これはMUC6の染色です。MUC6は幽門腺型粘液のマーカーとしてよく知られるようになっていますが、炎症も腫瘍もない健常成人粘膜上皮組織では幽門腺、頚部粘液細胞(副細胞)、ブルンナー腺で発現がみられます。本例でMUC6を染色したところ腫瘍腺管が強陽性を示し、粘膜深部~粘膜筋板内で手つなぎ・横這い様の分岐・融合をしている姿が描出されました。MUC6やMUC5ACあるいはその系列の染色が婦人科病理分野でもよく用いられていますが、その点についてはDr.近江富士やFrau Dr.鈴鹿山脈の論文をご参照下さい。Dr.鈴鹿山脈は私の妹弟子です。
なお、腫瘍を語る前には胃粘膜の分化と増殖の正常動態を知っておく必要がありますが、この分野では私の恩師である伊賀流一門総帥Prof.Ninjaに叩き込まれました。胃の頚部粘液細胞(副細胞)はペプシノゲン1を分泌する主細胞の前駆細胞と考えられています。(発生学的に異論を唱えるものもいますが・・・)
このタイプの腫瘍ではMUC6とpepsinogen-1にdouble positiveになるものがほとんどで、頚部粘液細胞-主細胞系列への分化を示していると考えることができます。文献的にはchief cell differentiationを示す胃がんと報告されたものがあります。またchief cell hyperplasiaと報告されているものもこれである可能性があります。
MIB-1抗体で染色しますと、正常増殖帯のところ以外に、腫瘍と目されるところにパラパラと陽性細胞が認められますが、indexは低く、low gradeなものであることが示唆されます。
なお、腫瘍を語る前には胃粘膜の分化と増殖の正常動態を知っておく必要がありますが、この分野では私の恩師である伊賀流一門総帥Prof.Ninjaに叩き込まれました。胃の頚部粘液細胞(副細胞)はペプシノゲン1を分泌する主細胞の前駆細胞と考えられています。(発生学的に異論を唱えるものもいますが・・・)
このタイプの腫瘍ではMUC6とpepsinogen-1にdouble positiveになるものがほとんどで、頚部粘液細胞-主細胞系列への分化を示していると考えることができます。文献的にはchief cell differentiationを示す胃がんと報告されたものがあります。またchief cell hyperplasiaと報告されているものもこれである可能性があります。
MIB-1抗体で染色しますと、正常増殖帯のところ以外に、腫瘍と目されるところにパラパラと陽性細胞が認められますが、indexは低く、low gradeなものであることが示唆されます。