創傷治療に関連して……
糖尿病性潰瘍で伝統医学が復活か??
まじっすか~??
ヒル療法は聞いたことがあるけど、ウジ虫療法が存在するなんて……。
ウジ虫というと“きたない”“気持ち悪い”というイメージがあります。
だけど、「無菌ウジ療法(Maggot Debridement Therapy:MDT)」は、潰瘍や壊死した組織をきれいにし、新しい組織の増殖を促す伝統的な治療法 らしいです。
この治療、1930年代にはヨーロッパを中心に世界各地で行われており、当時は100以上もの論文に治療効果が報告されていたようです。
ところでこの無菌ウジ療法(…以下MDT)のやり方ですが、2mmほどの小さなウジ虫数十匹を壊死した患部などに這わせて、死んだ組織をウジ虫に食べさせるというものです。
- 1週間ほどでウジ虫はサナギになるので、その前に取り除く。
- 傷口の回復具合をみながら、何度か新たに小さいウジ虫を置く。
- 3回ほど繰り返すと、傷口が小さくなり、新しい組織が盛り上がってくる。
アメリカでは、治療に用いるクロズキンバエの幼虫が医療用品として正式認可されています。
英国でも、薬剤と同じように治療法として処方できる仕組みが整っているそうです。
驚きです…………
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が進行すると、手足の末端部の血管がもろく硬くなり、しびれや痛み、冷え、歩きにくさなどを感じる閉塞性動脈硬化症(ASO)になることがあります。
放っておくと血管が完全に詰まり、手足の組織が壊死してしまいます。
このような場合、現在の医療技術では、死んだ組織のみを選んで取り除くことは非常に難しいため、手足を切断するしかありませんでした。
これに対し、MDTではウジ虫が 死んだ組織のみを液状に溶かして食べていく ため、順調に新しい組織が増殖し、足を切断せずに済むらしいです。
今年3月に、日本で初めてMDTを行った岡山大学心臓血管外科助手の三井秀也先生によれば、これまで5人の患者に実施し、経過はいずれも良好だということです。
三井氏は、他にこの治療法の利点として、
- 副作用がないこと
- 麻酔も不要であること
を挙げています
さらに
- ウジ虫は殺菌作用を持つ分泌液で傷口を洗浄しながら組織を食べていくため、感染症を防ぐ効果も期待できる
- ウジ虫の分泌する昆虫ホルモンに、傷口の治癒を促進するような作用があるとも指摘されている
いうことないじゃないですか!!!
今のところ、MDTは手足の潰瘍の治療に主に使われていますが、将来的には、高齢者の床ずれや重い”やけど”などにも応用が期待 されているそうです。
うじむし……恐るべし……
小又 理恵子さん=nikkeibp.jp健康より
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