佛歴2562年 12月16日
起床して間もなく「キュウゥッ」っと、お腹が鳴りました。
それ自体はほんの一秒にも満たない瑣末な生理現象です。
しかしこの時「キュウゥッ」という音の最初の音節である「キ──」の時点で、私は「蚊」の羽音(モスキート音)を反射的に連想していました。
暖冬の影響か、今年はつい最近まで蚊が私の部屋にまで進入していた事を思い出します。
そしてこの少し前に石油ストーブをつけた事で、部屋が徐々に温まりつつもあり、そうした事柄が次々に脳裏に浮かび「まーた、蚊かよ……」と少々ウンザリした、その次の瞬間、音の発生源が自分の腹だと気づき「あ、腹が鳴っただけか」と空腹だった事に気がつきます。
この「キュウゥッ」という音が生滅に要した時間は、およそ一秒といったところでしょう。
この時のように自分の心に芽生えた傲慢なる勘違いや思い込みを直ちにサティ(気づき)出来れば、まだ良いのですが、それでもこんなのはあくまで対処療法に過ぎません。
そもそもの勘違い等が一切起こる可能性すら滅しているという解脱への道は、まだ、まだ、まだまだまだ、遠く、遠く、遠いです。
みんなおはよ。
生きとし生けるものが幸せでありますように。
230 拝