自民党総裁選は29日の投開票に向けて大詰
めを迎えています。月刊正論では24日に党
員調査を実施しました。対象は2500人。河野
太郎行政改革担当相45.6%、岸田文雄前政調
会長31.1%、高市早苗前総務相18%、野田聖
子幹事長代行5.3%の順でした。ドントで計
算すると河野氏174票、岸田氏119票、高市
氏69票、野田氏20票となります。
議員票は24日の時点では岸田氏約130票、
河野氏110票、高市氏100票、野田氏20票、
未定約20とみられていました。24日時点の
党員票、議員票を合計すると河野氏284票、
岸田氏249票、高市氏169票、野田氏40票
となり、過半数の383票以上を獲得した候補
はいません。この時点では上位2人の河野氏
と岸田氏の決選投票となります。
決選投票は国会議員票382票、都道府県連票
各1票の47票、あわせて429票です。各都
道府県の1票は党員投票の結果に基づき、上
位2人のうち投票数が多い候補者が自動的に
獲得する仕組みです。
河野氏が岸田氏の地元広島県を除き46票を
獲得したと仮定します。野田氏の推薦人には、
岸田氏とは対立した二階俊博幹事長率いる二
階派が多いことから野田氏の20票も河野氏
支持に回るとします。合計すると176票。岸
田氏と高市氏の2位3位連合が出来ていると
すると、広島の1票を加え231票と過半数215
票を上回り、「岸田総裁」が誕生します。
もちろん24日の時点なので週末にかけての
各陣営の働きかけで議員票は上下しています。
さらに注目されるのが高市氏の党員票の伸び
率です。17日の告示前はわずか4%しかなか
った支持率が18%まで急速に伸びています。
しかも、今回の総裁選では党員票の提出がい
つもより遅いといいます。討論会など各候補
の主張をじっくりみてから投票しようという
党員も少なくないようです。そうすると討論
会で政策能力の高さを示した高市氏がさらに
伸ばしてくる可能性があります。
決選投票をにらみ、岸田氏よりも高市氏のほ
うが組みやすいとして、河野陣営から1回目
の投票である程度高市氏に振り分けて「高市
氏2位」を画策する動きがあると取り沙汰さ
れています。26日のフジテレビ番組で松山俊
行政治部長が紹介すると、スタジオで待機し
ていた河野氏は「するわけないですよ。そん
なこと。冗談はよしてください」と声を出し
ました。松山氏が「そういう意見も出ている
ということで」と説明すると河野氏は「ひど
いフェイクニュースですよ」と抗議しました。
残り3日間、各陣営の駆け引きが激化してい
ますが、明確に言えるのは当初党員票で6割
近く獲得し1回目の投票で勝利を目指してい
た河野氏が失速していることです。野田氏出
馬で党員票が分散したこともありますが、何
よりも河野氏の資質が問われたことが失速の
理由です。
河野氏は基礎年金の財源を全額消費税とする
「最低保障年金」を掲げましたが、財源につ
いては説明しませんでした。防衛相時代、陸
上配備型迎撃ミサイル「イージス・アショア」
の中止を決めた河野氏ですが、敵基地攻撃能
力の保有も直ちに容認はしませんでした。「脱
原発」や女系天皇容認を封印するなど現実路
線を取ったかにみえましたが、統治能力を疑
問視する声が相次ぎました。
加えて、河野氏の親族企業が中国で合弁会社
を続けていることへの疑問も強まりました。
河野氏は「私の政治活動に影響を与えるとい
うことはまったくございません」と言いまし
たが、相手は中国共産党です。太陽光による
再エネを日本政府内で先頭に立って推し進め
ている河野氏の親族企業が中国で太陽光ビジ
ネスを展開しているということは、利益誘導
や便宜供与を疑われかねません。
このことについてはチャンネル正論で経済安
全保障が専門の平井宏冶さんが詳しく説明し
ていますのでぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Fd-yxeb7W8c&t=9s
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