クルアーンの世界最古の写本かもしれない、という写本が、イギリスのバーミンガム大学で発見されたニュースについて、イスラーム的観点からの見解と注意すべき点を転載します。 NHK http://bit.ly/1MmPZpg
転載:西洋では、歴史資料の価値は、炭素の放射性同位体検査により、何年ごろのものかと言う「古さ」だけによって決まるが、イスラームの歴史的資料の評価(つまり宗教的に正しいもの、受け入れられるものかどうか)は、次の2点に基づく:
①誰が書いた物か?
誰の筆によるか分からない物はイスラーム学では受け入れられない。
無知な人が書いたり、あいまいな記憶に基づき書かれたり、敵が何らかの目的で書いた可能性もあリ、イスラームでは素性の知れない資料は、宗教的な資料とはみなされない(訳注:ハディースの伝承と同様)
②どのクルアーンに基づいて書かれた物か?
クルアーンは、啓示が下ったその場で、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の書記達によりバラバラに書きとめられ、第一代カリフのアブー・バクル様(彼にアッラーのご満悦あれ)の時代に、一冊の本にまとめられ、第3代カリフのウスマーン様(彼にアッラーのご満悦あれ)の時代にそれが、写本され、各地に配布された。
現在のクルアーンは全てウスマーン版のコピーである。
つまり、「クルアーン」は、自分の記憶から勝手に書いたりするものではなく、必ず元本がなければならない。
この2点が明らかにならない限り、イスラームの資料としての価値はなく、正式なクルアーンの一部とは認められない。
従って、バーミンガム大で見つかった一部が、私たちの手元にあるクルアーンと一致したなら問題はないが、もし違う点があったとしても、それはイスラームに何の影響も及ぼさない。
実際、オリエンタリストの中には、そういう年代が遡る資料が出てきた際に、イスラームの根幹に疑問を呈する証拠として悪用しようとする者たちがいるが、イスラーム的な検証法からすれば、上記の二点が明らかにならない限り、資料的価値は持たない。
◆クルアーン読誦学の第一人者であり、著名な読誦者アブドッラー・バスファル師やアブー・バクル・アッ=シャーティリー師の師匠でもあるアイマン・スウェイド博士(アッラーが彼らをお守りくださいますように)の、バーミンガム大で発見されたクルアーンの一部に関するコメントの概要 http://bit.ly/1Io0au9
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つまり、もしかして、サハービー(彼にアッラーのご満悦あれ)のお手による物かも!と言うワクワク感は問題ないですが、上記の2点の確証が得られなければ、或は、現存するクルアーンと完全に一致していなければ、「クルアーン」とはみなされないという事です。
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よく考えれば、確かにこの見解は当然ですよね。
誰が書いたかわからない物を古いからと言って絶対正しいと、言うのはおかしいですからね~
その辺のおじさんがちょっと遊びで書いた物が、たまたま今まで残ってしまって「世界最古」と言われてしまった可能性もあるわけで、、
それにしてもきれいなアラビア語で残っているので、すでに現存のものと比較した記事も出ています(英語)
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