カサブランカ Casablanca 1942
2017/4/20
・カサブランカの賭場のオーナーが、元恋人とその夫をナチスから逃がしてあげる話。
・1942年公開。アメリカは日本と太平洋戦争をやりながら、こんなおしゃれな映画を作る余裕があったのか。
・wikiを見ると、反ドイツのプロパガンダ映画とある。
・それにしてはおしゃれすぎやしないか。
・今となっては当時のドイツが悪役でも違和感はない。
・70年以上前の作品なのに、絵に安っぽさがない。
・特に酒場の客と楽団。賑やか。
・ナチス勢力下、パリからアメリカに逃げるためには、パリ→マルセイユ→オラン→カサブランカ→リスボン→アメリカという経路をたどらなくてはいけない。
・舞台はその中のカサブランカ。フランス領で親ドイツ。ドイツ人が幅を利かせているけど、なんでもできるわけではない。治安は悪い。
・微妙なパワーバランスで成立する各々の駆け引き。
・でも、結局は男が昔の女のために体を張る物語だった。
・「君の瞳に乾杯(Here's looking at you, kid.)」が、ギャグにならず、絵になる世界。
・そのセリフを繰り返すことでしっかり盛り上げていく構成。
・「昨日の夜はなにしてたの?」「そんな昔のことは覚えていない」「明日の夜は空いてる?」「そんな未来のことはわからない」とかも。
・元恋人はイングリット・バーグマン。いい歳した男達が体を張るだけの説得力を持っている美人。
・主人公のオーナーは、ハンフリー・ボガード。一見無慈悲な現実主義に見えて情に厚い。男前の鑑。
・ギャルソンや演奏家にもはっきり慕われている。
・でも、イカサマはわりとあからさま。
・もし、あれが美人の若奥様じゃなくて、不細工な中年男性でも助けたんだろうかと、うっかり考えてしまう。
・たぶん助けないんだろうけど、もともと聖人君主というわけじゃないし仕方ないか。
・あと、口では風任せとか言いながら、わりと露骨に身の安全より友情を取ったルソー署長がおいしい。
・大声で違法賭博はダメだと言いながら、取り分をしっかり受け取るところがかわいい。
・高級サインペンみたいな筆記具がちょっと気になる。