改正臓器移植法(A案)が7月13日に参院本会議で可決、成立したのですが、14日の記事には児童虐待相談、過去最多(08年度、4万2600件)になったとの記事が……。
臓器移植法(A案)の問題のひとつに「親の虐待による脳死をどう扱うか、虐待証拠の隠滅が懸念される…」ということがあります。
海外では「子どもだけを車に残してちょっと買い物…」というだけで、虐待扱いです。
かたや日本では…
08年4月施行の改正児童虐待防止法で可能になった「臨検」も結局2件どまり…だというのはどういうことでしょう?
「臨検」児童虐待の疑いのある家庭に児童相談所が解錠して強制的に立ち入り調査をするもの
児童相談所職員によると、孤立感で引きこもる親子には強制的な立ち入りが心理的な傷になる場合もあるので工夫が必要とのこと。
でも…
A案を通すのであれば、こういう問題も一緒に考える必要があるのではないかと思った次第です。
お医者さん自身が、虐待かどうかを含め、子どもの脳死判定はとても難しいと言っているのですからなおさらです。
2日並んで、こういう記事が出てきたことに、お役所の縦割り的な考えが横に広がらないのを如実にあらわしていると思う気がしてなりません。
脳死を「人の死」とすることを前提に臓器提供の年齢制限を撤廃する改正臓器移植法(A案)が13日、参院本会議で可決、成立したことを受けて、厚生労働省は、15歳未満の脳死判定基準や臓器提供の意思表示方法などの検討に着手する。
A案の参院本会議採決は、賛成138、反対82、棄権・欠席20。共産党を除く各党は採決で党議拘束をかけなかったが、自民、公明、国民新、改革クラブは賛成が多数を占め、自民党では82・7%(67人)に上った。これに対し、民主党は賛成が42・6%(46人)だった。
改正法の成立により、1997年成立の現行法下では禁じられている15歳未満からの臓器提供に道を開くことになる。現行の脳死判定基準は6歳以上が対象で、6歳未満については、2000年に公表された旧厚生省研究班の基準案がある。厚労省は新たな研究班を近く発足させ、この基準の妥当性を検討するほか、6歳以上15歳未満の脳死判定基準が現行法の基準でよいかどうかも検証する。
また改正法は本人が拒否しなければ、家族の同意で臓器提供が可能になるため、厚労省は拒否の意思を把握する仕組みも検討する。小児の意思表示をどのように取り扱っていくかも、1年後の改正法施行までに詰める方針だ。
(2009年7月14日 読売新聞)児童虐待相談、過去最多に=08年度、4万2600件-厚労省調査
全国197カ所の児童相談所が受けた2008年度の児童虐待の相談件数(速報値)が、前年度比5.0%増の4万2662件に達し、調査を開始した1990年度以降、18年連続で過去最多を更新したことが14日、厚生労働省の調査で分かった。同省は「虐待自体が増えているかは不明で、虐待への認識の高まりが増加につながっているのではないか」としている。
都道府県・都市別で多かったのは、東京都が3229件、大阪府2955件、神奈川県2523件など。
08年4月施行の改正児童虐待防止法で可能になった、児童虐待の疑いのある家庭に児童相談所が解錠して強制的に立ち入り調査をする「臨検」は1年間で2自治体で2件(延べ対象児童4人)実施。その前段階となる、都道府県知事による親への出頭要求は14自治体で28件(同48人)だった。立ち入り調査による児童の死亡確認も1件あった。(2009/07/14-13:18)
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