野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

林の中でよくみかけるクサイチゴ

2019年05月02日 11時49分24秒 | 
同じイチゴでも、背が低く、地べたにはりついているのがクサイチゴ。
この花は上を向いて開ているので、すぐに目に付く。
このイチゴの実は食べたことがない。
クサイチゴは草のようにみえるキイチゴの意味で、ちゃんとした樹木扱いである。
(2019-04 神奈川県伊勢原市 林間)




クサイチゴ

形態・生態
クサイチゴは背丈が20-60cmと低く、草本のように見えるため、このように呼ばれるが、実際は木本である。生命力は強く、刈っても、根から生えてくる。

全体に短い軟毛が密生し、茎には小さい刺がある。

葉は奇数羽状複葉で、花枝には3小葉、徒長枝には5小葉がつく。頂小葉は卵形または長楕円状卵形、側小葉は卵形、先はとがり、縁には細かい重鋸歯がある。

花期は3-4月。花は白色で、5弁花。花弁は卵円形で、長さは15-20mm。花の中央に雌蕊が多数あり、その周囲にやはり多数の雄蘂を持つ。

果実は大型で赤熟し、食用となり、酸味は少なく、とても甘い味がする。

林にひっそりと咲く清楚なモミジイチゴ

2019年05月02日 07時07分20秒 | 
丹沢の林の中でひっそりと花開いていたモミジイチゴ。
下向きに一輪開くのが清楚な感じで好ましい。
果実はおいしい。つまんで歩くのが、山歩きの楽しみの一つである。
(2019-04 神奈川県秦野市 林間)






モミジイチゴ


モミジイチゴ(紅葉苺、学名:Rubus palmatus var. coptophyllus)とは、バラ科キイチゴ属に分類される植物の一種。東日本に分布。葉がもみじに似ているためこの名がある。黄色い実をつけるため黄苺の別名がある。果実は食用になる。

ナガバモミジイチゴ Rubus palmatus の変種で基本変種 var. palmatus が近畿以西に分布するのに対して、本変種は東日本の型である。葉の形がやや幅広いものが多いことからこの名がある。


一般に俳句の世界では木苺として句が作られている。



木苺 の例句


ろうかんの木苺の芽の書庫の扉に 山口青邨
とどまるは漂うごとし木苺の径 金子兜太
ふと匂ふ木苺婦人服売場 佐藤鬼房
寒の木苺仏とわかつ酸しあまし 加藤秋邨
断崖に木苺亡父大股で 三橋鷹女
木苺が咲きこの辺の島の径 清崎敏郎
木苺であそぶ 中年荒れの舌 伊丹三樹彦
木苺に瀬戸は汐鳴りひもすがら 飴山實 句集外
木苺のしぶさ戦後がいきいきす 加藤秋邨
木苺の六月の日のうるみつつ 山口青邨
木苺の寒を実れり摘みこぼす 杉田久女
木苺の早き木の芽や雪の中 高野素十
木苺の熟るれば婆の口にほい 山口青邨
木苺の琥珀の玉の書庫の裏 山口青邨
木苺の種噛む音を愉しみて 飯島晴子
木苺の芽のほころべば青莟 山口青邨
木苺の芽の青烏帽子草の宿 山口青邨
木苺の露にふくらむごときかな 右城暮石 句集外 昭和十六年
木苺をとりて来し子の傷つけふ 高屋窓秋
木苺を天のあかるさにゐて食ひつ 木村蕪城 一位
母の日や木苺の葉が雨ためる 細見綾子
裾重く聖尼ばかりの木苺摘み 草間時彦 中年
馬若し斜陽の光輝木苺の径 金子兜太
鴬老ゆる木苺のあますつぱくて 川端茅舎