野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

名前もペアで咲く花もかわいいツクバネウツギ

2019年05月24日 14時26分31秒 | 
よく垣根になっているツクバネウツギ。二つの花がペアで咲くのが特徴だ。
羽根付きの羽根に似ているという名前も素敵だ。
植物の和名にはひどいのが多いが、かわいい名前をつけてもらったものだ。
アベリアという学名で呼ばれることも多いのだが
古来の名前を大切にしたい。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





ツクバネウツギ
ツクバネウツギ(衝羽根空木、学名:Abelia spathulata)はスイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。

特徴
樹高は2mになり、密に分枝する。若い枝にはわずかに毛があり、しばしば赤みを帯びる。葉は長さ1-3mmの葉柄をもって対生する。葉身は広卵形から長楕円状卵形で、長さ2-5cm、幅1-3.5cmになる。縁にはあらく不規則な鋸歯があり、葉の両面には短い毛が生えるが、表面には生えない場合がある。

花は4-6月に咲く。枝の先端から共通花柄を出し、5個の同じ長さの萼片をつけ、ふつう2花をつける。花冠は二唇状の鐘状漏斗形で、白色、黄白色、ときに黄色、まれにピンク色になり、長さは1.5-3cmになる。雄蕊は4本ある。果期は9-11月で、果実は長さ8-14mmの線形の痩果になる。

和名は、果実がプロペラ状の萼片をつけ、羽根突きの「衝羽根」に似ることに由来する。

分布と生育環境
本州の東北地方の太平洋側、関東地方および中部地方以西、四国ならびに九州の北西部に分布し、丘陵地や山地に生育する。

厚みのある葉が特徴のテリハノイバラ

2019年05月24日 14時19分26秒 | 
近くの道路で野ばらが咲いていた。
これまで気づかなかったが、テリハノイバラのまとまった大きな株だった。
葉が厚く、テカリがあることでノイバラと区別できる。
今の時期は花が次々と咲くので、それまで気づかなかった樹木を改めて認識することができるようになる。
楽しい季節だ。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)





テリハノイバラ(照葉野茨)
つる性落葉低木
本州〜沖縄の日当たりのよい草地や河原に生える。海岸から標高1000mを超えるブナ帯まで分布する。枝は無毛。長さ3〜5mmの鈎形の刺がある。葉は互生。長さ4〜9cmの奇数羽状複葉で、小葉は2〜4対ある。頂小葉と側小葉はほぼ同じ大きさ。小葉は長さ1〜2cmの楕円形または広倒卵形で、ふちには粗い鋸歯がある。先端は丸いものが多いが、尖るものもある。革質で厚みがあり、両面とも無毛。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。側小葉には柄はほとんどない。托葉は緑色で下部が葉柄と合着し、ふちに先端が腺になった鋸歯がある。枝先に芳香のある白い花が数個集まってつく。花は直径3〜3.5cm。花弁は5個。雄しべは多数。花柱は柱状に合着し、有毛。萼片の内面には短毛が密生する。果実は萼筒が肥大した偽果で、先端に花柱や萼片の一部が残る。直径6〜8mmの卵球形で、10〜11月に赤く熟す。偽果のなかに入っているそう果は、長さ4〜5mm。花期は6〜7月。
冬芽は小さないぼ状。(樹に咲く花)
学名は、Rosa luciae
バラ科バラ属

花も蕾の形もユニークなアメリカシャクナゲ

2019年05月24日 06時16分32秒 | 
道端に大きなカルミアの木があって、青空に向けて花を咲かせていた。
ふだん歩く道なのに、いつもは前方を見て歩いているだけなので
首を上に向けなければ目に入らないこの華麗な花が咲いているのを
まったく知らなかったのは、うかつだった。
蕾の形もまたユニーク。
アメリカシャクナゲとも呼ばれるこの木は、
日本の街路を華やかにしてくれる一本だろう。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)








カルミアの特徴
原産地では樹高10mほどになりますが日本では1m~3mほどにとどまる常緑低木でその花とつぼみの姿が特徴的です。つぼみは金平糖のような、チョコレート菓子のアポロに似た形で花が開くと五角形の皿型になります。晩春につぼみが膨らみ開花期間は初夏から梅雨入りにかけて約1カ月ほどと長く、終わった花は散らずに茶色くなって残ります。葉は長さ7~10cmの光沢のある革質の濃い緑色で通年鑑賞できます。葉がシャクナゲやローレルに似ていることから別名アメリカシャクナゲやハナガサシャクナゲ、アメリカン・ローレルと呼ばれています。

カルミアの詳細情報
園芸分類 庭木、常緑
草丈・樹高 1~3m
耐寒性 普通
耐暑性 やや弱い
花色 白,赤,ピンク,茶
開花時期 5~6月

子供の頃を思い出させるユキノシタ

2019年05月24日 06時03分42秒 | 
昔からなじみのあるユキノシタ。
子供の頃に住んでいた家に大きな株があって
ときおり母親の命令で、葉が摘まれて天ぷらにされていた。
ミゾカクシに似た不均衡な花の形が面白いし
ひっそりと孤独に咲いている感じもすきだ。
「白き火をたらたらゆきのした咲けり 平井照敏 天上大風」という見方もあるだろうが。
(2019-05 神奈川県川崎市 道端)




ユキノシタ
ユキノシタ(雪の下、学名:Saxifraga stolonifera)はユキノシタ科ユキノシタ属の植物[1][2]。

特徴
本州、四国、九州及び中国に分布し、湿った半日陰地の岩場などに自生する常緑の多年草である[2]。人家の日陰に栽培されることも多い[2]。葉は円形に近く(腎円形)、裏は赤みを帯びる[2]。本種は種子に因る種子繁殖のみならず、親株の根本から地上茎である走出枝(runner/ランナー)を出して栄養繁殖する[2]。

北半球での開花期は5-7月頃で、高さ20-50 cmの花茎を出し、多数の花をつける[2]。花は5弁で、上の3枚が小さく濃紅色の斑点があり基部に濃黄色の斑点があり、下の2枚は白色で細長い[2][3]。花弁の上3枚は約3-4 mm、下2枚は約15-20 mmである[4]。本種の変種[5]または品種とされる[6]ホシザキユキノシタには、こうした特徴は現れず、下2枚の長さは上3枚と同じくらいとなる[7]。開花後、長さ約4 mmほどの卵形の蒴果(さくか)を実らせる[8]。

種子は、全体に焦げ茶色或いは黒色であり、全体にほぼ楕円形の不定形をしていて、表面にはコブ状突起が多数備えられている。

名称
和名ユキノシタは、雪が上につもっても、その下に緑の葉があることからだと言われる[10][11]。また、白い花を雪(雪虫)に見立て、その下に緑の葉があることからとする説がある[12][13]。このほか、葉の白い斑を雪に見立てたとする説もある[11]。

学名のstoloniferaは、ほふく枝(stolon)で増えることからきている[14]。

俳句では鴨足草と書いて「ゆきのした」と読ませることが多い。夏の季語[14]。

人の利用
生薬
漢方薬の薬味として用いられることはなく、民間薬として用いられた。

虎耳草(こじそう)という民間薬で、その葉をあぶり腫れものなどの消炎に用いた[13]。凍傷や火傷にも使える[4]。また、葉のしぼり汁は耳だれ、中耳炎、漆によるかぶれ、虫刺されなどに効く[15]。小児のひきつけ(痙攣)には小さじ5杯ほどの生葉のしぼり汁が効くとされる[15]。風邪にはユキノシタの葉20g、氷砂糖、ショウガ1片を加えて煎じて飲むと良い[15]。

乾燥させた茎や葉は、煎じて解熱・解毒に利用する[4]。

食用
葉は山菜として、天ぷらなどにして賞味される[12]。葉の裏面だけにうすく衣を付け、揚げたものを「白雪揚げ」という[10]。

このほか茹でて水にさらしたものをゴマあえや辛子あえにして食べる方法もある[10]。


雪の下 の例句

きらめきて行刑耕地雪の下 斎藤玄 狩眼
ふもと井や湯女につまるる鴨足草 飯田蛇笏 山廬集
ふるさとや井戸草と呼ぶゆきのした 山口青邨
ゆきのしたかろ~咲いてはなやげる 渡邊水巴 富士
ゆきのした金屋の神の好き給ふ 山口誓子
下闇に点せるものや鴨足草 石塚友二 玉縄抄
人とゐて眠つてしまふ鴨足草 岡本眸
何代の燈籠の苔か雪の下 正岡子規 雪の下
何代の苔むす石が雪のした 正岡子規 雪の下
卯の花の散り残りけるは鴨足草 尾崎放哉 大学時代
古井戸のいつも滴り鴨足草 山口青邨
夕焼は映らず白きゆきのした 渡邊水巴 富士
庭中を鴨足草が跳び歩く 後藤比奈夫
庭催合ひ湯の宿二軒雪の下 阿波野青畝
心臓がゴトゴト言ふ日ゆきのした 草間時彦
悪筆をこの頃恥ぢず鴨足草 草間時彦
捨て雪の下溝水の抜け走る 右城暮石 句集外 昭和五十五年
揺れ~るさまに映りて雪の下 清崎敏郎
旧道は歩くに如かず鴨足草 亭午 星野麥丘人
桐立つや雪の下土あたたかく 岸田稚魚 筍流し
歳月やはびこるものに鴨足草 安住敦
死ぬまでは装う女人 鴨足草 伊丹三樹彦
湧き水を汲むたびに濡れ鴨足草 鷹羽狩行
物の怪の憑きて鴨足草となる 後藤比奈夫
生れ変りてゆきのしたならば不可 山口誓子
白き火をたらたらゆきのした咲けり 平井照敏 天上大風
目覚の声か満開の雪の下 飯田龍太
筧水鴨足草に落ちてゐし 細見綾子
花の名の夏なき庭や雪の下 中川乙由
花散るやひそかにそだつ雪の下 中村汀女
虎耳草うゑる穴あり聖石 村上鬼城
虎耳草葵の紋を葉の紋に 山口青邨
衰ふる目を励ませば鴨足草 岡本眸
裏切られても夏がいい虎耳草 佐藤鬼房
貴船より北はおそろしゆきのした 藤田湘子 神楽
跳箱とびそこねし女児や鴨足草 赤尾兜子 玄玄
釣瓶より飲みて鉄臭鴨足草 鷹羽狩行
鎌倉は夏さへ寒し雪の下 中川乙由
門川は日光山より鴨足草 山口青邨
雪の下名のらで寒し花の色 越人
雪の下短かき唄をくりかへす 細見綾子 雉子
雪の下細滝生れしかなしさよ 鈴木真砂女 夏帯
鬆のごとき路地の歳月ゆきのした 佐藤鬼房
鱒池の水ためらふにゆきのした 石川桂郎 含羞
鴨足草一叢おいて声かはす 飯島晴子
鴨足草天津磐境石囲む 右城暮石 句集外 昭和五十四年
鴨足草雨に濁らぬ泉かな 飯田蛇笏 山廬集