キーマン
何かをするとき、ものごとの核となる人、チームの中で中心的な存在になる人、
チームの中で最も発言権がある人。
【1.キーマンを見極めること】
組織やチームの中には、キーマンと呼べる人が必ず存在するものです。
システム開発をする上では、顧客(システムを利用する人)と
打ち合わせを行ったりして、システムの仕様を決定していくのが非常に重要な
タスクになります。
我々(システムを作る人)はチームを組んで、複数人で顧客と仕様調整する
ことが多いので、顧客も複数人からなるチームを組んでいることがほとんどです。
プロジェクトによって様々ではありますが、大体我々も、顧客チームも
プロジェクト責任者
マネジメント責任者
窓口担当
実作業担当者
というような、階層構造を持ったチームを作ります。
仕様を決定する上でとても重要なことは
「キーマンを見極めること」
です。
チームは階層構造である以上、上司、部下の上下関係が存在します。
ただ、キーマンは必ずしも、プロジェクト責任者ではなく、
窓口担当であったり、役職のない実作業担当者であったりします。
キーマンは役職や上下関係にはそれほど依存しないことも多いものです。
例えば、窓口担当である係長Aさんがキーマンで、
もう一人の窓口担当である課長Bさんはキーマンでないとします。
その場合、基本的にBさんはではなく、Aさんに集中的に仕様確認をすることに
なります。
課長と係長であれば、課長:上司、係長:部下の関係になることがほとんどですが、
役職は無視して、キーマンであるAさんとやり取りする方が手戻りが少なく
なります。
「キーマンを見極めること」はシステム開発だけではなく、どんな作業をする
上でも重要になってきますし、一般的にその重要性は広く認識されているもの
だと思います。
また、「キーマンを見極めること」は意外と簡単で、顧客チームと顔を合わせて
直にやり取りをしていれば、すぐに分かることが多いものです。
「キーマンを見極めること」をクリアできたなら、次に大事になってくるステップは
「キーマンに気に入られること」
です。
【2.キーマンに気に入られること】
私は名古屋で丸2年間システム開発をやっていたことがあります。
その時、私の会社は階層的には下の方の作業受け持ちだったので、
システムを利用する顧客チームと直にやり取りすることは一度もありません
でした。
主にやり取りしていたのは、私の会社のような作業を受け持つ会社を、
複数束ねるCさんという人でした。
Cさんは発言権がとても強く、また、システムの仕様については最も熟知している
人物でした。
Cさんがキーマンであることは、すぐに分かりました。
ただ、残念ながら、私はCさんから気に入れらることはありませんでした。
むしろ、嫌われていたし、煙たがられていました。
このブログで何度か、
「私は名古屋で死ぬ思いをして、2年間過ごしていた。」
と書いたことがあります。
その大きな理由は
「キーマンであるCさんから嫌われていた」
ことに他なりません。
発言権があり、権力があり、仕様も熟知しているキーマンCさんから
嫌われるというのは、本当に辛いものでした。
私が何か作業をする時、必ずと言っていいほど、Cさんはダメ出ししてきます。
私も何度かキレかかった時があったのですが、仕様を熟知しているCさんに
口もきいてもらえなくなったら、それこそ本当に八方ふさがり。
ぐっと耐え続けました。
ストレスのせいか、朝起きたら左足に激痛が走り、起き上がることができず、
会社を休んだこともありました。
私は会社の同僚に
「ふくたまさんだったら、どんなプロジェクトでもやっていける」
と言われることがあります。
それは、そんな状況でも、丸2年間耐え続けた実績があるからだと思います。
Cさんに「嫌われていた」のを、「気に入られた」にすることができなかったので、
決して誇れる実績ではないかもしれませんが、こうやって評価してくれる人がいる
というのは、何ともありがたいことです。
私がCさんに嫌われたのは、会社を含めた経緯があり、そのため、
「気にしなくていい。早く忘れた方がいい。」と言ってくれる人もいます。
その言葉もありがたいのですが、スーパーリーダー、スーパーSEを
志す私としては、
「Cさんに気に入られるには、どのような立ち振る舞いをしていれば
よかったのだろう?」
というのを度々振り返りますし、度々頭の中でシミュレーションし
ベストな答えを模索しています。
まだ答えを見つけることができておらず、今なお残る、私の課題です。
【3.キーマンに気に入られたら】
キーマンに気に入られたら
仕事はうまくいきます。ストレスがぐっと減ります。自社からの評価が上がります。
東京でシステム開発をやるようになって、丸2年以上経過しました。
それを実感しています。
私のように、客先に常駐して作業することがメインのSEの場合、
自社は直接私の仕事ぶりを見ることはできません。
では、私の評価をどうやって決めるのか。
それは多くの場合、実際に私の仕事ぶりを見ているお客さんから、
私への評価を聞き出し、自社の評価にするということになります。
名古屋でも、今の東京でも、その形式は変わっていません。
しかし、評価は怖ろしいほど、真逆、180度違う、天と地の開きとなっています。
何が違ったのかというと、お客さんからの評価が、名古屋の時と、東京では
違うのです。
今は会社から評価されていると感じることが多いです。
時には、その評価の高さが、少し怖くなることすらある程です。
名古屋 お客さんから評価されていない→自社から評価されない
東京 お客さんから評価されている→自社から評価される
この結果から、私は
「キーマンに気に入られること」の重要性を再認識しています。
今、私がお客さんから評価されているのは、
お客さんの中のキーマンに気に入られているから、という理由が非常に大きいです。
お客さんの中のキーマンは、一人ではなく、三人の方がいます。
幸運にも三人の方から、気に入られていると思っています。
【4.キーマンに気に入られるためには】
なぜ、気に入られたのだろうか、と振り返ってみることがあります。
システム開発をやっていると、飲み会が開かれることが結構あります。
工程完了時の飲み会、プロジェクトに加入してくる人の歓迎会、
プロジェクトを抜ける人の送別会など。
でも、個人的にサシで飲みにいくことは滅多にありません。
だから、お酒をおごったりすることや、お酒の付き合いで、キーマンの方々に
気に入られたわけではありません。
基本的に私は、お客さんの要求はすべて飲むし、会社に泊まり込みになろうが
徹夜になろうが、お客さんの要求にすべて応えるようにしています。
ただ、言いなりになっているかと言われるとそうでもなく、
仕様でおかしな点があれば、例え顧客承認が取れている状態であっても、
改善を要求するし、自分で改善のための行動を取ります。
お客さんの社員であっても、SEとしてやってはいけないようなミスを
した場合は、その人の将来のために叱ったりします。
何かいいやり方を見つけた時は、お客さんを含めプロジェクトメンバーにその
やり方を発信し、みんなの合意を取った上で、その通りやることを要求したり
することはしょっちゅうです。
もし、お客さんが、出る杭を打つタイプや、目立つ行動を取る人間を煙たがる
ようなタイプであれば、私は嫌われていたかもしれません。
名古屋の時も今も、自分の信念の元、失敗を怖れず常に前進し続ける姿勢は
ずっと変わっていません。
でも、名古屋の時は、その姿勢の中に、自分の保身というか、人の目というか、
そんなことばかり気にしていて、仕事をする上で最も大事な
「プロジェクトを成功させる」という目標に向かって、前進し続けることを
やっていなかったと思います。
東京にきてからは、徐々にではありますが、
自分の保身を捨て去り、いい意味で人の目を気にしなくなっていきました。
そして、「失敗を怖れず常に前進し続ける姿勢」という自分の信念をフルに発揮し、
「プロジェクトを成功させる」という最終目標に向かって突き進み、
プロジェクトをやり遂げてきました。
「キーマン」というのは人間を指す言葉ですから、当然ながらキーマンの
性格や性質は様々です。
だから、「キーマンに気に入られるためには」という課題に対して、
普遍的、絶対的な答えはないはずです。
ただ、こうやって振り返っていくと、
「自分の信念を信じ行動し続け、結果的にプロジェクトを成功させる」
という今の自分の姿が、一つの答えになってくるような気がしてきます。
Cさんに気に入られなかったことに関して、
今の自分の姿であれば、ひょっとしたらうまくいくのかもしれないと、
課題解決に向け、一つ光明が射してきたように思えます。
いろいろ考えたり、悩んだりすることもありますが、
今は、勇気を持って行動し、どんな困難があっても、プロジェクトを成功させる
という最終目標を達成できるよう、少しずつでも日々前進し続けていきたいと
思っています。
何かをするとき、ものごとの核となる人、チームの中で中心的な存在になる人、
チームの中で最も発言権がある人。
【1.キーマンを見極めること】
組織やチームの中には、キーマンと呼べる人が必ず存在するものです。
システム開発をする上では、顧客(システムを利用する人)と
打ち合わせを行ったりして、システムの仕様を決定していくのが非常に重要な
タスクになります。
我々(システムを作る人)はチームを組んで、複数人で顧客と仕様調整する
ことが多いので、顧客も複数人からなるチームを組んでいることがほとんどです。
プロジェクトによって様々ではありますが、大体我々も、顧客チームも
プロジェクト責任者
マネジメント責任者
窓口担当
実作業担当者
というような、階層構造を持ったチームを作ります。
仕様を決定する上でとても重要なことは
「キーマンを見極めること」
です。
チームは階層構造である以上、上司、部下の上下関係が存在します。
ただ、キーマンは必ずしも、プロジェクト責任者ではなく、
窓口担当であったり、役職のない実作業担当者であったりします。
キーマンは役職や上下関係にはそれほど依存しないことも多いものです。
例えば、窓口担当である係長Aさんがキーマンで、
もう一人の窓口担当である課長Bさんはキーマンでないとします。
その場合、基本的にBさんはではなく、Aさんに集中的に仕様確認をすることに
なります。
課長と係長であれば、課長:上司、係長:部下の関係になることがほとんどですが、
役職は無視して、キーマンであるAさんとやり取りする方が手戻りが少なく
なります。
「キーマンを見極めること」はシステム開発だけではなく、どんな作業をする
上でも重要になってきますし、一般的にその重要性は広く認識されているもの
だと思います。
また、「キーマンを見極めること」は意外と簡単で、顧客チームと顔を合わせて
直にやり取りをしていれば、すぐに分かることが多いものです。
「キーマンを見極めること」をクリアできたなら、次に大事になってくるステップは
「キーマンに気に入られること」
です。
【2.キーマンに気に入られること】
私は名古屋で丸2年間システム開発をやっていたことがあります。
その時、私の会社は階層的には下の方の作業受け持ちだったので、
システムを利用する顧客チームと直にやり取りすることは一度もありません
でした。
主にやり取りしていたのは、私の会社のような作業を受け持つ会社を、
複数束ねるCさんという人でした。
Cさんは発言権がとても強く、また、システムの仕様については最も熟知している
人物でした。
Cさんがキーマンであることは、すぐに分かりました。
ただ、残念ながら、私はCさんから気に入れらることはありませんでした。
むしろ、嫌われていたし、煙たがられていました。
このブログで何度か、
「私は名古屋で死ぬ思いをして、2年間過ごしていた。」
と書いたことがあります。
その大きな理由は
「キーマンであるCさんから嫌われていた」
ことに他なりません。
発言権があり、権力があり、仕様も熟知しているキーマンCさんから
嫌われるというのは、本当に辛いものでした。
私が何か作業をする時、必ずと言っていいほど、Cさんはダメ出ししてきます。
私も何度かキレかかった時があったのですが、仕様を熟知しているCさんに
口もきいてもらえなくなったら、それこそ本当に八方ふさがり。
ぐっと耐え続けました。
ストレスのせいか、朝起きたら左足に激痛が走り、起き上がることができず、
会社を休んだこともありました。
私は会社の同僚に
「ふくたまさんだったら、どんなプロジェクトでもやっていける」
と言われることがあります。
それは、そんな状況でも、丸2年間耐え続けた実績があるからだと思います。
Cさんに「嫌われていた」のを、「気に入られた」にすることができなかったので、
決して誇れる実績ではないかもしれませんが、こうやって評価してくれる人がいる
というのは、何ともありがたいことです。
私がCさんに嫌われたのは、会社を含めた経緯があり、そのため、
「気にしなくていい。早く忘れた方がいい。」と言ってくれる人もいます。
その言葉もありがたいのですが、スーパーリーダー、スーパーSEを
志す私としては、
「Cさんに気に入られるには、どのような立ち振る舞いをしていれば
よかったのだろう?」
というのを度々振り返りますし、度々頭の中でシミュレーションし
ベストな答えを模索しています。
まだ答えを見つけることができておらず、今なお残る、私の課題です。
【3.キーマンに気に入られたら】
キーマンに気に入られたら
仕事はうまくいきます。ストレスがぐっと減ります。自社からの評価が上がります。
東京でシステム開発をやるようになって、丸2年以上経過しました。
それを実感しています。
私のように、客先に常駐して作業することがメインのSEの場合、
自社は直接私の仕事ぶりを見ることはできません。
では、私の評価をどうやって決めるのか。
それは多くの場合、実際に私の仕事ぶりを見ているお客さんから、
私への評価を聞き出し、自社の評価にするということになります。
名古屋でも、今の東京でも、その形式は変わっていません。
しかし、評価は怖ろしいほど、真逆、180度違う、天と地の開きとなっています。
何が違ったのかというと、お客さんからの評価が、名古屋の時と、東京では
違うのです。
今は会社から評価されていると感じることが多いです。
時には、その評価の高さが、少し怖くなることすらある程です。
名古屋 お客さんから評価されていない→自社から評価されない
東京 お客さんから評価されている→自社から評価される
この結果から、私は
「キーマンに気に入られること」の重要性を再認識しています。
今、私がお客さんから評価されているのは、
お客さんの中のキーマンに気に入られているから、という理由が非常に大きいです。
お客さんの中のキーマンは、一人ではなく、三人の方がいます。
幸運にも三人の方から、気に入られていると思っています。
【4.キーマンに気に入られるためには】
なぜ、気に入られたのだろうか、と振り返ってみることがあります。
システム開発をやっていると、飲み会が開かれることが結構あります。
工程完了時の飲み会、プロジェクトに加入してくる人の歓迎会、
プロジェクトを抜ける人の送別会など。
でも、個人的にサシで飲みにいくことは滅多にありません。
だから、お酒をおごったりすることや、お酒の付き合いで、キーマンの方々に
気に入られたわけではありません。
基本的に私は、お客さんの要求はすべて飲むし、会社に泊まり込みになろうが
徹夜になろうが、お客さんの要求にすべて応えるようにしています。
ただ、言いなりになっているかと言われるとそうでもなく、
仕様でおかしな点があれば、例え顧客承認が取れている状態であっても、
改善を要求するし、自分で改善のための行動を取ります。
お客さんの社員であっても、SEとしてやってはいけないようなミスを
した場合は、その人の将来のために叱ったりします。
何かいいやり方を見つけた時は、お客さんを含めプロジェクトメンバーにその
やり方を発信し、みんなの合意を取った上で、その通りやることを要求したり
することはしょっちゅうです。
もし、お客さんが、出る杭を打つタイプや、目立つ行動を取る人間を煙たがる
ようなタイプであれば、私は嫌われていたかもしれません。
名古屋の時も今も、自分の信念の元、失敗を怖れず常に前進し続ける姿勢は
ずっと変わっていません。
でも、名古屋の時は、その姿勢の中に、自分の保身というか、人の目というか、
そんなことばかり気にしていて、仕事をする上で最も大事な
「プロジェクトを成功させる」という目標に向かって、前進し続けることを
やっていなかったと思います。
東京にきてからは、徐々にではありますが、
自分の保身を捨て去り、いい意味で人の目を気にしなくなっていきました。
そして、「失敗を怖れず常に前進し続ける姿勢」という自分の信念をフルに発揮し、
「プロジェクトを成功させる」という最終目標に向かって突き進み、
プロジェクトをやり遂げてきました。
「キーマン」というのは人間を指す言葉ですから、当然ながらキーマンの
性格や性質は様々です。
だから、「キーマンに気に入られるためには」という課題に対して、
普遍的、絶対的な答えはないはずです。
ただ、こうやって振り返っていくと、
「自分の信念を信じ行動し続け、結果的にプロジェクトを成功させる」
という今の自分の姿が、一つの答えになってくるような気がしてきます。
Cさんに気に入られなかったことに関して、
今の自分の姿であれば、ひょっとしたらうまくいくのかもしれないと、
課題解決に向け、一つ光明が射してきたように思えます。
いろいろ考えたり、悩んだりすることもありますが、
今は、勇気を持って行動し、どんな困難があっても、プロジェクトを成功させる
という最終目標を達成できるよう、少しずつでも日々前進し続けていきたいと
思っています。