転載:
ある日、私は、タクシーで空港に向かっていました。
運転手は道中、きちんと車線を守って運転していました。
ところが、突然、道路わきの駐車場から、一台の車が私たちの車の前に飛び出して来たのです!
キキィーーーー!!
運転手は、急ブレーキを踏み、車が音を立てて止まりました。
助かった!
もうちょっとで、危うく衝突するところでした。
しかし、次の瞬間、びっくりすることが起きました。
飛び出して来た車の「愚かな」運転手が、私たちの方に向かって、大声で怒鳴りちらしたのです。
しかも、それを見たタクシー運転手は、ただ、彼に向って 謝り、そして、にっこり微笑んだのです!
私は、突然の出来事に、気持ちを静めながら、彼のその不思議な行動について、尋ねました。
「どうして あなたが謝るのですか?!彼が悪いのに!!!
あの男は、もう少しで、私たちを衝突事故に巻き込む所だったんですよ!!」
この時、このタクシー運転手は、私に一つの教訓を教えてくれました。
後に私は、それを「ゴミ収集車の法則」と名づけました。
彼はこう言ったのです:
「ゴミ収集車のような人が多いんです。
『意気消沈、怒り、失敗、失望などいろんな問題』というゴミを
たくさん乗せて、行き場なくあちこち走り回っています。
そして、自分の中にゴミが溜りに溜った時、
どこでもいいから一番近くの場所に、それを全部吐き出していくんです、、、
彼らは、ゴミを自分でうまく処理できないんです。
だから、そういう人に会って何かを言われたり、嫌なことをされたりしても、
自分の問題と思わずに、
ただ微笑んで、その場を通り過ぎて、まっすぐ自分の道を行くんです。
そして、「どうか彼らを導き、彼らの苦悩を取り除いてあげて下さい」と、
彼らのために、アッラーにドアー(祈願)するんです。
またそこには、自分への教訓もあります。
ゴミを集めて、それを職場や家、通りすがりの他人にぶちまけてしまうような人になってはならない、
という教訓が。
最後に成功する人というのは、「ゴミ収集車」によって、
自分の大切な一日や、神経や思考を、すり減らすようなもったいないことは、決してしないものです。」
イスラームに見る「ゴミ収集車の法則」:
◆ハディース
預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はおっしゃいました。
「強い者とは、けんかに強い者ではない。
本当に強い者とは、怒った時に自分を押さえることができる者である。」ムスリム伝承
【そして、慈悲あまねくお方のしもべ達は、大地を謙虚に歩く者たちで、
無知の徒が、彼らに(嘲って)話しかけても、「平安あれ」と(あいさつして)言う者である。】
クルアーン識別章:25-63
(アリー・アッ=タンターウィー師(ラヒマフッラー)の本より)
出典元 يحيى الغوثاني
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