足の付け根圧迫、1日1キロ歩けば筋力アップ
足の付け根をベルトで圧迫(加圧)し、1日わずか1キロ・メートルほど歩くだけで、3週間後には足腰の筋力が10%も上昇することが、首都大学東京の安部孝教授(身体運動科学)らの研究でわかった。
高齢者の効率的なトレーニングとして期待できそう。米国応用生理学誌2月号に掲載される。
加圧によるトレーニング法開発者の佐藤義昭氏らとの共同研究で、教授らは大学生18人を2グループに分けた。一方は、足の付け根を幅5センチほどのベルトで圧迫し血流を制限した状態で、もう一方は何も付けずに、休憩をはさみながら10分程度、毎日2回歩いた。歩行は大またで、時速約3キロ・メートルのゆっくりしたペース。3週間後、ベルトを締めたグループの太ももの周囲は2センチ増加。太ももの筋肉量、筋力はそれぞれ6%、10%増加した。
血液を調べると、運動の強度に比例して増える成長ホルモン量が、血液1ミリ・リットル当たり1ナノ・グラムから13ナノ・グラムに上昇。激しいトレーニング後の成長ホルモン量の30ナノ・グラムと比較して極めて効率的であることが確認された。
安部教授は「50歳を超えると足の筋力は若者と比べ30%以上減る。筋力を維持するには、強い負荷をかけて鍛えるのが一般的だが、加圧トレーニングならその必要がない」と話している。
加圧トレーニングの研究をしている、都立大学 安部教授の研究発表です。
この研究のすごいところは、特別な運動をしていないという所です。研究対象は大学生ですが、歩くだけで成果が出るなんて今までの常識では考えられません。
中・高齢者に対しても、同様の効果が認められます。当院でも良い結果が出ています。
少ない負荷で効果が出るのが、加圧トレーニングの一番の特徴です。