野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

忍冬の名で俳句の世界でもなじみのスイカズラ

2019年05月17日 08時05分15秒 | 
スイカズラはその甘い香りと味で有名だ。
木に絡みつくので、うっかりするとその木に花が咲いているのか勘違いしそう。
それでも花の形が特有なので、すぐにそれと分かる。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





スイカズラ
スイカズラ(吸い葛、学名:Lonicera japonica)はスイカズラ科スイカズラ属の常緑つる性木本。別名、ニンドウ(忍冬)。冬場を耐え忍ぶ事からこの名がついた。

特徴
若い枝は毛が密生し、葉は、木質のつるに長さ3-8mmの葉柄をもって対生する。葉身は卵形から長楕円形で、長さ2.5-8cm、幅0.7-4cm。毛は葉の裏面に多く、表面は少ない。なお、葉は全縁だが、幼い枝では粗い鋸歯が出ることがある。

花は5-7月に咲き、甘い香りがある。花弁は筒状で、先の方は上下2枚の唇状に分かれ上唇はさらに4裂、はじめ白いが徐々に黄色くなる。そのため、一つの枝に白い花と黄色い花が同居することが珍しくない。後述の異名である金銀花はこれによる[1]。果実は径5-7mmの液果で9-12月に黒熟する。


分布と生育環境
日本全国のほか東アジア一帯に分布し、山野や空地によく見られる。欧米では観賞用に栽培されるが、また広く野生化し、特にアメリカでは外来種としてクズとともに森林を覆って打撃を与えるなど問題となっている。

似たもの
スイカズラ属には180種あり、日本には20種ばかりあるが、多くは低木である。蔓性のものとしてはハマニンドウ L. affinis とキダチニンドウ L. hypoglauca がある。いずれも分布が限られ、より南部に生育するものである。

利用
蕾は、金銀花(きんぎんか)という生薬、秋から冬の間の茎葉は、忍冬(にんどう)という生薬で、ともに抗菌作用や解熱作用があるとされる。漢方薬としても利用される。忍冬の名の由来は、常緑性で冬を通して葉を落とさないから付けられた。

「スイカズラ」の名は「吸い葛」の意で、古くは花を口にくわえて甘い蜜を吸うことが行なわれたことにちなむ[1]。砂糖の無い頃の日本では、砂糖の代わりとして用いられていた。スイカズラ類の英名(honeysuckle)もそれにちなむ名称で、洋の東西を問わずスイカズラやその近縁の植物の花を口にくわえて蜜を吸うことが行われていたようである。



スイカズラは忍冬という名前で俳句の世界でもなじみである。
「呼べばすぐふりむくひとやすひかづら 桂信子 草影」は訳が分からぬままに面白い句だ。

忍冬の花 の例句


かまひなし墻を越えきしすひかづら 亭午 星野麥丘人
こみあげて笑ふつきぬきにんどう花 石川桂郎 高蘆
すひかづらもろとも藪を機械刈 佐藤鬼房
すひかづら採りきてわれに嗅げといふ 上田五千石『琥珀』補遺
なにごともきのふのごとし忍冬忌 星野麥丘人 2004年
にんどうの花のにほひや杜宇 木導
やぶさめや山路なほ咲くすひかづら 水原秋櫻子 磐梯
ウインドに希臘の壺と吸葛 燕雀 星野麥丘人
人死んですひかづら亦花ざくろ 弟子 星野麥丘人
呼べばすぐふりむくひとやすひかづら 桂信子 草影
徒刑場跡の切崖忍冬 佐藤鬼房
忍冬に眼薬売る裏家哉 政岡子規 忍冬の花
忍冬のこの色欲しや唇に 三橋鷹女
忍冬のだらだら咲きのはじまりぬ 寒食 星野麥丘人
忍冬のだらだら花や法師蝉 石田波郷
忍冬の紅濃しとのみ夜の日記 弟子 星野麥丘人
忍冬の花のこぼせる言葉かな 後藤比奈夫
忍冬の花の汀の昼のとき 岡井省二 五劫集
忍冬の花折りもちてほの暗し 後藤夜半 翠黛
忍冬の香を尋ばや金の蔓 中川乙由
忍冬二花づつのよき香り 高野素十
忍冬咲く故蜂にさゝれたる 高野素十
忍冬神の噴井を司る 阿波野青畝
忍冬綴れる門を久に出ず 松本たかし
桟道の欠け補はずすひかづら 上田五千石『天路』補遺
水分の雨の社のすひかづら 雨滴集 星野麥丘人
浜方の墓のまぼろしすひかづら 佐藤鬼房
浮いてゐる鳰が一つや忍冬忌 寒食 星野麥丘人
玉縄に昼のしぐれや忍冬忌 石塚友二 玉縄以後
町雀耳目にせざり忍冬忌 上田五千石 天路
百椿つぼみばかりや忍冬忌 森澄雄
蚊の声す忍冬の花の散るたびに 与謝蕪村
辞すときの夜空やはらか忍冬 草間時彦 中年
雨ぐせのはやにんどうに旅二日 石川桂郎 含羞
鵜つかひや忍冬咲いて昼の宿 河東碧梧桐



贈り物のような垣根の白い花シャリンバイ

2019年05月17日 06時55分43秒 | 
この時期に、垣根から突然のように白い花を咲かせて驚かせる。
車輪状に互生する葉と、梅に似た白い花のその強い匂いによって
シャリンバイであることを見分けることができる。
常緑の垣根に贈り物のように花が咲く。
この時期に特有の楽しみの一つだ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




シャリンバイ
シャリンバイ(車輪梅、学名:Rhaphiolepis indica var. umbellata、 シノニム:R. umbellata)は、バラ科シャリンバイ属の常緑低木。日本(東北地方南部以南)、韓国、台湾までの海岸近くに分布する。庭木や公園樹として植栽されることも多い[3]。沖縄の方言ではテカチ[4]、奄美大島ではテーチ木[5]と呼ぶ。和名は枝の分岐する様子が(葉の配列の様子とも)車輪のスポークのようで花が梅に似ることから。

特徴
葉は楕円形で厚く、深緑色でつやがある。縁には浅い鋸歯が出ることもある。多くの場合、枝先に葉が集中する傾向があり、単葉で車輪状に互生する[3]。

4-6月に白または淡紅色の5弁の花(両性花)をつける[3]。10-11月に直径1cm程の球形のナシ状果の果実は黒紫色に熟す[3]。

海岸に多く、日向の岩の上などに見られる。

用途
奄美大島の大島紬では、幹や根のタンニンを含む煎汁を染液として絹に染着させた後、泥に浸漬して黒褐色に媒染する染料に使用する[6]。また、乾燥や大気汚染に強いことから道路脇の分離帯などに植栽されたり、艶のある常緑葉が美しく、良く刈り込みに耐えるため庭木として植栽されたりする。

葉が消炎、潰瘍、打撲(外用)に使用される[7]。

材は堅いことから槌等に用いる[8]。

季節感にあふれた白い花を咲かせるミズキ

2019年05月17日 06時45分14秒 | 
今の時期に高い樹木で白い花がまとまって開いているのはミズキであることが多い。
昨日のガマズミと良く似ているので注意が必要だ。樹木全体の形と花弁の形で区別できる。
どちらも初夏の訪れを感じさせる。
季節感にあふれた花だ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





ミズキ
ミズキ(水木、学名:Cornus controversa)はミズキ科ミズキ属の落葉高木。別名、クルマミズキ(車水木)。

特徴
樹高は10-15m。枝を扇状に四方に広げる。若枝は紫紅色で、はじめ細かい毛をもつが、のちに無毛になる。葉は長さ2-5cmの葉柄をもって互生し、広卵形から楕円形で縁は全縁、先はとがる。裏面は白く、弓形に曲がった5-9対の葉脈が隆起する。

花期は5-6月。新枝の先に多数の白色4弁の小白色花を散房花序につける。果実は核果、球形で紫黒色をしている。

和名は早春に芽をふく時、地中から多量の水を吸い上げることから。


葉は互生する
分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、各地で広く生育する。アジアでは、朝鮮、台湾、中国からヒマラヤの山地にまで分布する。

利用
公園樹としてよく利用される。材としては白色で軟らかく緻密で、細工物、器具、下駄に利用される。


ミズキは俳句でも好まれるが、ハナミズキと混同されることが多い。
「水木咲き枝先にすぐ夕蛙 森澄雄」は季節感があってよい。
最近は蛙の声も聞かれるようになってきた



水木の花 の例句




吊橋の半分花みづきの日差し 鷹羽狩行
家裏に廻る夕日や花みづき 草間時彦 櫻山
水木咲き万年雪を固めけり 百合山羽公 樂土以後
水木咲き枝先にすぐ夕蛙 森澄雄
除幕の賀水木の花も黄を極め 阿波野青畝
陽は谷へ谷を埋めて花みづき 佐藤鬼房



ピンクの花が目立つハコネウツギ

2019年05月17日 06時25分32秒 | 
ウツギの一種のハコネウツギが咲き始めた。
この種は白いつぼみがついて、白い花が開くが、やがてそれがピンクに変わるという珍しい種類。
この時期に白い花が多いなかで、とくに目立つ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)






ハコネウツギ
ハコネウツギ(箱根空木)とはスイカズラ科の植物の1種[1]。学名はWeigela coraeensis(シノニムはW. amabilis)。別名はベニウツギ。

日本各地の海岸近くに自生する落葉低木であるが[1]、庭園樹として植栽されることもある[1]。花期は5〜6月頃[1]で漏斗状の花を咲かせる。白い花が次第に赤へと変化する[1]。名前に箱根が付くが、箱根にはわずかしか自生していない[1]。