シリア人はおもてなし大好き、お客さん大好き、留学中もよくいろんな人の家に呼ばれて、ご馳走になりました。
どこの国でもレストランで食べるより、やっぱり家庭料理が一番おいしいですよね^^
お客さんをもてなすのは、料理上手なシリア人女性たちの腕の見せ所。
シリア人家庭は、普段から大家族ですが、お客さん(時には十数人とか・・)が来ると、料理の量が半端ないです。
コレは絶対に家庭用の鍋ではない!!という大きさの大鍋に、山盛りに作った料理が、次から次へときれいに盛り付けされて
出てきます。
たくさんおかわりしないと、料理を作ったシリア人のお母さんに、「なんで食べないの?私のことが好きだったら、もっと食べて!」と殺し文句を言われます、、、、
イスラームでは、胃の3分の1は食べ物に、3分の1は飲み物に、3分の1は空けておくように、という教えがありますが、シリア人のおもてなし攻撃に勝つのは至難の業。
ご飯の後は、色とりどりのフルーツ、美しいホールケーキにコーヒーと、おしゃべりしながら長時間のフルコースが続きます。
アラビック珈琲を楽しむ間に、その家の子どもたちが、覚えたクルアーンを恥ずかしそうに披露してくれたり、お母さんがちょっと聞いてね、と預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のハディースを読んでくれたり、ときには私たちが、覚えているクルアーンを読んだり、と楽しい時間が続きます。
これがほんの数年前のシリアの人たちの日常。
今思うと信じられない気がしますが、ほんの数年前のことです。
平和で豊かなシリアの人たちの生活が、こんな状態になるなんて、そのときには私たちのだれも想像していませんでした。
こういった家庭は、都市部のごくふつうの一般的なシリア人の家庭です。
シリアの富裕者階級の人たちは、郊外にプール付きの別荘を持っている人も多く、家の門から玄関のドアまで車で行くくらいの規模でした。
そういうお金持ちの人たちも、もちろんおもてなし大好きで、自分の家の広い中庭を解放して、目の不自由な方たちの施設を、そこで働く職員も含め、丸ごと数百人招待して、ご馳走を振る舞って心からのおもてなしをしたり、、、と、規模の違う形で、「おもてなし」を繰り広げていましたΣ( ̄□ ̄;)
シリアの人たちの信仰に基づく美しいおもてなしは、このクルアーンの一節を思い出します。
【あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り、信仰を全うし得ないであろう。あなたがたが(施しに)使うどんなものでも、アッラーは必ずご存知である。】クルアーン 3-92
テレビで、「シリア難民」と聞いて、お金のためにヨーロッパに移住しようとしていると、誤解する人がいることはとても残念です。
少なくとも私がシリアで過ごした8年間で会った人たちの中には、シリア以外の国で暮らしたいという人はいませんでした。
シリア人はびっくりするくらい、自分の国シリアが大好きで、世界中を見て回ったわけでもないのに、「シリアは世界で一番いい国だよ^^」と、とっても自慢げに話してくれました。
その心から幸せそうな笑顔を見ると、本当にそうだなぁ、と、こちらまで幸せな気持ちになりました。
現在、シリアで起こっている悪夢が、一日も早く終わるよう祈ってやみません。
すばらしいおもてなしをしてくれたシリアの人たちが、避難先の国々で、よいおもてなしを受けることができますように。
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