イタリアでは労働許可や市民権の取得が厳しく制限されるなど、幾つもの要因が重なり、
外国人労働者はいくら能力が高くても、良い職に就くことが非常に難しい。
写真はミラノにあるレストランのキッチンで働く移民。4月26日撮影(2023年 ロイター/Claudia Greco)
[28日 ロイター] – フィリピンで長年、高校の数学教師を務めたマリリン・ネーバーさん(49)は14年前、イタリアに移住してきた。ガリレオやフィボナッチを生んだこの国で、腕に磨きをかけたいとの希望を胸に──。
彼女は今、ローマで家政婦として働いている。いつか「天職」に戻れるという期待は捨てた。「この国は、フィリピンで取った学位や履修課程を認めてくれない。私は専門職に就けない」と語る。
アブヒシェクさん(26)の場合、イタリアで取った学位さえ役に立たない。インドから来た彼はトリノの大学で昨年、機械工学の修士号を取ったが、初級レベルのイタリア語しか話せないため、何件も就職を断られた。今は英語が使えるオランダでエンジニアの職に就いている。
イタリアでは労働許可や市民権の取得が厳しく制限されるなど、幾つもの要因が重なり、外国人労働者はいくら能力が高くても、良い職に就くことが非常に難しい。
大半の西側諸国と異なり、移住者が医師やエンジニア、教師などの専門職に就いているのを見ることはまれだ。経済が慢性的に低迷し、高齢化と人口減少が急ピッチで進むこの国にとっては「警戒信号」だと言える。
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