タトゥーを入れているとの理由でM-1グランプリ優勝の漫才師の温泉ロケが中止になったとの報道があった(1)。このような報道を目にするにつけ、タトゥーはいまだに受け入れられていないと痛感する(2)。すでに反社や罪人の象徴的印象は無いと思いたいが、この報道からもわかるように、芸能という煌びやかな仕事でも支障が出るのが日本である。そんないまだに旧態依然の国ななで、タトゥーを入れる時、仕事や結婚まで考える必要がある。
当院にもタトゥーを入れている人が来るが、なぜその柄にしたのかを聞きたくなる事があっても私の興味はそれくらいだ。あまりに奇抜だと驚くと思うが、ファッションの一つくらいで、仮に風呂屋で見かけたとしても特に興味も無く、どうでも良いというのが本音だと思う。しかしこの記事からも分かるように世間はいまだに根強い反発があるのは確かで、子どもが入れたいといったら、それを入れることによる日本での住みづらさは伝えると思う。
日本ではリスクが多すぎるタトゥーだ、それを入れているだけで多くのコミュニティーが拒絶する。そんなコミュニティがあり過ぎるので、入れるにはかなりの逞しさが要求される。他人に強くポピュラリティーを求め、普通から逸脱する人を極端に嫌い排除するこの国だ、入れている人に興味が無いと書いたが、日本人でタトゥーを入れている人の覚悟を実は尊敬したりもする (3)。
もちろん入れたくて入れた、という人だけではないかもしれない。睡眠薬を飲まされ入れられたとか、火傷の痕が気になりその上にタトゥを入れたという場合もあるかもしれない。その理由はファッションだけでは無いと思うので、覚悟というと、ちょっと話が違うかもしれない。
ただ、日本においてタトゥーはいまだに非社会的行為とみなされている(4)。何度も書くが、タトゥーを入れると多くのコミュニティから拒絶される。当然狭い社会から抜け出す事は困難になり、何かをしたいと思った時、思った以上にハードルが高いと感じる事だろう。そのような、現在所属するコミュニティから移動しにくくなるということはあらかじめ知っておいた方が良いとは思う。
『日本でタトゥーはタブーなのか「不快」の声に当事者は』阿部峻介
2018年11月26日 朝日新聞デジタル
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