川口のクルド人2500人に急増か 「難民ビザ」半年で1・6倍、他都市に分散も
埼玉県川口市を中心に国内に在留するトルコの少数民族クルド人の総数が、これまでの推定約2千人から2500人程度に急増したとみられることが、出入国在留管理庁の統計でわかった。トルコ国籍の難民認定申請者が一昨年、過去最多の約2400人に激増した結果、難民申請中に「特定活動」という在留資格を与えられたトルコ国籍者が増えたのが要因と考えられる。
クルド人だけでなく、難民申請者の一部は「特定活動(難民認定手続中)」という在留資格が与えられ、原則としてフルタイムでの就労が認められる。このため「出稼ぎ」目的での難民申請が後を絶たず、俗に「難民ビザ」とも呼ばれている。
在留外国人統計によると、この資格を与えられたトルコ国籍者は令和5年末で1147人だったが、6年6月末は673人増の1820人で、半年間で1・6倍に増えていた。大半はクルド人とみられる。入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免者700人程度と、その他の在留資格を持つ人などを合わせると、少なくとも2500人程度と考えられる。
在留クルド人の中には、一部同胞が川口市内で住民との軋轢を生んで批判されていることから「川口は住みづらい」と感じ、隣接市や東京都内などに分散する「川口離れ」も起きているという。このため、増加したクルド人すべてが川口市内在留ではないとの見方もある。
トルコ国籍者の難民申請者は5年の1年間で2406人にのぼり、前年から5・4倍に激増した。コロナ明けで水際対策が緩和された影響という。
トルコ国籍者以外でも難民申請は激増しており、5年中に申請した中で最多はスリランカの3778人。特定活動の在留資格者もスリランカは昨年6月末時点で2574人にのぼっている。
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