ずらり並んだ国中の品々。
つい探してしまうのは、ふるさとの品。
明治神宮にて見つけた。
献上品である。
折しもその日は、鎮座記念祭であった。(大正9年11月1日の明治神宮御鎮座の日を記念 )
東北の品を見つけては嬉しく思い、故郷の日々を懐かしく思う。
もちろん、他所の物にも興味を持つ。
だが、馴染みの場所や思い出の味は、真っ先に探してしまうのが人情だ。
好物の一つを見つけて立ち止まった。
相馬きゅうり漬けだ。
絶妙の味加減と歯切れ良さで、うまい。
隣で同じように見ていた女性がいたので、このきゅうり漬けは美味しいと声をかけると、彼女はとても喜んだ。
相馬の出身だという。
やはり、献上品にふるさとの味を見つけ、嬉しく思ったようだ。
中には被災地で踏ん張って作った品もある。
その味は格別にうまい。