天皇陛下65歳、戦争の記憶継承 ご決意にじませ「体験した世代から知らない世代に」 2025/2/23 00:00

2025年02月23日 08時04分29秒 | Weblog

「戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に」-。天皇陛下は誕生日に際しての記者会見で、戦後世代としての自身の歩みを振り返りながら、戦禍の「記憶の継承」を願う言葉を重ねられた。戦後80年の節目を前に、会見では慰霊に尽くしてきた上皇ご夫妻のお気持ちも踏まえ、先の大戦と向き合い、皇后さまとともに次世代へと記憶をつなぐ決意もにじませられた。

「今回の誕生日で私は65歳になりますが、戦後80年という年月を考えると、私が生まれる15年前までは戦争の時代であったということになります」

会見の冒頭、先の大戦の歴史と「象徴としての役割」についての質問に、陛下はそう切り出し「日本において80年間、平和の時代が続いていることを有り難いことと思います」と言葉を紡がれた。

続けて、現在の平和と繁栄は「人々のたゆみない努力」が築き上げてきたとする一方、「戦争の記憶が薄れようとしている今日(こんにち)、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や歴史が伝えられていくことが大切」として、記憶の継承の重要性に言及された。

総務省の令和5年時点の人口推計によると、終戦時に主に20代以上だった明治、大正生まれの世代は約35万8千人と、全体の0・3%に減少。先の大戦を知る戦前・戦中世代の高齢化は著しい。

硫黄島などご訪問検討

会見で陛下は、自らが「戦後生まれで、戦争を体験していません」としながらも、上皇ご夫妻から戦時中のご経験について、長女の敬宮(としのみや)愛子さまとともに話を聞く機会に恵まれたエピソードをご紹介。「上皇陛下のお気持ちをしっかりと受け継ぎ、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべくなお一層努めてまいりたい」と述べられた。

上皇ご夫妻は戦後50年にあたる平成7年に広島、長崎、沖縄をご訪問。17年の戦後60年にはサイパン、27年の戦後70年にはパラオを訪ねて戦没者を悼み、平和を祈念された。陛下は戦後80年の今年、皇后さまとともに広島、長崎、沖縄のほか、激戦地となった硫黄島(東京都小笠原村)へのご訪問が検討されている。

宮内庁幹部は「両陛下は先の大戦に向き合った上皇ご夫妻のお姿を間近でご覧になってきた。次の世代に戦争の惨禍や平和の尊さを伝えていくお気持ちを継承し、国内外に発信されていくのではないか」と話している。

                      産経新聞

 
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