛情がないので、全体的に救いがない。

・時々、彼女がとてもかわいらしい表情や仕草をしているのに、まったく気づかれない。

・特にピエロ演技がかわいい。

・淀川長治が解説で言うほど、始めから頭おかかっただろうか。

・一方、男の一番の芸は「鉄の肺を持つ男」。体にきつめに巻いた鎖を胸の筋肉で引きちぎるというもの。

・地味だけど、ふだん娯楽のない人たちには大ウケ。

・綱渡り芸人イルマッソの明るさに救われる。性格悪いけど。

・やるなと言われることをやらずにはいられない芸人向きと言えば芸人向きの性格なんだと思う。

・結局、ザンパノがこの綱渡り芸人を憎む理由が最後までわからず。鉄砲ってなんだったんだろう。

・何かを見落としているのかな。

・ザンパノの理不尽さの表現だと考えれば、理由は説明しなくてもいいのかも。

・自己評価の低いジェルソミーナは、自分の存在意義を、このどうしようもないザンパノの中に見出そうとしている。

・彼を見捨てなかったのも孤独を共有しようとしたんだと思う。それも切ない。

・「この世の中にあるものは何かの役に立つんだ」も「少しは私のこと好き?」も「彼の様子が変よ」も悲しい。

・サーカステントの片付け方が無駄にアクティブでほほえましい。

※ジェルソミーナとアザミと石ころ

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ロス・アダム、 ロバート・カンナン監督『将軍様、あなたのために映画を撮ります』(2016年)

2017-04-11 13:40:54 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

映画『将軍様、あなたのために映画を撮ります』予告編

2017/4/11

・北朝鮮に拉致され、アメリカに亡命した映画人夫婦と、その関係者の証言を集めたドキュメンタリー。

・主に妻の証言を基にしている。シーンには夫の監督作品の映像も多く使われている。

・映画監督の夫シン・サンオクと女優の妻チェ・ウニ。

・妻のほうは割と優遇されてたものの(拉致の時にはボコボコにされて注射を何本も打たれてたそうだけど)、夫は何度も逃走を企てたせいで何年も独房にいたり、洗脳教育されたりと散々。

・最終的には2年と3ヶ月で17本もの映画を撮らざるを得なかったという。

・韓国では、確かに妻は拉致だが、夫は金に困って望んで北朝鮮に行ったんだと言われていた。

・確かに金には困っていたらしいけど、夫だけそう思われちゃうのはかわいそう。

・実際、北朝鮮ではお金の制約が無くなったという証言もあるから、作り手としては幸せだという考え方もわかる。

・ただ、映画は監督ひとりでつくるものじゃないし、北朝鮮内の狭い社会では、すぐに行き詰ると思う。

・テープに録音されたキム・ジョンイルの肉声もたくさん出てくる。

・いかにも政治家らしい社交的なキム・イルソンに対して、割と内向的で芸術家肌だったというキム・ジョンイル。

・彼らを拉致してきたのも「北朝鮮の映画は愛国ばかりでつまらない」という理由。

・実際、シン監督は北朝鮮で初めて恋愛作品を作ったりもした。

・アメリカに亡命後、会見でシン監督は「自分はプロパガンダに利用された」と言っていた。

・当然、プロパガンダもあったんだろうけど、彼がもっとおもしろい映画を見たかったのも本音なんだろうなと思う。

・拉致はダメだけど。

・彼らが亡命した後も、タイタニックに影響された映画を作ったらしいけど、結局国内のみの配給だったという。

・この夫婦に限らず、香港ではよく人が失踪するという話が地味に怖い。

※予告編では、すごいサスペンスっぽく紹介しているけど、内容はかなり地味です。

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「観劇三昧・2017手のひらフェスティバル」に全力で参加してみた。

2017-04-11 01:07:53 | 報告!

2017/3/3

「観劇三昧・2017手のひらフェスティバル」という企画に、全力で参加してみました。

これは、演劇配信アプリ「観劇三昧」にて、各団体からエントリーされた81作品から、視聴者の投票に基づき、大賞や部門賞を決めようというイベントです。(詳細はコチラ

作品はパソコンやスマートフォンから見ることが出来ます。

 

フェスの応募期間は2/1から2/28まで。期間内で81作品中42作品視聴しました。

フルタイムで働く身としてはギリギリの視聴数でした。

視聴にあたって自分の中でいくつかルールを決めました。

 

「必ず400字程度の感想文を書くこと」

「必ずいずれかの部門賞に投票すること」

「暫定ランキング上位の作品はできるだけ避けること」

「配役がわかるものについてはメモを残す」

 

感想とメモについては、備忘録にしたいのと、ある程度責任感を持って観られるように。

投票は、自分もどちらかというと作品の提供側の人間なので、心構えとして上目線で優劣を語りたくなかったこと。

暫定ランキング上位の作品を避けたのは、イベントトップ画面に上位作品が表示されるので、上位の劇団がより有利になる仕組みだったように感じたからです。 

あ、あと、自分の活動エリアである北海道の2団体はひいきして選びました。

どちらも劇場で見ているし面白いのは知っているので、あえて映像で見ることにためらいはあったんですが、投票もしたかったし、結果、いろいろ発見もあってよかったです。

 
ただ、やはり他エリアの未知の強豪団体とたくさん出会えたのは刺激的でした。

過去作を見たことがあるのはたった5団体(yhs intro 宮川サキ一人芝居 笑いの内閣 シアターモンゴルカンパニー)。ライブだと3団体のみ。

全体の1割程度。あとはほぼ未知です。

こんなに知らない団体の作品を一度に見たのは初めてです。

しかも、フェスには「団体一推しの作品」が提供されるわけで、どの作品にも必ず見所があります。

自分の立ち位置を客観的に見られたのも重要なことでした。

 

各作品の上演時期は2007年~2016年、短い作品は20分、長いものだと2時間34分と、同じレギュレーションで比べるのは完全に無理があるんですが、こんなに幅広い作品を横一列に比べられるのもWEB配信ならでは。

一方で、集中力は劇場で見るより20%くらい減。

どうしても自宅で古いノートPCで見るとなると、作品だけに集中しにくい環境になってしまいます。

視聴から感想文を書くまでそう何時間もかけられないので見返すにも限界がありました。

 

こういうことを書いておいてなんなんですが、せっかくここまで観てきたのだから、自分なりのアカデミー賞をやりたいと思います。 

観ていない有力作品も多いし、自分でも「おまえごときが」という気持ちはありますが、この一ヶ月間で費やした時間に免じてお許しいただきたいです。

 

…とここまで書いたのが3月のはじめ。

 

それから、いろいろそれっぽいことを書いてみたものの、書けば書くほど、「お前は何様だ」という気持ちに押しつぶされてしまって、すっかり日にちがたってしまいました。

面白かった作品だから、別に悪口書くわけでもないのに、選ぶ行為だけでここまでしんどいとは。

 

このフェスでは、<芸術賞><エンタメ賞><笑える賞><感動賞><観劇ビギナー賞>の5つの部門賞がありました。

そもそも、芸術とは、エンタメとは、感動とはなんだ。

そんな大それた概念の定義付けから始めなきゃいけないのか。

 

作品ごとに、いずれかの賞を当てはめるのは難しくなくても、部門ごとに作品を選ぶのは大変です。

せっかくここまで見てきたし選びますけど。

でも、ひとつずつ振り返っていると時間がかかりすぎるので、作品名だけでカンベンしてください。

 

<芸術賞>

時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』

劇団 壱劇屋『SQUARE AREA』 

芸術的な評価とは、斬新さとか秩序とかそういうことだと思います。

 

<エンタメ賞>

ゲキバカ『0号(2014.ver)』

パノラマ堂『怪人坂の少女と、少女館の怪人』

見ている間、ずっと楽しく、退屈しない作品です。

 

<笑える賞>

オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3~曖昧模糊~』

そのまんま、生理反応としてよく笑える作品です。

 

<感動賞>

匿名劇壇『二時間に及ぶ交渉の末』

笑いの内閣『名誉男性鈴子』

劇団ZTON『ティル・ナ・ノーグ ~太陽の系譜~』

実際は「泣ける」という意図なんだと思いますが、自分は作品を見て泣く感覚がよくわからないので、こういう本を書いてみたいという「憧れ」で代替しました。

 

<観劇ビギナー賞>

宮川サキ一人芝居『モダンtimes』

匿名劇壇『二時間に及ぶ交渉の末』

ほとんど現地で観劇したことのないので、「観劇三昧のビギナー」に最初にオススメしたい、時間短めの作品です。

 

大賞とかそういう大それた選出はなしです。上に書いている作品全部大賞です。

書いてない作品もおおむね大賞です。


まとめ。

もちろん、演劇は劇場で見るのが一番。

作り手は劇場で見たときに一番面白くなるように作るものだからです。 

しかし、「どんなにたくさん動画を見ようが一度の観劇体験に及ばない」というのも極端な話。

利用できるものは何でも利用して自分の創作に活かすのが本筋だと思います。

今、観劇三昧では600作品くらい見られるはずです。自分がこの期間で見た42作品なんて1割にもなりません。

たくさん見ればいいというものではありませんが、今後も色んな刺激をいただきたいと思います。

ちなみに、観劇三昧で特におもしろいのは、劇評の可能性が広がることだと思っています。

批評は、受け手が共通のテキストを持っていないと成立しないものです。

ライブである演劇は、見た人ごとに異なるテキストが残ります。

同じ演目の同じ回を観ていても、座席によって印象が変わることは珍しくありません。

この再現性のなさが演劇の面白さであると同時に、批評の敵でもあります。

だから、どうしても劇評というと印象論やポエム風の文章、知識の羅列になりやすい。

しかし、観劇三昧なら、誰でもほぼ共通のテキストで論じられます。

これはとても面白いことだと思います。

きちんとした劇評が書ける人が増えれば、演劇というジャンルがもっと豊かになるはずです。

自分も少しでもマシな感想文が書けるようにがんばります。

今後もよろしければお付き合いください。

 

おわり

 

観劇三昧:感想文一覧

 

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劇団マシカク『自憂空間』(全国学生演劇祭)

2017-04-10 01:19:09 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:劇団マシカク『自憂空間』(全国学生演劇祭)

2017/4/9

ルームシェアしている三人組のそれぞれに抱えている秘密が明らかになっていく話。

ほぼ、トリオコント。途中、結構長い尺を使った漫才コントもある。

衣装も色分けしてそれっぽくしている。

ルームシェアと言っても、二人が一人にたかっているような関係。

家賃の滞納は許されても、彼女を作るのは許さないという非生産的な掟。

今どき同性愛のこと茶化すのは注意したほうがいい。

何でもやるって言ったからには、キスぐらいさせてやればいいのに。

親友なんだからあんなに露骨に嫌がんなくても。

全体的にやりたいことを堂々とやっていて現場が楽しそう。

ちょいちょい聞き取れないセリフがあった。

客席はよく沸いていていたので、現場で見るともっと面白いのかも。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:中西一斗

配役:
かずちゃん:中西一斗
ようちゃん:玉木葉輔
たけちゃん:岸川丈流

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