中国のダムは水を貯め、その後、非自然の放水で川の水位を人工的に変えている。下流域の水位が異常に変動する時、魚類の回遊、農業、交通に長期的な影響を与える。深刻な干ばつにより、メコン川は低水準まで落ち込み、川沿いに住む農民や漁師に影響を及ぼしている。(Photo credit should read HOANG DINH NAM/AFP via Getty Images)
今夏、中国がメコン川上流に建設した一連の大規模ダムは、下流域の深刻な干ばつを悪化させた。専門家は、中国共産党(中共)の建設したダムは過去数十年にわたって事実上の武器となり、東南アジアにおける権益を追求する一方で、生態系や暮らしに深刻な損害と脅威を与えてきたと考えている。
チベット高原を源とするメコン川は、全長約2900マイル(約4800キロメートル)にわたる。その上流は中国南西部を1300マイル(約2092キロメートル)にわたって蛇行し、中国では瀾滄江(らんそうこう)と呼ばれている。
この壮大な河川は中国だけでなく、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの東南アジアの5か国を横断して流れ、何百万もの人々の生命線となっている。
ブライアン・エレ博士は、米国シンクタンク「スティムソンセンター」の東南アジアプログラムの上席研究員であり、「メコン川ダム観測プロジェクト」の担当者でもある。彼は、リモートセンシング、衛星画像、地理情報システム分析、ソーシャルメディアを活用して、メコン上流に存在するダムの影響を、メコン地域の社会や政府に伝えるプロジェクトを共同で推進している。
最近のワシントンD.C.でのイベントの後、エレ博士は「さまざまな気候指標は、メコン川で深刻な干ばつが進行していることを示している」と述べた。また、中国が「雨季に川から水を汲み上げ、乾季にはその水を戻して水力発電に利用することで、干ばつを悪化させている」と指摘した。
- ダムの貯水が干ばつを悪化させている
- 長年の論争
- ダムは土砂を閉じ込め、生態系を破壊する
- 国際条約の無視
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