「おおしたさん」のブログです

2005年6月に始めたこのブログ、鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

治療のストーリー

2010年06月06日 | 東洋医学、東洋思想

患者さんの全体像を観察するためには、より立体的な診察が必要だと思います。

そのためにはするためには「過去→未来」へと続く時間軸をも考慮する必要があります。

立体的に診察するということ
2010年06月05日 | 東洋医学、東洋思想

そこで最近気をつけている「治療のストーリー」作り…

治療方針を決める時、ただ決めるのではなく、どうなっていくのが正しいのかを考えることもとても大切、過去~現在~未来のすべてを包括して治療を組みたれるかどうか、そういうことも考えて治療にあたっています(なかなか難しいですが)。

 

私は経絡治療という治療法を治療の幹にしています。

なぜ症状が長引いているのか、陰陽の思想や五行の思想を絡めて考えると、とてもわかりやすいので、治療の組み立てはこの治療法を使っています。


東洋思想と絡めて医学を構築した先達は本当にすごいです。  

人のこの複雑な身体を陰陽や五行の思想で観察すると、とてもシンプルに捉えることができます。


立ち戻る場所を設定しながら方針を立てる

当たり前ですが、東洋医学では証を立てる(治療方針を決める)作業を大切にしています。

その作業の途中、どうしてその証になったかの決め手を毎回おさえておかないと、ゴチャゴチャして分からなくなる事が多々あります。

ですから治療が行き詰った場合、違う方向にいく場合をいつも想定して、絶えず立ち戻るポイントを設定しながら治療を行うようにしています。

そのためには現在目の前にしている患者さんの過去から未来を想定する事が治療効果を判定するための重要な要素になるわけです。


この時、脉診だけですべてが分かればすごいことですが、実は脉診が上手な先生ほど脉診だけに頼っておらず、脉診以前の望診、問診、切診時に証を決めているような気がします。

その各々の診断の中で、いつも立ち返るポイントを設定して、治療に当たっているようです。

だから治療の方向性を見失うことなく次につなげることができるのかと思っています。

 

どうしてそうなっているのかを踏まえてのシナリオ作りが、治療のストーリに欠かせません。 

もしも間違いがあれば、そのポイントにフィードバックし、もう一度治療方針を組みなおす事ができる治療… 

流れ作業的に鍼を打つ所もあるようですが、十人十色、一人一人に気持ちをこめて治療したいと思った時、経絡治療を学んでつくづくよかったと思う今日この頃です。


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