6月11日
さて本日より芒種次侯の「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」(2023年:6月11日~6月15日)ですね。
季節は仲夏(陰暦五月の異名です)。
腐草為蛍は「腐った草が蒸れて蛍になる」という意味だそうです。
本日より腐草為螢、この蛍の字を見てインドでの出来事を思い出した。まだバラナシーやカルカッタでの思い出を書いてないが、ちょう七十二候の話が出たので、この話を先にしたいと思う。
旅も終盤、電車の旅も難なくこなせるほどになっていた。カルカッタに着いたが帰国までには日にちがある。ちょっとどこかに足を伸ばそうかと考えていた矢先に、ドミトリーで知り合った日本人にプリーという街を紹介された。なんでもその街にある日本人が集まるホテルが良いという。地図をみると海も近い。インドに来てまだ海を見ていなかったので、それも良いだろうと行ってみることにした。
旅の初期はガンジャを敬遠していたが、バラナシーでのガンジャラッシー体験がなかなか強烈で、その怖さを早々と知る事となったが、ここはインド、その後も少しばかり嗜むことはあった。プリーを目指した理由も多分そこいら辺にもあったと思うのだが、果たしてどうなのだろう。それ以前にここで大麻の話をしていいものかどうか。時効とはいえいまだに迷ってしまう。
実はプリーでの日々はあまり覚えていない。覚えているのは海が荒々しかった事と、海岸にいた屈強そうなおっちゃんが、強風の中ビディにマッチで火をつけていた事。マジであの風の中でマッチを灯すことができるだなんて、私も練習をしたが無理だったのを覚えている。そして野良犬に追いかけられたのも思い出した。途中他の人を追いかけ始めたので噛まれることはなかったが、一歩間違えたら、と思うと今でもゾッとしてしまう。
そこからカルカッタへ帰る途中、夜行列車から外を眺めていると、木全体がほのかに輝いている。なんだろうと思っていたら、隣に座っていたインド人がその木を指差しインセクトとかなんとか言って、ホタルなのだと気がついた。あれは本当に幻想的だった。列車から眺める蛍の群れ、多分相当な数の蛍に圧倒されたのを覚えている。
シナモンだか香辛料だかが入っている不思議な味のチャイとビディという細っこいタバコ、それが朝の定番となっていた。そういえばインド人はマッチを器用に点ける。手のひらを丸めて風よけにし、その中でマッチを擦って火をつけるので、暴風下でもタバコに火を点ける事のできる猛者がいた。それを真似て練習したのだが、結局最後まで強風下ではマッチに火を点ける事はできなかった。
郷にいれば郷に従え、地球の歩き方か何かでインドでのトイレ事情はいやと言うほど学んでいた。だから左手に水を溜めて、お尻を洗うことには最初から抵抗はなかった。お尻もまあ自然に乾くし、途中からルンギにしていたので自然乾燥だけで十分だったように思う。
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