フランスの合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の≒数)は 2.005 (06年)
これは政府主導の少子化対策のたまもの。
厚生労働省がフランスの少子化対策を日本にそのまま導入した場合について試算しました。
すると
「10兆6000億円程度の予算が必要である」とのこと…
これは、日本の少子化対策予算(03年)、約3兆7000億円のおよそ3倍に当たる数字。
ちなみに、フランスの少子化対策予算(03年)は、円換算で約7兆1317億円。
フランスでは、こうした政策によって、1990年代半ばに1.65程度だった出生率が、06年(暫定値)には2.0を超えるまでに上昇しました。
確かにフランスの子育て支援の充実度はすごすぎです!!
少し羅列してみると…
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3歳児まで児童手当が月額23,000円。
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家族手当が子ども2人で月額約16,000円。一人増すごとに約二万円の加算。20歳まで支給。16歳以上になると増額される。
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出産手当や父子・母子家庭への手当。
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新学期手当は毎年30,000円。
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授業料は公立の場合、幼稚園から大学まで必要ない。
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妊婦検診や不妊治療は健康保険適用。出産費用は無料。
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家事代行業者の派遣費まで補助できる場合あり。
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国鉄の割引や公共施設の入場料免除。
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託児施設やベビーシッター利用補助制度の充実。
ただ……フランスって…子供を産まない女性に対する社会の風当たりが強いって話も聞きます。
もともとフランスは女性差別が根強いということも聞いたことがあるけど、この辺りの意見もブログ等で探しているところです。
少し前に、フランスで政府の新しい雇用政策に反対する学生デモの風景をテレビで見た記憶があります。
これだけ企業が在職者に優遇措置をすれば、新規雇用は滞ってしまうかも…。
フランスの子育て支援政策の負の面も知りたいと思っているところです。
だけど……
子育て最中の我が家としてはやはり羨ましいなぁ…!!
それはさておき…日本は……少子化対策にどう取り組んでいこうというのか……楽しみにしてます。
…以下に本文…
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少子化対策、フランス並みだと10兆6千億円必要
2007年04月10日09時55分
少子化対策先進国のフランス並みに家族への経済支援を行えば、日本では10兆6000億円が必要になることが9日、厚生労働省の試算で分かった。財源が税や保険料などの政策をすべて含め、日本では3兆7000億円(03年)で、その3倍近くにのぼる。費用の規模や効果的な少子化対策について議論を呼び起こしそうだ。
11日開かれる「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議の分科会に報告する。
フランスが03年に養育費や保育料補助などの家族政策に支出した費用は、約480億ユーロ(約7兆1000億円)。これを日本の人口規模に換算すると、家族手当(児童手当など)4兆円、出産・育児休業関係1兆1000億円、保育・就学前教育4兆1000億円などとなる。
ただし、フランスの場合は賃金の5.4%にあたる社会保険料を企業が負担し、それがすべて家族政策にあてられるなど、日本と比べて企業負担が大きい。
給付の内容も、フランスは児童手当など現金給付の割合が日本より低く、保育サービスなどの現物給付が充実している。今回の試算は給付のあり方や、企業負担を含めた財源論に影響するとみられる。
フランスは90年代半ばに合計特殊出生率が1.7を下回ったが、その後は急回復し、06年に2.0と欧州1位になった。フランスの経験を参考にしようと、今回初めて試算した。
民族によって結構違う気がします。
特に、異常値といって良いほど低いのが、
日本と韓国です。
日本と韓国がどうして出生率が急減したか、、
『世継ぎ』的な考え方が強く、
子供は男子の方が喜ばれる傾向があり、
それは、日本では、地方ほど高まります。
日本の出生率を地域別に見ると
東京 1.0
関東近県、大阪ならびに関西圏 1.2
その他 1.4~1.6
というような具合です。
なぜ、東京がこんなにも低いかというと、
この世継ぎを生まなきゃ、親に子供を作れと
言われる抑圧からの開放で反動が出た、
というような仮説もあるのではと思います。
(韓国がそんな風に言われているというのも
ありますけれど)
東京は費用が高い、というのもありますが、
費用が高いところで生活していけている夫婦です
から(収入面での差があるから)
子育てにかかる費用とばかりはいっていられない、
と思うのですよね。
これは、あくまで、仮説ですけれど、
東京の出生率が低い原因を突き止め、
これを解決しないと、お話にならないと思います。
きっちり原因調査を行い、
それを解決するための策を他国の成功例を当てにせず、
実施しないと、絶対に解決しないと思います。
(大体、1を割るということ自体、異常事態、
というか、フランスの状況とはまったく違うのです)
そのためには、何よりも、現状認識が必要で、
その認識から、施策を定め、きっちりと目標を定めて
推進していかないと、だめですよ。
10兆円をフランスのまねをして投じるのも結構ですが
しっかり目標を定めないと、どぶに金を捨てることに
なります。
ただでさえ、韓国よりも人口ピラミッドの形は
逆三角形になっているわけで。。。
(韓国は日本以上に急に少子化が進んでいるので、
今何とかすれば、一部の期間のみ子供が少ない、
という状況ですみます)
日本の場合は、少子化対策に失敗すると、
ホントに国が滅びそうなくらい。。。
余談ですが、
出生率の目標を定める定めないの議論をしていた
報道があったのはご存知ですか?
確か、1.75を目標にするとか言っていたのですが、
出生率に目標を定めるのは、戦前の産めや何チャラ
という標語を彷彿とさせるから、よくない、
といって、認められなかったそうです。
そんな、甘い認識だから、期待できないですねぇ。
日本の少子化対策なんてそんなもんです。
こと、少子化対策といえば、
政府に期待もできませんが、東京都知事は、
こういう面で、古い頭で頑固ですから、
きっと、少子化対策はさらに期待できない
と思います。
shi-manさん
コメントありがとうございます
チョコチョコ時間を作っては、少子化問題の現状を勉強するようにしているのですが、遅々として進まず……。
フランスと同じ事をしたら……っていう記事をみて、フランスってがんばってるなぁ…って思う反面、あれっ??フランスって移民の問題や、学生雇用の問題、地方との格差っていうのがあるという報道があったのを記憶していて、何でこんなに強く少子化対策ができるのか…不思議になっているので、shi-manさんのコメントとっても参考になります。
>東京の出生率が低い原因を突き止め、これを解決しないと、お話にならないと思います。
>それを解決するための策を他国の成功例を当てにせず、実施しないと、絶対に解決しないと思います。
>東京 1.0(合計特殊出生率)
こんなに低かったのですね。
何事においてもそうですが、「今」を変えられる強い指導者が日本にはいない…!!本当に問題である事だとすれば……もっと強引に考えなきゃいけない事だと思うのですが、経済学者の中にも楽観論者が結構いるみたい…。
少子化対策にお金がかかるとすれば……どこをメインの財源にするのか、どこからお金を調達するのか……。
こういう面倒くさいことが嫌なんだろうなぁ…。
核問題もそうだけど、議論すら許されない問題なんて本当はないはずなのに、少子化問題もどうもうやむやにされている感じがします。
>10兆円をフランスのまねをして投じるのも結構ですがしっかり目標を定めないと、どぶに金を捨てることになります。
私もそう思います。
だからこそ、こういう記事の不の面をさがしているのですが、フランスの場合、「新生児の48.5%は法的に結婚していないカップルの子供」という事…。
結婚していなくてもカップルには税制の優遇措置があるみたいで、ここだけでも頭の固いお役人や某○知事が先頭に立っているような日本には当てはまらないかも…。
>出生率の目標を定める定めないの議論をしていた
報道があったのはご存知ですか?
へ~??そうなんですか?
知りませんでした。
>確か、1.75を目標にするとか言っていたのですが、出生率に目標を定めるのは、戦前の産めや何チャラという標語を彷彿とさせるから、よくない、といって、認められなかったそうです。
なんだか日本らしいですね。すてきです。