あらためて、海に近かったのだなと思う。
海沿いの林がまばらとなり、建物が壊れている景色。
1階は浸水、水が重くのしかかって壊していく怖さを、まだ残されている建物を見て思う。
空港は、物資の輸送にも、町の復旧作業のためにも、いち早く再開させる必要があった。
たくさんの漂流物を片付けるのは、本当に大変な作業だったはず。
けれども、方々からの支援で懸命な作業がなされ、震災から1ヶ月で一部の運行再開、半年たって完全復旧となった。
空港付近は、普段はとても穏やかな場所である。
空港施設も、平成9年に新しくなって開設したもので、設備も建物も綺麗だ。
(道路標示は、撮影の仕方でなく、実際に曲がってしまっている。)
それが一時、土砂を含む海水が押し寄せ、1階はほぼ浸水した。およそ3m浸水。
今は、何と綺麗に戻っていることか。
明るく、美しい空港に戻っていて、ほっとする。
柱に、津波がここまで来たことを記してあった。
1階の広場には、復旧までの歩みや、
あちこちからの励ましの寄せ書きなどが展示されていた。
寄り添う人々がいると、やっぱり嬉しい。
空港内の店も、1階に新しい店が入ったが、以前のように豊富な品物がそろっている。
通路に出店が置かれるが、そこで久しぶりに嬉しい品と再開した。
相馬の、「香の蔵」さんの味噌漬けである。
震災前は、時々、松川浦を通ってその店に行くことがあった。
店内でたくさん味見ができ、好みの物を選べる、いい店だ。
ここの味噌漬けは、味付けが絶妙だ。しょっぱくならず、素材の味わいに深みを増して旨い。
相馬といえば、松川浦も津波の被害で大変だったが、1年経って海辺もだいぶん片付き、観光を再開する動きがあるそうだ。
あの穏やかで、美しかった松川浦が、一時は酷く悲しい姿になったけれど、傷跡を残しながらも、輝きを取り戻しつつあるらしい。
仙台空港へ行っても、高いところが苦手な自分は、飛行機にはちっとも乗らない。
なのに、ちょいちょい仙台空港へ行く。
飛行機が飛び立つ様は、見ていて爽快だし、並ぶ品々も、郷土の個性を活かそうと工夫されていて面白みがある。
傷跡もあるけれど、仙台空港は明るさを取り戻し、今もなお、復興応援に訪れる人々を迎え、送り出している。