転載:インナー リッラーヒ ワ インナー イライヒ ラージウーン
ダマスカスのシャイフがまたお一人お亡くなりになりました。
シャイフ シュクリー アル=ハフィー(ラヒマフッラー)は、クルアーンの10通りの読み方を教えるシャイフであり、
タリーカのシャイフ、法学者、アラビア書道家、詩人、アラビア語学者としても著名な方でしたが、
その清貧さと謙虚さでもとくに有名で、ある先生は彼の事を、
「サハーバ(彼らにアッラーのご満悦あれ)の姿を見たければ彼を見なさい」と評しているほどです。
彼の家は一間しかなく、市場で売れないくず野菜を集めたり※、モスク前に散らかった靴を並べたり、
ズィクルの集まりに来る参加者に、水を配って回ったりするお姿(YouTube動画)がよく見られていました。
実際に、この記事に書かれている人は、初めてシャイフ(ラヒマフッラー)に水を差し出された時に、当時子供だったので何も知らずに、モスクの雑用係の人だと思い、拒否したそうです。するとシャイフ(ラヒマフッラー)が、小さい声でヤースィーン章を唱えながら立っているので、気まずくなり水を飲んだそうです。
すると、周りの人が、あの方はモスクの雑用係ではなく、シリア中から、彼の知識を求めて人々がやって来る素晴らしいシャイフなんだと教えてくれたそうです。彼(ラヒマフッラー)のシャイフが彼にこの役目を命じて以来何十年も水を汲み続けていらしたそうです。
(これは、自我の治療法のひとつです。偉い先生になると、周りの人が尊敬のまなざしで見るため、知らないうちに高慢になってしまうのを防ぐために、別の先生は、モスクの公共トイレを一人ですべて掃除したり、また別の先生は、生徒たちの汚れた衣類を夜中、誰にも知られないように洗濯したりして、自分の自我が「うぬぼれ」で汚れないように、自ら治療をしていました。
うぬぼれの病にかかりそうな時、この動画を見ると、イスラームの本質を思い出させてもらえます。)
Shaykh Shukri al-Luhafi serving water in Damascus
ある時、シリアのクルアーン読誦者のシャイフたちを表彰する式典があり、各シャイフに賞金が配られましたが、彼はそれをすべてサダカ(喜捨)しました。
服も数枚しかお持ちではなかったようです。
ラヒマフッラー(アッラーが彼にお慈悲をお与えくださいますように)
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※食べ物はどんなものであれ、アッラーからのニアマ(恩恵)なので、シリアの人達は道を歩いていて、地面にパン屑などが落ちていると、アッラーからの恩恵に敬意を表して、道端から拾っていました。
シリアの寮でも、食べ残しがマナー違反なのはもちろん、どうしても残ってしまった食べ物も捨てることなく、家畜用の肥料として利用していました。
【もしあなたがたが感謝するなら、われは必ずあなたがたに(対する恩恵を)増すであろう。】クルアーン14-7
私たちがいつもアッラーの恩恵に感謝を忘れることがありませんように。
シャイフ シュクリー アル=ハフィー(ラヒマフッラー)の葬儀と墓(下の写真)
どんなに有名な先生でも、死ぬときにはシンプルに土に帰るだけ。イスラームでは華美な葬式やお墓は必要ありません。
YouTube動画: Remembering The Great Gnostic | Shaykh Shukri al-Luhafi | الشيخ شكري بن أحمد اللحفي
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