オバマ氏 平和賞演説 『NPTは米外交の要』
2009年12月11日 東京新聞朝刊
【オスロ=嶋田昭浩】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授賞式が十日午後(日本時間同日夜)、ノルウェーの首都オスロの市庁舎で行われた。オバマ大統領は受賞演説で「戦争は(将来も)起きるが、それでも平和を目指して努力を続ける。それが世界全体の希望であり、われわれの任務だ」と強調。今月一日にアフガニスタンへの米兵三万人増派を発表し、「戦時の大統領」としての平和賞受賞となっただけに、和平に取り組む姿勢を世界に向けてアピールした。
オバマ大統領はアフガン増派などとの関連で受賞に批判があることを踏まえ、「深い感謝とともに謹んでこの栄誉を受ける」と発言。その上で「シュバイツァー博士やキング牧師、マンデラ元南アフリカ大統領ら(過去に同賞を受けた)歴史上の巨人たちに比べれば私が達成したことはわずかでしかない」と述べた。
一方、「武力は人道的な理由で正当化される」と指摘。抑圧から人々を解放し、平和を守るための戦争を擁護した。米軍増派はアフガン情勢の安定化に向けた措置であると主張し、平和賞と「矛盾」しているとの米国内外の批判をかわそうとしたものとみられる。
核廃絶への取り組みでは、来年五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を前にNPTを「外交政策の要」と位置づけ、体制強化に意欲を見せた。
オバマ大統領は四月のプラハ演説で「核なき世界」を目指すとして核廃絶への取り組みを約束。九月の国連総会でも国際協調外交を進める考えを表明し、こうした姿勢が「よりよき未来に向けて人々に希望を与えた」(ノーベル賞委員会)と受賞に結びついた。
しかし、米CNNテレビなどが九日公表した世論調査によると、米国で「受賞に値する」と受け止めている人は19%にすぎない。
オスロでは十日、反戦活動家らが数千人規模の抗議行動を計画。オバマ大統領夫妻のオスロ滞在は二十数時間と短く、恒例行事の一部をキャンセルするため、ノルウェーの世論調査では44%が「失礼だ」と回答している。
この日はスウェーデンのストックホルムでも、物理学賞や化学賞など、平和賞以外のノーベル賞各賞の授賞式が行われた。
昨日オバマ大統領は、ノーベル平和賞を受賞されたそうである。
「武力は人道的な理由で正当化される」と指摘されたそうであるが、
これは日本の広島長崎に原爆を落としたのを、平和をもたらす為に必要だったとするアメリカの立場と、同じ考え方であると思う。
平和をもたらす為に戦うしかないとしたら、弱い方が負けた時にしか、
戦争が終わる時は無いのではないだろうか?
此れは強い者はあくまでも力を押し通し、譲歩は一切しないと言う宣言であり、
平和主義と最も遠い考え方であると思う。
強者の論理に疑問をもつこともなく、平和賞を手にし、
核拡散防止を呼びかけても、
他国に核を捨てさせて、アメリカオンリーの世界にしたいだけなのではないかと疑われる事になって、今核を持っている国々から、核を手放させる事は無理なのではないだろうか?
アメリカは2~3000発の核爆弾を捨てても、まだ何千発もの核爆弾が残るのだから、
余りに多量の核爆弾で維持費が大変だから、減らしたいだけなのだろうと思われてしまう。
維持費を縮小する為の核廃棄のついでに、核拡散防止を呼びかければ、一石二鳥ということなのだろうと言う、疑いをもたれても仕方のない状況を作ってしまうだろう。
元々アフガニスタンに攻め込んだのはアメリカのほうである。
アルカイダを捕まえる為と言うのなら、現地政府に圧力をかけて始末させるのが常識であると思うが、100人かそこらのアルカイダを捕まえる為に何万人もの兵と、大勢を殺す殺傷力を持つ武器を大量に持ち込むなど、論外のやり方であった。
アメリカのアフガニスタン撤退は、相手を薙ぎ倒し尽くすまで終わらせないとしたら、
アメリカにどんな正義が有ると言うのだろう?